岸谷五朗、18年ぶり『クラウディア』再演で初の演出専念 その理由は?

岸谷五朗による“反戦三部作”の第1作「音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス」の製作発表会見が5月19日、都内で行われた。2004年に初演され、翌年には地球ゴージャス10周年記念公演として、アンコール上演された同作。この日、司会も務めた岸谷は「初演から18年後、まさかこんな世界情勢になっているとは思いませんでした。演劇は非力ですが、お客様ひとりひとりに反戦を訴える2022年版の作品なんだと、皆の心で一致している」と抱負を語った。

桑田佳祐が書き下ろした「FRIENDS」をはじめ、サザンオールスターズの楽曲でつづられるジュークボックスミュージカル。劇中では、愛を禁じられ、戦いに明け暮れる“根國”と“幹國”というふたつの民族の物語が展開。あるとき神が定めた掟に背き、ふたつの恋が芽生えるが......。約12万人の観客を動員し、再演を熱望する声が多かった伝説の作品が18年振りに復活。山本寛斎事務所が亡くなった寛斎さんのDNAを受け継ぎ、衣裳を手がける。

数々の舞台で演出を手掛ける岸谷だが、地球ゴージャス公演で、演出に専念するのは初めてのこと。「前回一緒に出演した寺脇(康文)さんも出たくてウズウズしているんですが、最後の盛り上がりでファーストキスのシーンがあるんですよ。寺脇さんも還暦を迎えまして。還暦のファーストキスは見たくないなと(笑)。頼むから出ないでくれと。そうなると、私だけ出るわけには」と笑いを誘い、「若いエネルギーを見せられると、俺も寺も出られないなと思った」と本音も明かした。

そんな“若いエネルギー”にあふれたキャストが会見に勢ぞろい。大野拓朗と甲斐翔真 (細亜羅役Wキャスト)、廣瀬友祐と小栗基裕(毘子蔵役Wキャスト)、田村芽実と門山葉子(クラウディア役Wキャスト)、美弥るりか(織愛役)、上山竜治と中河内雅貴(ヤン役Wキャスト)、平間壮一と新原泰佑(龍の子役Wキャスト)、湖月わたる(神親殿役)が登壇し、「FRIENDS」の歌唱パフォーマンスも行った。

大野拓朗
甲斐翔真

大野は初の地球ゴージャス参加で「本当にうれしいですね!」と喜びの声。岸谷による台本は「言葉ひとつひとつに、日本語の美しさを感じて、シェイクスピアを思い出しました。和製シェイクスピアなのかなと」と絶賛した。また、長年地球ゴージャスの舞台に立つことを夢見ていたという甲斐は「いつか、五朗さん、寺さんと同じ舞台に立ちたいと思って、お話をいただいたら、お二人がいない! それだけは残念です」と苦笑いだった。

廣瀬友祐
小栗基裕

初演で岸谷が演じた毘子蔵役を務めることになった廣瀬と小栗は、「プレッシャーもあるんですけど、今は楽しさの方が強くて。五朗さんが生み出し、演じた毘子蔵に僕自身の血を通わせられたら」(廣瀬)、「毎日、期待と不安と喜びが秒単位でせめぎ合っている。ギリギリの状態で『今、俺生きているんだ』と感じながら、楽しい日々です」(小栗)と闘志を燃やしていた。

田村芽実

また、本田美奈子.さんが生前最後に演じたクラウディア役を受け継ぐ田村は「事務所の大先輩でもあり、小さな頃から大好きな尊敬する存在。うれしいという次元ではない、私でいいのかなという思いがあります」と心境を明かし、「これは生半可な気持ちではできない。きっと私の中で一緒に歌ってくれていると思うので、命がけで精いっぱいにワンステージ、ワンステージを生きたいと思います」と決意を固めていた。

取材・文・撮影=内田涼

<公演情報>
音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス

2022年7月4日(月)〜24日(日)
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

2022年7月29日(金)〜31日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

脚本・演出:岸谷五朗
主題歌:サザンオールスターズ「FRIENDS」
出演:大野拓朗、甲斐翔真 / 廣瀬友祐、小栗基裕 / 田村芽実、門山葉子 / 美弥るりか / 上山竜治、中河内雅貴 / 平間壮一、新原泰佑 / 湖月わたる ほか

※大野拓朗と甲斐翔真、廣瀬友祐と小栗基裕、田村芽実と門山葉子、上山竜治と中河内雅貴、平間壮一と新原泰佑はWキャスト。

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