日活ロマンポルノ、ニューヨークで上映!監督&女優が参戦

日活ロマンポルノ、ニューヨークで上映!監督&女優が参戦

映画『どろろ』などの塩田明彦監督とオーディションを勝ち抜いた間宮夕貴

 第16回ニューヨーク・アジア映画祭で上映された映画『風に濡れた女』について、塩田明彦監督と女優の間宮夕貴が、7月5日(現地時間)リンカーンセンターのエレノア・ブーニン・シアターでインタビューに応じた。

 日活ロマンポルノ45周年を記念して企画された「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の一環として製作された本作。世捨て人のように山小屋で暮らしていた高介(永岡佑)はある日、海岸で生命力に溢れた汐里(間宮)と出会い、いつしか彼女の欲望の渦に巻き込まれていく……。映画『どろろ』の塩田明彦が監督・脚本を務めた。

 オーディションの際に女優の情報を一切見ずに、演技だけで間宮を選考したと語る塩田監督は「良い意味で彼女は力が抜けていました。力が抜けている分、相手の男役に対してすごく余裕を持って対処している感じがあったり、男の人がテンパっている芝居をしているときに、ふっと力を抜いて見つめる視線が、ドライで格好良かったりしました。あとは、最近の女性にない強くて低い声を出せたり、柔らかくかわいらしい声も出せたりと、声の振り幅が印象的でした」と絶賛。劇中、間宮は全身で欲望に生きる女を体現している。

 興味深いのは、欲望に生きる女と欲望を捨てた男のぶつかり合いを描く上で、汐里の過去など無駄なものを排除している点だ。塩田監督は「今作の世界を民話のように作りたかったんです」と切り出すと、「民話の単純さって、正体不明の女性が男を誘惑して一緒に暮らし始めるも、3年経っていきなり、その女は『実はわたしはキツネなんです』と言って田舎に帰ってしまうような話です。このキツネのバックグラウンドは何か? とか、例えばこのキツネは子供の頃にイタチにいじめられていたとか、人間に対して恨みを持っているとか、そんなことを考えても民話には意味がありません。極めてシンプルに“人間に化けたキツネ”という以外は何もない。そんな民話みたいなものを、僕は人間の生身の体を使って映画化したんです」と説明。実際、構成は驚くほどシンプルだ。

 映画後半の永岡演じる高介とのカラミのシーンについて間宮は「撮影前に1週間ほどリハーサルをして、こういう風に動こうなどを多少決めていました。実際の撮影は最終日だったこともあり、すでに信頼関係ができていましたし、永岡さんがリハーサルからわたしを引っ張ってくれていました」と永岡への感謝と共に撮影を振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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