玉城ティナ、演じる役を携帯の待受に 独自のアプローチに伊藤健太郎も絶賛

玉城ティナ、演じる役を携帯の待受に 独自のアプローチに伊藤健太郎も絶賛

映画『惡の華』で共演する(左から)伊藤健太郎、玉城ティナ (C)ORICON NewS inc.

原作漫画の累計発行部数が300万部を突破し、アニメ化、舞台化もされている『惡の華』が、9月27日に映画として公開を迎える。主人公・春日高男を演じた伊藤健太郎は、仲村佐和を演じた玉城ティナを「ネガティブではない変態」と表現。春日はクラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着の匂いを嗅ぐなど、仲村は春日に体操着を着させ、それを脱がすなど過激なシーンが盛り込まれている本作。2人が役に込めた“変態性”や人気漫画の実写化に対する思いなどを語ってくれた。

■伊藤健太郎、原作リスペクトも演じる上では「考えない」

 伊藤といえば映画『俺物語!!』(15年)、『覚悟はいいかそこの女子。』(18年)や日本テレビ系ドラマで映画化も決まった『今日から俺は!!』など、多くの漫画作品に挑戦。玉城も、伊藤と共演している映画『サクラダリセット』シリーズ(17年)や『ういらぶ。』(18年)のほか、小説が原作の『Diner ダイナー』や人気アニメを映画化した『地獄少女』(11月15日公開)などファンが多くいる作品に出演している。人気原作の実写化には反対の声が上がるのは付き物であるが、原作への“リスペクト”の気持ちや、演じる上でのアプローチ方法を明かしてくれた。

 「僕の場合は、原作はほぼ意識しない。読まないこともあります」と話すのは伊藤。「漫画は漫画、アニメはアニメ、映画は映画で違うものなんです。惡の華も読みましたが原作のことは考えなかったです。僕は“伊藤健太郎が演じた春日”を作らないといけなかったので、そこを一番意識していました。(原作に)引っ張られやすいこともあって、あえて見ないというのもあるんですけど」と原作を意識しない理由を話す。

 「もちろん原作ファンの方が、実写化に思うことがあるのはわかるんです。自分が好きな漫画が実写化されたときに思うこともあるので。その気持ちはすごく理解できるのですが、忘れないでほしいのは漫画へのリスペクト込みで演じているんです。漫画をさげすんでいるのではなく、リスペクトして実写化させてもらっています」。

 一方の玉城は「原作を絶対読みます」と言い「漫画、アニメ、どれも同じ部分もあって、違う部分もある。原作に忠実ではあるんですけど、映画にすることによって新しい解釈が生まれると思うんです。だからプレッシャーもなかったですし、原作ファンの方にも新しい惡の華として示していければ」と話す。

 さらに今作に関しては、仲村がどのような印象を持たれているのかをネットでも検索したといい「キャラに寄り添って、生身の私たちが演じることに意味がないといけないと思っています。原作とは違う部分は出てくると思いますけど、重荷にならない程度に意識している感じですね」。

 玉城のアプローチについて、伊藤が「仲村さんを携帯の待受にしていたんですよ? 変わっていますよね」と笑いながらも絶賛。この理由について玉城は「撮影中は考えるタイプなので、14歳、15歳のときの気持ちや思春期の恥ずかしかったことを引っ張り出してみるという作業をしました。仲村さんを嫌われる役ではなく可愛くしたくて、茶目っ気だったりを出しました。これは私にとって初めての挑戦だったと思います」と独自の役への向き合い方を明かした。

■ブルマの匂いは比喩で表現 変態描写の力を入れた撮影に感謝

 伊藤が演じた春日は佐伯の体操着の匂いを嗅いだときに「シャンプーの匂いがする」と言葉を放つ。「それは比喩だと思うんです」と語るように、劇中には佐伯が体育の時間にハードルを飛び越えるシーンなども盛り込まれており「どうしてこの匂いになったのか、その過程をすごく考えました」と話す。「ブルマを嗅いだり、変態チックな描写はこの物語では大事。そのシーンの撮影では(井口昇)監督はキラキラしていました。でも変態性を帯びて描かれないと惡の華は成立しない。あそこに力を入れて撮ってくれたのは、絶対響いてくる」。

 一方、玉城が持ち合わせる役者としての変態性については「独自の視点をもっているんですよ。ネガティブではない変態」と表現した伊藤だが、この言葉に玉城もうなずく。「相手が○と思っていると言われても、これは×じゃないですか?と恐れずに言えます。決して否定するのではなく、私はこう思うというのはある。たまに固執することもあるんですけど」と笑う。

 その玉城の言葉に対し伊藤は「映画の話をしていたときに、そこが一番ツボに残るんだというのがあって。例えば、アルマゲドンで印象に残るシーンだと地球に帰還してくるシーンだったりするじゃないですか。でも、全然違うところに興味を持っていて、自分の中に落とし込む。その話を聞くと『そうだな』って思えるんです。だから見方が違うというか、人が○と言ったものを○として見ないのは、すごく素敵だと思います」と分析する。

■思春期の子どもたちが「救われてほしい」 『惡の華』に託した2人のメッセージとは

 主人公の鬱屈(うっくつ)した青春と、行き場のない衝動を描き、思春期のダークな面をえぐり出した本作。思春期にさいなまれているすべての少年少女と、かつてさいなまれたすべての少年少女に捧げることをうたうが、伊藤と玉城も本作をただの変態ストーリーではないと強く話す。

 伊藤は「この作品を観て救われてほしいという気持ちがあって、思春期の子どもたちが観たときには何も感じなくて良いんです。少しでも重なる部分を見つけてもらえたらなと。親御さんたちにも思春期を、少しでも理解してもらえるようなヒントになればいいし、色々な世代の人に、色々な捉え方をしてもらいたいですね」と語る。

 玉城は「自分の学生時代のモヤモヤした気持ちだったり、反発心のようなものがあってよかったと、今は思います。後々の人生を振り返ったときに『あのときはこう思ってたけど、今はこうだなあ』と、自分の変化がわかったほうが人生は面白いと思うんです。色んな解釈ができる映画だと思いますし、自分の中にも仲村さんみたいな気持ちがあったかなって探していただけたらすごくうれしいです」。

 インタビュー中は終始にこやかに冗談も交えながら答えてくれた2人。「仲村さんは玉城ティナの生き写し」とまで伊藤が絶賛する玉城ティナの役への向かい方、伊藤が表現した春日高男の変態性は、漫画やアニメでは表すことがなかった人間が演じるからこそできる、新しい『惡の華』になるに違いない。

【映画あらすじ】
舞台は山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年生の春日高男はボードレールの詩集『惡の華』を心の拠り所に、息苦しい毎日を過ごしていた。ある日、教室で憧れのクラスメート・佐伯奈々子の体操着を見つけ、衝動のままに体操着をつかんでその場から逃げてしまう。それを見ていた仲村佐和は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある契約を持ちかけ、2人の主従関係が始まる。仲村に支配された春日は、仲村の変態的な要求に翻ろうされるうちに自身の変態性を開花させていく。そして2人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう…。

◆伊藤健太郎(いとう・けんたろう):1997年6月30日生まれ 東京都出身
フジテレビ系ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』で健太郎名義で俳優デビューすると、数多くの話題作に出演。映画『コーヒーが冷めないうちに』(18年)での演技が評価され、『第42回日本アカデミー賞』では新人俳優賞・話題賞俳優部門を受賞した。18年に芸名を本名の伊藤健太郎に変更した。

ヘアメイク:島徹郎(juice)
スタイリスト:釘宮一彰(juice)
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◆玉城ティナ(たましろ・てぃな):1997年10月8日生まれ 沖縄県出身
講談社主催の『ミスiD2013』で初代グランプリに輝くと、14歳で雑誌『ViVi』の最年少専属モデルに。TBS系ドラマ『ダークシステム恋の王座決定戦』(14年)のヒロイン役で女優デビュー。2018年『わたしに??しなさい!』で映画初主演。『チワワちゃん』(19)、『Diner ダイナー』(19)などに出演しコメディからホラー、学園モノからシリアスな人間ドラマまで幅広い役柄を演じている。

ヘアメイク :今井貴子
スタイリスト:松居瑠里

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