本当にあった!ハイジャックからの人質救出作戦を描いた映画とは

本当にあった!ハイジャックからの人質救出作戦を描いた映画とは

映画『ロボコップ』などのジョゼ・パヂーリャ監督(左)と、ドラマに映画と出演作が続く俳優ダニエル・ブリュール(右)

 『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュールが、新作『セブン・デイズ・イン・エンテベ(原題) / 7 Days in Entebbe』について、ジョゼ・パヂーリャ監督と共に、3月13日(現地時間)にニューヨークのAOL開催イベントで語った。

 本作は、1976年6月27日にウガンダで実際に起きたエンテベ空港奇襲作戦を描いた作品。アテネ発パリ行きの飛行機が、西ドイツのテロリストグループ・革命細胞とパレスチナ解放人民線にハイジャックされた。彼らの要求はイスラエルに服役中のテロリスト40名の釈放。イスラエル政府は、人質救出の大ががりな作戦を練るが……。映画『ロボコップ』やテレビドラマシリーズ「ナルコス」のパヂーリャ監督がメガホンを取った。

 エンテベ空港奇襲作戦は、これまでにドキュメンタリー映画や長編映画『エンテベの勝利』で描かれているが、今回、挑戦した経緯をパヂーリャ監督は、「これまでは救出作戦に関わった兵士の視点で描かれてきたんだ。でも、その裏側には、当時のイスラエルの首相イツハク・ラビンと、後にイスラエルの首相となるシモン・ペレスの大きな決断があったんだ。これは現在の外交問題にも反映されているように思えたよ。また、同事件にはユダヤ人の人質が多かったことで、彼らが革命細胞をナチスと批判しはじめ、(ナチスと比較されたくないハイジャック犯の行動によって)人質が生き残ることができたという出来事も描きたかったんだ」と明かした。

 テロリストグループの一人・ウィルフリードが、典型的な悪人として描かれていない点について、演じたダニエルは「僕はドイツの中流階級で育ったんだけど、もし僕がウィルフリードと同じ時代に生きていたら、政治的な活動をしていたかもしれないね。ただウィルフリードは、もう一歩踏み込んで過激派になってしまった。そんな彼に僕は興味を持ったんだ」と話す。続けて、「彼は、両親の世代であるナチスに属していた人々が、1960〜70年代に(事件当時)なっても、未だにドイツで高い地位についていることについて、怒りをおぼえていたんだ。だから、革命細胞もそんなファシズム的なやり方を排除するために立ち上がり、それがイスラエルのファシズムと戦う今作に繋がっていくんだ」と説明した。ダニエル自身は同事件後に生まれたが、両親が同事件について色々と教えてくれたそうだ。

 ウィルフリードに関しては、革命細胞を含め様々なリサーチをしてきたというダニエルだが、その中で、事件に関わったフライト・エンジニアに会ったという。「彼との出会いは、演じる上でかなり重要なカギとなったね。実際にウィルフリードと過ごした時間があり、ストックホルム症候群みたいな関係性があったかもしれないんだ。ロザムンド・パイク演じるタフで、断固とした態度を取るブリジットとは話すことが不可能だったけれど、ウィルフリードとは話すことが可能だったそうで、(ある程度)心を開いてくれていたらしいんだ」と明かした。劇中でもウィルフリードは人間味のあるハイジャック犯として描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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