オスカー日本人候補の短編に大拍手!『ネガティブ・スペース』現地イベントで上映【第90回アカデミー賞】

オスカー日本人候補の短編に大拍手!『ネガティブ・スペース』現地イベントで上映【第90回アカデミー賞】

オスカー像と一緒に! 『ネガティブ・スペース(原題)』の桑畑かほるとマックス・ポーター - Paul Hebert / (C)A.M.P.A.S.

 現地時間2月27日、第90回アカデミー賞短編映画賞部門のノミネート者たちを一堂に集めて行われる、毎年恒例の「オスカーウイーク・ショーツ:アニメイテッド・アンド・ライブアクション」がビバリーヒルズにある映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の本部で開催された。

 今年はシンポジウムの司会を、2005年のアカデミー賞で短編部門にノミネートされ、去年『マイティ・ソー バトルロイヤル』が世界的な大ヒットとなったニュージーランド出身の監督でコメディアンのタイカ・ワイティティが担当。イベントの冒頭でタイカは、出身国ニュージーランドを背負ってオスカーに臨んで受賞を逃した時の苦い経験をユーモアたっぷりに語り、会場を大いに盛り上げた。

 日本からは、短編アニメ映画賞部門で、『ネガティブ・スペース(原題) / Negative Space』でノミネートされた桑畑かほるが、共同監督でパートナーのマックス・ポーターと参加。スーツーケースのパッキングの仕方を通して、父と子供の関係を、ストップモーションアニメならではの独特な動きと質感で語る『ネガティブ・スペース(原題)』は、驚きとユーモアに満ちたラストのオチが観客の心を掴み、上映後、短編アニメでは一番大きな拍手を浴びていた。作品の尺は約5分だが、時間のかかるストップ・モーション・アニメということもあり、制作には9か月を要したという。「最初の3か月はセットやパペット作り、その後撮影に3か月、仕上げに3か月かかりました」(桑畑)。

 桑畑は自分たちの作品が、アカデミー賞にノミネートされたことについて、先日アニー賞のレッドカーペットで、「それについては、是非アカデミー会員に聞いてみたいです。私たちの作品は小さなインディーズ作品なんです。なかなかインディーズがこういった大きな舞台に出てくることは少ないので、私たちも驚いているんです」と興奮気味に語っていた。

 『ネガティブ・スペース(原題)』のライバルと見られているのは、数々の名作短編アニメを送り出してきたピクサー・アニメーション・スタジオの『LOU』と、すでにアニー賞で受賞している『ディア・バスケットボール(原題)/ Dear Basketball』だ。

 『LOU』は、学校で子供達が休憩時間にグラウンドで使う様々な遊び道具をキャラクターとして描きながら、いじめっ子の複雑な心模様を感動的に描く。『ディア・バスケットボール(原題)』は引退した元レイカーズのスーパースター、コービー・ブライアントが書いた自伝の詩を、『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』など数々のディズニー・アニメを手がけた伝説的アニメーター、グレン・キーンが、躍動感溢れる全盛期のブライアントの動きを手描きアニメで見事に映像化している。どちらの作品も秀作だが、今晩のシンポジウムの観客の反応を見る限り、「ネガティブ・スペース」にも十分可能性はありそうだ。本番の結果が大いに楽しみになってきた。(取材・文:細谷佳史)

第90回アカデミー賞授賞式は、3月5日(月)午前8時30分よりWOWOWプライムにて生中継で開催される

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