K-POPアイドルは韓国映画界の救世主となるか?高齢化する主演俳優たち

K-POPアイドルは韓国映画界の救世主となるか?高齢化する主演俳優たち

俳優としても最も勢いのあるEXOのD.O.ことド・ギョンス - Han Myung-Gu / GC Images / Getty Images

 2017年も韓国映画界は好調で、観客動員数1,219万人を達成した『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』のほか、『共助(原題の日本語訳)』が781万人、『犯罪都市(原題の日本語訳)』が661万人、『軍艦島(原題の日本語訳)』が660万人、『青年警察(原題の日本語訳)』が565万人と景気のよいスコアが並んだ。しかしながら、この中で20代の俳優がメインキャストを務めているのは、『青年警察』のパク・ソジュン(29歳)くらいで、ほかは皆30歳以上。ここに韓国映画が抱える俳優の高齢化問題がうかがえる。

 アジアを中心に韓流を牽引したペ・ヨンジュンらももう40代。ヒョンビンやチョ・インソンら若手と言われてきたスター俳優も、いつしか30代半ばを超えていた。現在の韓国映画で主演を張るのは、アジョシ(韓国語で「おじさん」の意味)俳優ばかりなのだ。

 かといって、若手俳優が活躍していないというわけではなく、アジョシ俳優が幅を利かせる現在の韓国映画界にもさまざまな配役で若手俳優も出演している。そして、昨今の韓国映画会を支える若手俳優として、K-POPアイドルが増えつつあるのだ。

 もちろんK-POPアイドルが映画に出演しているのは、今に始まったことではない。これまでも多くのK-POPアイドルが韓国映画に進出はしてきたが、演技を評価されてというよりは話題先行である場合が多く、賞レースに絡むどころか、1作品のみで映画俳優としてのキャリアを終えるケースも少なくなかった。それが今、演技が評価されるアイドルが現れている。

 チェ・スンヒョンは『戦火の中へ』や『同窓生』などで主人公を演じており、所属するBIGBANGではT.O.P名義でラップ担当として活動している。『弁護人』でストイックな大学生を演じたZE:Aのイム・シワンは、その後もコンスタントに出演作を重ね、2018年には主演した最新作『王は恋する(原題の日本語訳)』の公開が韓国で控えている。

 だが、現在最も勢いがあるのは、ド・ギョンスだろう。『明日へ』で注目され、『あの日、兄貴が灯した光』で第38回青龍映画賞新人男優賞を受賞するなど演技力は折り紙付き。所属するEXOではD.O.名義でメインボーカルとして活動を行っており、2018年には朝鮮戦争を背景とした最新作『スウィング・キッズ(原題の日本語訳)』の公開が控えている。

 K-POP女性アイドルに目を向けると、T-ARAのウンジョンやf(x)を脱退したソルリ(現在は本名であるチェ・ジンリ名義で活動)は子役時代から演技のキャリアを重ねており、少女時代のユナも2017年の『共助』に続き、イム・シワンと共演した『王は恋する(原題の日本語訳)』でヒロインを演じる。

 かつては、『女校怪談』や『ボイス』などホラー作品を中心に若手俳優が主演する映画も多く作られていたが、現在は受け皿となる作品が少なく、若手が出演機会を得にくい傾向が続いている。そうした少ないパイを奪い合う中で、人気と演技力をK-POPアイドルが進出してくることは、映画界&K-POP界にとってWin-Winの関係であると考えられており、今後もこのような傾向が続くと思われる。(取材・文:土田真樹)

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