恐ろしすぎる人種差別ホラー…つくりあげたのは人気コメディアンだった!

恐ろしすぎる人種差別ホラー…つくりあげたのは人気コメディアンだった!

何かおかしい…主人公が目にするものとは?(写真は『ゲット・アウト』より) - (C)2017 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved

 低予算ながらも全米初登場1位の大ヒットを記録し、全米最大の映画レビューサイト Rotten Tomatoes では99%(29日時点)の高評価を獲得した、異色スリラー『ゲット・アウト』で映画監督デビューを果たしたジョーダン・ピールとは?

 『パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』『ヴィジット』などで知られるホラー界のヒットメイカー、ジェイソン・ブラムが製作を務めた本作。アフリカ系アメリカ人の青年クリスが、ある週末に白人の恋人ローズの実家へと招かれ、そこで想像を絶する恐怖を体験するさまを描き出す、“人種差別”がテーマの異色ホラーだ。

 そんな本作で監督・脚本を担当し、じわじわ来る恐怖とあっと驚く結末で、これまでにないオリジナリティーを炸裂させたのが、コメディアンのジョーダン・ピールだ。1979年ニューヨーク生まれのジョーダンは、コメディー番組「マッド TV!」にて5シーズン連続でレギュラーを務め、番組内で製作した音楽ビデオ「Sad 50 Cent」で2008年プライムタイム・エミー賞にノミネート。相棒のキーガン=マイケル・キーとコンビを組んだコメディー番組「キー・アンド・ピール(原題) / Key & Peele」で人気が爆発し、2013年に“放送界のピューリッツァー賞”とも呼ばれるピーボディ賞、2014年にアメリカン・コメディ・アワードなどを受賞。最近では、キアヌ・リーヴスが猫の声で出演したコメディー映画『キアヌ』(日本劇場未公開)でキーガン=マイケルと共に出演し、製作・脚本も手掛けた。

 そんなコメディー界の人気者であるジョーダンが映画監督デビュー作に選んだジャンルは、意外にもスリラーだった。ジョーダンは昔からのスリラー映画ファンであり、恐怖と笑いのインスピレーションの源泉は同じだと信じていて、どちらも人間という不条理なものを知ろうとする私たちの欲求に基づくものだと考えている。「一方では、観客は笑いたがっていて、もう一方では、怖がりたがっている。自分の大好きなジャンル、つまり“スリラー”に、コメディーで学んだ全てを注ぎ込むのは楽しかったね」。

 製作のジェイソンは「ジョーダンはものすごく才能があると同時に、協力的でもあるという稀に見る人物なんだ。私はあらゆるスリラー映画を観て、あらゆるスリラー脚本を読んでいるが、こんな映画は観たことがなかった。ジョーダンがスリラーを撮ることについて言えば、コメディーとスリラーの間にはかなり似た要素があると思っている。どちらのジャンルも観客が劇場で身体的に反応する。ジョークを出すタイミングと怖がらせるタイミング、そして映画の中にジョークや恐怖を組み込む方法は、すごく似ているんだ。その笑いと恐怖の組み合わせ、そして『ゲット・アウト』について熱心に語るジョーダンを見て、私は自信を持って製作を進めることにした」と太鼓判を押していた。

 本作の成功をきっかけに、ハリウッド実写版『AKIRA』の監督オファーを受けていると報じられたり、J・J・エイブラムスとタッグを組むドラマ「ラブクラフト・カントリー(原題) / Lovecraft Country」の製作総指揮、スパイク・リーとタッグを組む新作映画『ブラック・クランズマン(原題) / Black Klansman』の製作などに名を連ね、早くも引っ張りだこ状態に。お笑いだけでなく、映画監督としても活躍するその姿は“アメリカ版北野武”と言えるかもしれない。今後の活躍が期待される監督の一人だ。(編集部・石神恵美子)

映画『ゲット・アウト』は10月27日よりTOHOシネマズシャンテ他にて全国公開

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