ジャ・ジャンクーなど名匠を支える市山尚三氏に川喜多賞

ジャ・ジャンクーなど名匠を支える市山尚三氏に川喜多賞

第37回川喜多賞を受賞した市山尚三氏 - (撮影:中山治美)

 第37回川喜多賞(主催:公益財団法人川喜多記念映画文化財団)の贈呈式が26日、都内で行われ、中国のジャ・ジャンクー監督作品のプロデューサーで映画祭「東京フィルメックス」ディレクターの市山尚三氏に贈られた。会場には『帰れない二人』(9月6日公開)のキャンペーンで来日中のジャ監督と女優チャオ・タオや、フィルメックスの常連であるアミール・ナデリ監督が祝福に訪れていた。

 同賞は映画を通じた国際交流と日本映画の芸術文化の発展に多大なる功績を残した個人・団体に贈られるもので、これまで黒澤明監督、大島渚監督、俳優の三船敏郎、笠智衆など錚々(そうそう)たる面々に授与されてきた。市山氏は台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作『憂鬱な楽園』(1996)からオダギリジョー監督作『ある船頭の話』(9月13日公開)までのプロデュースをするだけでなく、2000年に東京フィルメックスを立ち上げてアジアや中東の優れた作品・映像作家たちを日本に紹介してきた功績が認められた。

 受賞について市山氏は「もともと映画を作ろうとか、プロデューサーを目指してこの世界に入ったとわけでもなく、すべて偶然の産物だと思います。ということは結局、その時支えてくださった方のおかげだと思っています」と語り、中でもフィルメックス創設を支援したオフィス北野の森昌行・元社長と、オフィス北野の映画事業見直しによりフィルメックスが継続危機に陥った際、手を差し伸べた木下グループの木下直哉社長に感謝を捧げた。

 またあいさつに立ったジャ監督は「市山さんとは1999年に初めて仕事をさせてもらいました。僕は(長編)映画を取り始めて21 年になりますが、うち20年を市山さんと共に歩み始めました。特にオフィス北野を紹介してくれたおかげでわたしは映画を取り続けることができています。これからも一緒に映画を作りましょう」とラブコールを送った。

 同財団は、1920年代から夫の川喜多長政さんと共に映画製作と輸入に尽力してきた川喜多かしこさんが創立。毎年、かしこさんの命日に川喜多賞の贈呈式が行われている。(取材・文:中山治美)

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