ウーマン村本、ソロライブでの狙い「テレビではできない違和感を発散したい」

ウーマン村本、ソロライブでの狙い「テレビではできない違和感を発散したい」

自身の笑いの変化を語る村本大輔

 7月2日に大阪のなんばグランド花月にて「村本大輔の大大大演説〜嘘まみれの世の中で生きる74億の愚かな全人類の目を覚まさせる独演会〜君の価値観は今日、前、後に分かれる...」と長いタイトルを銘打った独演会を行うウーマンラッシュアワーの村本大輔が、本公演にかける思いを語った。

 2014年からスタートした「村本大輔の大演説」は、村本がノンストップでしゃべり尽くし巧みな話術を披露するソロトークライブ。今年もすでに全国数か所を回っており、本公演はその集大成となる予定だ。昨年までのトークライブでは、テレビ朝日系バラエティー番組「金曜☆ロンドンハーツ」で「嫌いなお笑い芸人ランキング」になるほどの過激なエピソードを披露して笑いをとってきた村本だが、最近は地上波では扱えないような政治や宗教に切り込んだネタも盛り込まれており、Twitterではファンから「大演説すごかった」との反応が多く見られている。

 村本はその変化について「最近は海外のコメディアンたちのスタンダップコメディーを観て向こうの笑いを勉強しているんですが、彼らは政治のことや時事ネタを自分たちのネタに入れたり社会風刺がすごくうまいんです。コメディアンが持つ『皮肉』という武器を使って権力と戦っている姿が面白くて、すごく影響を受けているんです」と明かした。普段テレビ番組でコメントをしている時に感じるフラストレーションが原動力にもなっているそうで「芸人はバラエティーで当たり障りない面白いことを言って笑いを取る。そんなもんって思われているけど、いろんな笑いがあっていいのに、日本ではそれが認められていない。だったらそれ以外の価値観を自分のライブで発散したい。自分の独演会が行われる劇場では、今日本の空気を当たり前に吸っている平和ボケした人たちの土手っ腹に全く新しい笑いの感覚を流し込みたい。英語に翻訳されても世界中の人が笑うであろうネタを作りたいんです」と意気込む。

 村本にとって笑いは「復讐」というのは本人もよく口にしている言葉だ。村本によればコンビでの有名なネタ「バイトリーダー」も昔彼がバイトをしていた先のバイトリーダーへの復讐心から生まれたネタなのだそう。これまでパーソナルな恨みや復讐から生まれていた笑いの衝動は、今メディアや世間に向けられている。村本は「例えば政治をネタにしたらテレビだと使ってもらえないわけです。勝手なルール作られて、芸人がそれを笑いのネタにするなと言われている。僕もコメンテーターのお仕事をいただくことがあるけど、言っちゃいけないことを考えながらしゃべる気持ち悪さを舞台で発散したい。テレビだとできないことを舞台で笑いに変えてやろうって思っています。歌手は歌、絵描きは絵、芸人はしゃべりで勝負しないとあかんなと思うんです」と話す。

 タブーと言われているものにこそ反応していく、常に新しい笑いを開拓する上で村本には、逆風が吹くこともあるという。「俺はこれまで生きていく上でのジレンマだったり、怒りの衝動を笑いにしてきた。周りの人から現実を見ろって言われることもあります。でも、その言葉で自分がお笑い芸人になるって言った時に周りに言われていた言葉なんですよね。要は余計なことしないで、その場に留まっとけというのが、現実を見ろって言葉になっている。でもそうじゃないやろと。みんな変な理由をつけて、人の羽根をもごうとするんです。そうやって勝手な価値観を押し付けられて飛ぶのを諦めてしまった人に、それは現実じゃないってことを自分の笑いに転換して伝えたいんです」。

 5月25日、新宿ルミネで行われていたウーマンラッシュアワーの漫才では、宗教問題や政治のネタが飛び交い、観客を驚きと笑いで満たしていた。「まだ演説会のネタが決まっていなくて白紙なんです。何冊もノートをネタで書き潰しては最初から書き直し。その連続ですけど、最高におもろいネタを見てもらうために、練り続けています」と語った村本が社会に、笑いという武器でどう立ち向かうのか。生の舞台でしか見られない、90分間(予定)の熱気に期待は高まるばかりだ。(取材・文:編集部 森田真帆)

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