最高に男を咲かせた「ギャング映画」の逸品!

最高に男を咲かせた「ギャング映画」の逸品!

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映画評論家・秋本鉄次が往年の名作傑作を探る『昔の映画が出ています』
作品目『デリンジャー』

アメリカ/1974年

監督/ジョン・ミリアス

出演/ウォーレン・オーツほか


アラン・アーキン、モーガン・フリーマン、マイケル・ケインという、いずれも80代、全員オスカー受賞者が“シルバー・ギャング”トリオを結成して銀行を襲う『ジーサンズ はじめての強盗』が、6月24日から公開されるが、タタキ(強盗)こそ映画の華、だと思っている。カツオのタタキもいいけど、エイガのタタキもイイぞ。


なかでも、最高に男を咲かせた銀行ギャング映画の逸品がコレ。『ジーサンズ』はロートルぞろいだが、こちらは血気盛んな、アメリカの1930年代に実在した“若い”ギャング団だからイキがいいぜ!


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「男の美学」を一直線に見せる

映画は最初のツカミが大事。いきなり銀行の窓口に顔を出すド迫力、ドヤ顔のギャング王デリンジャーを演じるウォーレン・オーツのアップから始まる。「全額下ろしたい」「お名前は?」「デリンジャー、ジョン・デリンジャー!」とドスの効いた声に続き、マシンガンを取り出し、大ミエを切る。「さあ音に聞こえたデリンジャー様だ。わずかな金を差し出すだけで、(あのデリンジャーに会った、と)孫の代まで語りグサになるんだ。お安いもんだぜ」と。


初公開当時、この最初のツカミでツカマレたね、血が騒いだね。ミリアス監督はこれがデビュー作で、その後も『風とライオン』(1975年)、『ビッグ・ウェンズデー』(1978年)など、スタイリッシュな男の美学一直線。どうしたら男がカッコ良く映るか、ということにこだわって映画を撮り続けてきた。男が輝くキメどころはどこなのか、それはフィクションの中の戦場だったり、強盗現場だったりするわけだ。次々とつむじ風のように荒らしまくる銀行強盗シーン、そして逃走の果て、仲間がひとりまたひとりとやられていくシーンを詩情たっぷりに、思い入れいっぱいに描いてゆく。


追うFBIのバーヴィス(ベン・ジョンソン)が、デリンジャー一味をひとり殺すごとに葉巻を1本吸うあたりのカッコつけも映画ならでは! 最近こういうところにこだわる映画がめっきり少なくなった。ちなみにウォーレン・オーツとベン・ジョンソンは西部劇の傑作『ワイルドバンチ』(1969年)では一緒に殴り込む同志だった。そんな配役も興味深い。


どうせベッドじゃ死ねない体、聖書なんか似合わぬ男ども。太く短く、悪名を轟かせ、見事に死に花咲かせます。その後もこの“デリンジャーもの”は何度か映画化され、最近では2009年のジョニー・デップ主演の『パブリック・エネミーズ』が記憶に新しいが、やっぱりこの『デリンジャー』には敵わないっ!


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