ノートルダム大聖堂で大規模火災…映画に描かれたパリの心

ノートルダム大聖堂で大規模火災…映画に描かれたパリの心

映画『ノートルダムの鐘』より - Photo By Getty Images

 フランスのパリを代表する観光名所であるノートルダム大聖堂で、現地時間15日夜(日本時間16日未明)に大規模な火災が発生。フランスの歴史を見守ってきたノートルダム大聖堂は、数々の映画のなかで重要な役割を果たしたことでも多くの人の記憶に刻まれてきた。

 ノートルダム大聖堂は1163年に着工し、1345年に完成したゴシック建築の代表的建物。1991年にユネスコの世界遺産に周辺の文化遺産などとともに登録されている。フランス革命やナポレオンの戴冠式など、フランスの歴史とともにあり続けてきた。今回の火災により屋根や尖塔(せんとう)が燃え落ちるなど甚大な被害が出るなか、懸命の消火活動が行われた。

 パリの象徴であるノートルダム大聖堂は名作映画のなかにも登場してきた。1996年のディズニー映画『ノートルダムの鐘』は、幾度も映画化されてきたヴィクトル・ユーゴーの「ノートルダム・ド・パリ」を原作とするミュージカルアニメーション。15世紀末のパリを舞台に、ノートルダム大聖堂の鐘楼でひとりぼっちで暮らす鐘つき男カジモドと美しいジプシーの踊り子エスメラルダの心の交流が描かれる。

 ほかには『ブリキの太鼓』などで知られるドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフによる『パリよ、永遠に』(2014)。第2次世界大戦末期の1944年、エッフェル塔やオペラ座と並んで、ノートルダム大聖堂がヒトラーによる「パリ壊滅作戦」の爆破標的となる。家族を人質にとられパリの壊滅を命じられたドイツ軍将校と、パリを守ろうとするパリ育ちのスウェーデン総領事の舌戦の末、パリの象徴的な存在であり、世界に誇る美しき建造物は姿をとどめることに。

 また、ルネ・クレマン監督の『パリは燃えているか』(1966)は、パリ解放に至るまでを追った大作。ヒトラーによる「パリ焦土化計画」と、レジスタンスたちの熾烈な攻防戦などが当時のオールスターキャストを揃えて描かれた。『パリよ、永遠に』は、このエピソードを一夜の出来事に凝縮したもの。なお本作は、若き日のフランシス・フォード・コッポラが共同脚色を担当したことでも知られる。

 建築物とともに、寺院の内部には多数の貴重な文化財が保存されているノートルダム大聖堂。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「このノートルダム大聖堂を、われわれは再建します。皆で手を携えて。これはフランスの運命の一部です。私は約束します。明日から早速、全国さらには国外で寄付を募ります」と発表。日本の菅官房長官を含め、各国から支援の声が上がっており、今後の再建に向けての動きは始まっている。(編集部・大内啓輔)

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