脳天と臓物を刺激するブラッド・ピットの傑作サイコ・スリラー映画

脳天と臓物を刺激するブラッド・ピットの傑作サイコ・スリラー映画

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映画評論家・秋本鉄次が往年の名作傑作を探る『昔の映画が出ています』
作品目『セブン』

アメリカ/1995年

監督/デビッド・フィンチャー

出演/ブラッド・ピットほか


ゴールデンウィーク中に起こった愛媛県今治市の“高齢者連続殺傷事件”は、参考人の30代女性が事情聴取を受けたあとに自殺したため、容疑濃厚とはいえ、真相は闇の中になる可能性もある。もし仮に、この参考人女性の犯行だとしたら、高齢者のみを狙った“連続殺人”なのかもしれない。こういうターゲットを定めた犯行は、19世紀の“切り裂きジャック”の昔から種は尽きまじ、と改めて実感するのだ。


そこで、サイコ・スリラーの大ヒットおよび衝撃の傑作! との誉れ高いこの作品はどうか。実は同じく1990年代をドス黒く彩り、先日亡くなった監督のジョナサン・デミ追悼も込めて『羊たちの沈黙』(1991年)を推そうと思ったのだが、ふと、この『セブン』が頭をよぎったら離れなくなった。この当時、多重人格者を描いた“ビリー・ミリガン”や異常殺人犯を追ったノンフィクション『FBI心理分析官』がベストセラーとなり、世は“サイコ・スリラー”ブームでもあったころだ。ちなみにバブル崩壊もこのころである。


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「七つの大罪」をテーマにした猟奇殺人の果てに…

いま思い出しても胸クソが悪くなる、暗澹たる思いにさせられる映画である。だから、取り扱い注意。生理的にこの手の凄惨な作品は苦手、という人はパスした方が賢明かも。それでも好奇心旺盛な貴女なら止めはしませんが……。若き日のブラッド・ピットを拝みに来て、脳天ド直撃のショックを食らってしまえ、って挑発しよう。監督のデビッド・フィンチャーはダークな世界を撮らせたら天下一品の異才。近年の『ゴーン・ガール』(2014年)も良かったしね。


大食、強欲など“七つの大罪”をテーマに繰り広げられる凄惨な現場の数々。冒頭の肥満大食男の殺害現場は、腐臭が画面のコチラ側まで伝わってきそう。もし最近流行の4D映画で上映したら“臭い付き”で体感できるのか? ボクは真っ平御免。映画って想像力に羽根を広げながら観るのが一番。過剰な装置は無用だね。何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。


FBI心理分析官などの作品によると、サイコの世界では、この手の連続殺人鬼は“秩序型”に分類されるそうで、規則的な犯行が特徴。今回も実に几帳面で、その犯人心理を分析するだけでも興味は尽きない。もちろん、ブラピとベテランのモーガン・フリーマン演じる新旧刑事コンビの犯罪捜査物の側面もあるのだが、衝撃のラストまで脳天と臓物に突き刺さる一撃だ。


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