池松壮亮&オダギリジョーが兄弟役 石井裕也監督の最新映画、オール韓国ロケ敢行

池松壮亮&オダギリジョーが兄弟役 石井裕也監督の最新映画、オール韓国ロケ敢行

石井裕也監督の最新作『アジアの天使』に出演する(左から)オダギリジョー、池松壮亮、チェ・ヒソ

『舟を編む』(2013年)で「日本アカデミー賞監督賞」を最年少で受賞した石井裕也監督が、オール韓国ロケで挑んだ最新作『アジアの天使』が、来年公開されることが9日、発表された。主演は、池松壮亮で共演にオダギリジョー、ヒロイン役には韓国映画界からチェ・ヒソが抜てきされた。

 本作は、日本側の永井拓郎プロデューサーが「石井監督と韓国のクリエイターの共同作業で映画を作りたい」という思いから企画がスタート。「異国の地で映画を作ることに興味があった」という石井監督は、14年に開催された「釜山国際映画祭」でパク・ジョンボム監督と意気投合。そのときに「とても大切な友だちが住んでいる国」に変わったといい「韓国という国の全容は外国人である僕にはわからないが、友だちの心の痛みを想像することができるなら映画も撮れると、直感的に思った」とこれまでの経緯を明かした。

 韓国からは『猟奇的な彼女』(01年)の撮影助手を務め、『生きる』(14年)、『ビューティフル・デイズ』(19年)などで撮影監督を担ったキム・ジョンソンや『嘆きのピエタ』(12年)で音楽監督を務めたパク・イニョンらがスタッフとして参加。95%以上が、韓国チームのスタッフとキャストとなった。

 池松が演じるのは、妻を病気で亡くし、8歳の一人息子がいる青木剛。オダギリが剛の兄を担当する。日本から逃げるように、兄が住むソウルに渡った剛は、韓国語も話せない中、あやしい化粧品の輸入販売を手伝う羽目に。いっぽい、タレント活動を行うチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、事務所の社長と関係を持ちながら、自分の歌を歌えない環境や兄や妹との関係に心悩ませていた。事業に失敗した青木兄弟、資本主義社会に弾かれたソルたち、どん底に落ちた2つの家族が、ともに運命を歩んでいき、奇跡を目の当たりにする物語が描かれる。

 本作の撮影は、今年2月21日から3月24日。韓国では来春の公開を予定している。

 池松は「脚本を渡されたとき、震えました」といい「石井監督とはこれまでたくさんの仕事をともにしてきましたが、あくなき探究心と、他者の心を思う映画作家としての力は、圧倒的です」と再タッグを喜んだ。「この映画で出会い、受け入れてくれたチェ・ヒソさんをはじめとする素晴らしい韓国キャストの方々、愛情深いスタッフの方々には感謝してもしきれません」とお礼の言葉を続けた。

 オダギリは「この作品からは石井監督の『挑戦』が感じ取れました。ほんの数人の日本人が韓国に乗り込んで行ったわけですが、コロナも含め、いろんな危機を乗り越えながら、僕らは国を超えて大きな家族になれた気がしました」と本作への参加の意義を語った。チェ・ヒソは「徹底的に信じてくださった3人のおかげで、役者としていつもより自由に、私自身を開放することができました」と感謝の言葉を送った。

 石井監督は「撮影期間中、コロナによって世界の状況がどんどん悪化していきましたが、スタッフたちの努力により奇跡的にクランクアップできました」と胸をなでおろす。「池松くんとオダギリさんのコンビの芝居は面白く、日本の天才2人が韓国で兄弟を演じているだけでものすごく価値があるなと思いました。韓国人俳優たちは強烈でパワフルで純粋で、日本人には出せないオーラが確かにありました。別種のすごみが1本の映画の中で見られると思います」とアピールしている。

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