町山智浩、日本も見習うべき マック創業者伝記ドラマの映画づくり

町山智浩、日本も見習うべき マック創業者伝記ドラマの映画づくり

マック創業者とトランプは同じ師匠! 町山智浩と椎木里佳

 マクドナルドの創業者であるレイ・クロックの波乱に満ちた人生を描いた映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』のトークイベント付き試写会が3日、都内で行われ、映画評論家の町山智浩と、現役女子大生で、株式会社AMFの代表取締役社長の椎木里佳が出席した。

 本作は、マクドナルド・コーポレーションの創業者であるレイ・クロックが、どのようにして10億ドル規模の巨大企業を築き上げていったのかを描いた伝記ドラマだが、彼の辣腕(らつわん)ぶりがクローズアップされると共に、手段を選ばずに突き進む傲慢(ごうまん)な姿は、成功と転落というキーワードを浮き彫りにする。

 町山は、レイという人物について「彼は日本でも翻訳されている『積極的考え方の力』という自己啓発レコードを常に聞いているような人。この著者のピール牧師という人は、“ポジティブシンキング”という考え方を提唱した人なのですが、彼の考えがレイの行動の基本になっているんです」と明かし、「このピール牧師は、現在のアメリカ大統領のドナルド・トランプが唯一師匠として仰いでいる人。つまりレイとトランプは、同じ師匠を持ったビジネスマンという共通点があるんです」と思わせぶりに語った。

 また、以前は「マクドナルドがなければ街じゃない」と言われるぐらい繁栄の象徴とされていた風向きが、近年変わりつつあると町山。「『スーパーサイズ・ミー』(2004)というドキュメンタリー映画で、1日3食マクドナルドの商品だけを食べるという人体実験をし、マックシェイクの砂糖の量が問題になりました。その後も『ファーストフードネイション』(ファストフードが世界を食いつくす)という本で、合理化と効率化により徹底的に大量生産される牛の薬漬けされた実態などが描かれ、アメリカのマクドナルドは、減収に転じました。いま、ビジネスモデルとしては終わりに向かっているんです」と実態を明かしていた。

 こうした内容を含んでいるにも関わらず、映画のポスターにはマクドナルドのロゴが思い切り使われている。「よく許可が下りましたね」と司会者が話を振ると、町山は「オーソライズ(認可)されていませから」とサラリと答えると「ロゴも勝手に使っているんでしょう。アメリカにはフェアユース(合衆国の著作権法などが認める著作権侵害の主張に対する抗弁事由の一つ)という判例があるので、許可なんてとらないんです。この考えは日本もまねるべき。芸術を作るためには許可なんていらないという風にならないと」と提言し、客席を沸かせていた。(磯部正和)

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は7月29日より全国公開

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