ウディ・アレンの約20年前の「お下品」ラブ・コメディー映画

ウディ・アレンの約20年前の「お下品」ラブ・コメディー映画

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映画評論家・秋本鉄次が往年の名作傑作を探る『昔の映画が出ています』
作品目『誘惑のアフロディーテ』

アメリカ/1996年

監督/ウディ・アレン

出演/ミラ・ソルビーノほか


ウディ・アレン。今年の冬で82歳になるが、今でも年1本平均でコンスタントに新作を撮り、今年も5月5日公開の『カフェ・ソサエティ』が在り、老いてますます健在ぶりを示している。


そんなアレン翁の約20年前の逸品がコレ。アレン映画としては、アカデミー作品賞を取った『アニー・ホール』(1977年)などに比べると知名度は低いが、ボクは好きだなあ。最大の魅力は、他愛ない“お下品さ”。これがゲスなオヤジをニンマリさせるのよ。モチーフはギリシャ悲劇の『オイディプス』だから格調は高いんだけどね。題名の“アフロディーテ”もギリシャ神話に登場する愛と美の女神だし。


お話は、アレン演じる主人公が、養子にもらった子があまりにも優秀なので、その母親はどんなに素晴らしい人なのだろうか、と気になって母親探し。やっと出会ったら、何と、ポルノ映画にも出演経験のある陽気なコールガールで、ギャフンとなるが、やがて奔放な彼女にキリキリ舞いさせられる、というアホな一席。


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ウディ・アレンの「人生の教訓」が味わえる

この陽気なコールガールを演じるミラ・ソルビーノが絶品で、アカデミー助演女優賞に輝いたほど。まばゆいパツキン、キュートなルックス、ダイナマイト・ボディー、そして天性の小悪魔性でオジサンはイチコロ。彼女の部屋が“お下品”なグッズに満ちあふれて、豚がファックしている掛け時計とか、ペニスの模型が沈めてある水槽とか、サボテンだってペニス型…会話もあけすけエッチの連発で、アレンは卒倒寸前になるが、同時に惹かれていくのである。


で、デートに誘うのが競馬場っていうのがイイね。競馬なんて初めての彼女が選んだ馬の名前が“イーガービーバー”(ビーバーって、映画で女性器の俗称)というのも笑える。この馬は脚部不安で人気薄。当たれば3千ドルになってチンチラが買えると女度胸の大勝負。さて結果は…ネタバレになるから内緒だが、意外な展開ですぞ。


アレン翁は若いころから結婚、離婚、事実婚を繰り返し、その多くは自分の映画のヒロインという公私混同状態で、なかには事実婚の女優ミア・ファローとの養女を愛人にして、ドロドロの裁判闘争にも発展したこともある。養女(養子)を迎えて一騒動、という展開に、そんな“女じゃ苦労している”アレン翁の教訓が味わえて、クスクス笑える。転んでもただでは起きない“とっつあん”である。


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ウディ・アレンの約20年前の「お下品」ラブ・コメディー映画はまいじつで公開された投稿です。

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