『万引き家族』リリー・フランキー、樹木さんいなくなり「つまらなくなった」

『万引き家族』リリー・フランキー、樹木さんいなくなり「つまらなくなった」

「樹木さんらしいお葬式でしたね」と語ったリリー・フランキー

 今月15日に75歳で亡くなった女優・樹木希林さんの葬儀が30日、東京都港区の光林寺本堂にて営まれ、樹木さんの出演作で第71回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを受賞した『万引き家族』で共演したリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、子役の城桧吏、佐々木みゆが参列した。

 告別式で弔辞を読み上げたのは、樹木さんと文学座付属演劇研究所で同期だったという橋爪功。内容は『万引き家族』でメガホンを取った是枝裕和監督のもので橋爪が代読した。手紙で是枝監督は「直接お別れの言葉を伝えられない非礼をお詫びさせてください」と述べると「希林さんが重い病を抱えている以上、いつかはこの日がくるのだと覚悟はしていましたが、それでも急にお別れを告げなくてはならず、途方にくれています」と心情を吐露。

 さらに、是枝監督の実母と過ごせなかった息子としての時間を埋めるために、樹木さんと作品を重ねたこと、そしてもう一人の母である樹木さんを失い、再び喪の作業を始めることになってしまった無念さを記すと、『万引き家族』の撮影が終わり、是枝監督の事務所を訪れた樹木さんから、ガンの転移が全身に渡っていることを示す画像を見せられ「寿命が年内までもつか」と告げられたことを明かす。その際、『万引き家族』で樹木さんに老いて亡くなる役を演じさせてしまったことを後悔したというが、すべてを達観して、役柄を引き受けたのでは……と解釈したという。

 約20分の弔辞の最後、「あなたが亡くなった9月15日は、わたしの母の命日でもあります。母と別れた日に、こうしてまた母が出会わせてくれたあなたとお別れすることのめぐり合わせが、わたしの寂しさをひときわ耐え難いものにしています。母を失ってあなたと出会ったなどというこじつけは正しくないかもしれない。けれど母を失ったことをなんとか作品にしようとしたからこそ、希林さんと出会えたことは間違いないのです。希林さん、わたしと出会ってくれてありがとうございました。さようなら」と是枝監督はつづった。

 告別式を終えたリリーは「すごく空気が澄んでいて、樹木さんらしいお葬式でしたね」と柔和な表情で語ると、これまで数々の作品で共演してきた樹木さんとの思い出について「いっぱいありますが、こういう場で樹木さんにいただいた言葉を話したら『こういう場でそういうことを言うのは無粋よ』と言われそうなので……」と言葉を濁していた。

 「まだ実感としてないんですよね」と現在の心境を語ったリリーは「希林さんがいなくなって、随分自分のいる場所がつまらなくなったなと感じますね」と寂しそうにつぶやいた。

 安藤は、樹木さんと親交のあったオノ・ヨーコのメッセージを代読。「あなたのように頭の切れる人は日本ではほかに知りません」。夫・内田裕也に対しても「樹木さんが先に逝ってしまうなんて、さぞかしショックでしょう」と気にかけ、最後は「樹木さんと裕也さんアイラブユー」と締めた。(磯部正和)

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