パリ五輪のターゲットは男子ベスト8、女子金メダル! ホーバスHC&恩塚HCが活動方針をプレゼン!!

パリ五輪のターゲットは男子ベスト8、女子金メダル! ホーバスHC&恩塚HCが活動方針をプレゼン!!

(写真左より)トム・ホーバスHC、三屋裕子会長、東野智弥技術委員長、恩塚亨HC

男子はベスト8、女子は金メダル。バスケットボール男女日本代表チームの『パリ 2024 オリンピック』でのターゲットが発表された。6月7日『2022年度バスケットボール男女日本代表チーム強化・活動方針-男女ワールドカップへ向けて-』発表記者会見が行われたのだ。まず日本バスケットボール協会・東野智弥技術委員長が強化方針を説明した。

「『東京 2020 オリンピック』でバスケ界は一歩進んだと考えている。『バスケで日本を元気に!』という理念のもと一歩一歩進んでいきたい。『リオ五輪』から『東京五輪』がホップ、ステップ、『パリ五輪』はまさしくジャンプ。
女子は780日後に『パリ五輪』が行われる。目指すは金メダル。アメリカの8連覇を阻止します。その前に106日後の『FIBA ワールドカップ』も金メダルが目標。恩塚(亨)HCは経験に則した強化だけではなく、多方面での学び、戦術家として有能で成果につながる最適解へ導いてくれている。彼の言語化能力には頭が下がる。女子チームは金メダルから逆算してチームを作っている。この後、恩塚HCの素晴らしいプレゼンを聞いていただければ。
男子が目指すのはまずパリへの自力出場、そしてベスト8。443日後の『W杯』で目指すのはアジア1位、ベスト8。沖縄でアジアの最上位にいかないといけない。パリの出場権を得るにはアジア1位になるか、ベスト16になるか、世界最終予選(OQT)に勝つしかない。まだ『W杯』『五輪』で1勝もできていない。簡単なことではないが、戦術家の(トム・)ホーバスHCが本日急遽プレゼンすると用意してくれた。本当に期待している。Bリーグの流れと代表をどう生かしていくか、これは簡単な足し算ではない。ホーバスHCの新しい文化を作るという素晴らしい意気込みと情熱、女子でも見せた選手育成能力にかけたい。彼は自信を植え付けるマスター。
この夏42名を2チームに分けて強化する。ひとつはWindow 3と『アジアカップ』のチーム、もう1チームは国際親善試合とWindow 4。ふたつのチームでやる選手もいる。八村塁選手には今年はコンディション調整に集中してもらい、来年にしっかりピークを合わせてもらうよう話した。渡邊雄太選手については現在ラプラーズと調整している」

両指揮官は強化方針をプレゼン。まず2022年度男子日本代表・ホーバスHCから。
「ここでうちのスタイルを改めて説明したい。20年前のNBAのシューティングエリアにはロングツーがあったが、2年前のシューティングの場所としてロングツーがなくなった。バスケが変わった。今はアナティックスバスケ。データのバスケットをしていきたい。ペイントアタックの確率が高いので、そこで打ちたい。できないなら3Pシュート。女子でもやってきたが、男子でも日本のスピードを生かしてそういうバスケをやっていきたい。
選手たちには自分のいいところを絶対に忘れないでほしい。富永(啓生)選手のロールは3P、富樫(勇樹)選手のロールはシューティングとペイントアタック。もうひとつはチームメイトのロールも覚えること。例えば富樫がボールを持って右に富永、左に(シェーファ)アヴィ(幸樹)がいる。では誰にパスを出すか? 富永! そういうバスケ。
私がHCになって4試合。ロング2は確率が低いから打ちたくない。一番はペイントエリアで次が3P。ペイントアタックするようになってからフリースローも増えた。今は3Pシューターを探している。若くていい。打って入る選手を探している。足りないのは3Pとディフェンスリバウンド。大きな選手も探している。
まだまだ結果を出していないが、我々はいい道を歩んでいる。私は結構ポジティブ。塁も来年はいる。雄太は今夏からいるかもしれない。今ポジションごとに選手を探している。これまで4ゲームで西田(優大)選手、齋藤(拓実)選手、寺嶋(良)選手、佐藤(卓磨)選手、谷口(大智)選手もがんばって、少しずついいチームになってきている。みんなの力で日本のバスケを強くしましょう」

続いて2022年度女子日本代表・恩塚亨HCがプレゼンした。
「金メダルを取るためにすべてを発想し、強化・戦略を考えている。まず金メダルを取るための鍵は他者に絶対負けない武器を持つこと。日本人が他者に絶対負けない武器はアジリティだと考えている。アジリティとは何か、ただの速さではなく、あらゆる局面で素早く効果的なプレーを発揮し続けられる能力と位置付けている。
どんなバスケットボールを目指すか。日本人の強みであるアジリティをもとに、あらゆる局面に応じてカウンターパンチを放つようなバスケ、カウンターバスケットボールを目指している。カウンターバスケットはなぜ成り立つかというと、こういう時はこうしようという原則の遂行と、どんな状況でもとにかくやってみよう、挑戦してみようというポジティブなマインドセットが鍵になると考えている。
原則は何か、最適解と整理している。こういう時はこうすると最適解を持つことで後出しジャンケンのように相手の状況に対応できる。また選手たちが共通理解し、同じ絵を見ることができチームプレーもシンクロすると考えている。
具体的にはオフェンスとディフェンスを5つの段階に分けて、こういう時はこうするというシンクロされた規律と即興が実現できるのでは考えている。私はトレーニングを5段階に考えている。1戦略とチーム原則の導入、2自チームの強みを生かす戦略導入、3相手チームが対応しにくい戦術導入、4アジャスト力(試合)強化:コーチの指示、5アジャスト力(試合)強化:選手自身。
高いアジリティを発揮続けるために質の高いゲームをしていかないといけない。今回トルコと試合をする。ここ最近勝てていない非常にいい相手。欧州の強豪にチャレンジして、個のアジリティを高めていきたい。また男子大学生との試合も積極的に組んでいきたい。
たくさんの苦労と困難を敢えて選択して、可能性を開く素晴らしい機会と位置付けて、克服して次のステップを繋げていきたい。バスケットで日本を元気にするというのは、ただメダルを取って素晴らしかったではなく、選手自身がやってみようと発して、なりたい自分に挑戦していく選手が増えることであったり、暴言なく選手を導けるコーチが増えていくバスケ界の実現であったりする。『バスケで日本を元気に!』という理念を実現できた時、私たちはメダルにふさわしいチームになっていると考えて強化していきたい」

日本バスケットボール協会・三屋裕子会長は両指揮官変の期待を口にした。
「私も東野も両HCには大きな期待をしている。ホーバスHCには何とか世界に通用するようなチームにしてほしい。高い目標かもしれないが、彼は快く引け受けてくれた。彼のチャレンジする気持ちに期待している。恩塚HCは史上初の銀メダルを獲得したチームの後を受ける大きなプレッシャー、金メダルを取ろうという大きなプレッシャーを正面から受け止めてくれた。
今の日本のバスケ界は新しい選手がどんどん出てきて、新陳代謝を繰り返し、どんどん成長している。両コーチには新しい選手をたくさん使って、トライ&エラーを繰り返していただき、自分たちが到達する世界、日本のバスケ界を作り上げてほしい」

中心選手や期待する選手を問われると、両指揮官はこのように答えた。
ホーバスHC「さっきも言ったが若い西田選手、齋藤選手、寺嶋選手、佐藤選手、若くないけど谷口選手。『東京五輪』が終わって代表を引退している選手、気持ちが足りない選手が多い。ハングリーな選手を探している。富樫(勇樹)選手はすごいハングリー。比江島(慎)選手もこないだのファイナル(日本生命 B.LEAGUE FINAL 2021-22)でいいバスケを見せた。彼はたまにハングリーではない。こないだの決勝戦のバスケをこれからもずっと見たい。八村(塁)、渡邊(雄太)、馬場(雄大)も集めたチームを早く作りたい」

恩塚HC「敢えて名前を挙げるならば、赤尾ひまわり選手、オコエ桃仁花選手、東藤なな子選手の3選手。なぜこの3人かと言うと高い能力を持っていて、高い志を持っている素晴らしい選手。これまでは自分を差し引いて考える面があったが、今はこういう選手になりたいという気持ちが膨らんできた。こういう思いが膨らんだ選手が今後才能をどう生かしていくか見守っていきたい」

2チームに分ける意図を求められると、ホーバスHCはこう説明した。
「本当は1チームがいいかもしれないが、8・9月まで活動期間があるのでふたつにした。Aチーム、Bチームではなく、強さ、高さがイーブンになるよう考えた」

恩塚HCは最年少16歳・福王伶奈に学んでほしいことを聞かれた。
「学んでほしいのはふたつ。ひとつは大きな夢を持つこと。彼女自身まだ高校生で世界が見えていない。自分を差し引いて考えていたので、差し引かずになりたい最高の自分を持ってほしいという思いから選出した。五輪選手になるスタンダードをこの代表チームで経験し、今後のスタンダードが変わることを期待している」

ライバルを問われると両HCはこうコメントした。
ホーバスHC「うちは世界ランキングがそんなに高くないので、みんなライバル、みんなに勝ちたい。こないだ負けた中国にもリベンジしたい。これからいいチームを作っていいライバルをたくさん作りたい。ただ相手どうこうよりもうちのバスケ。うちのバスケができるようフォーカスしている」

恩塚HC「ライバルという特別なチームは考えていない。今回対戦したオーストラリアも戦術的に質の高いチームだと感じたし、これまで対戦したどのチームもよくトレーニングされたいいチームだと感じている。ただ特別視することなく、これからも全力で向かっていきたい」

【2022年度バスケットボール男子日本代表チーム 第1次日本代表候補選手リスト】
竹内公輔(PF/宇都宮ブレックス)
ニック・ファジーカス(C/川崎ブレイブサンダース)
ウィリアムス ニカ(C/島根スサノオマジック)
古川孝敏(SF/秋田ノーザンハピネッツ)
ギャビン・エドワーズ(C/千葉ジェッツ)
谷口大智(PF/茨城ロボッツ)
岸本隆一(PG/琉球ゴールデンキングス)
比江島慎(SG/宇都宮ブレックス)
アキ・チェンバース(SF/群馬クレインサンダーズ)
熊谷尚也(SF/川崎ブレイブサンダース)
エヴァンス ルーク(C/ファイティングイーグルス名古屋)
永吉佑也(PF/京都ハンナリーズ)
藤井祐眞(PG/川崎ブレイブサンダース)
須田侑太郎(SG/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
張本天傑(PF/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
森川正明(SF/横浜ビー・コルセアーズ)
野本建吾(PF/群馬クレインサンダーズ)
安藤誓哉(PG/島根スサノオマジック)
橋本晃佑(PF/シーホース三河)
富樫勇樹(PG/千葉ジェッツ)
ベンドラメ礼生(PG/サンロッカーズ渋谷)
原修太(SF/千葉ジェッツ)
鵤誠司(PG/宇都宮ブレックス)※
渡邊雄太(SF/トロント・ラプターズ)
佐藤卓磨(SF/千葉ジェッツ)
齋藤拓実(PG/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
馬場雄大(SG/メルボルンユナイテッド)
今村佳太(SG/琉球ゴールデンキングス)
コー・フリッピン(SG/琉球ゴールデンキングス)
マシュー・アキノ(C/信州ブレイブウォリアーズ)
ラシード ファラーズ(C/千葉ジェッツ)※
寺嶋良(PG/広島ドラゴンフライズ)
シェーファ アヴィ幸樹(PF/シーホース三河)
八村塁(PF/ワシントン・ウィザーズ)
吉井裕鷹(SF/アルバルク東京)※
岡田侑大(SG/信州ブレイブウォリアーズ)
川真田紘也(C/滋賀レイクスターズ)※
小酒部泰暉(SG/アルバルク東京)※
テーブス海(PG/宇都宮ブレックス)
渡邉飛勇(C/琉球ゴールデンキングス)
西田優大(SG/シーホース三河)
河村勇輝(PG/横浜ビー・コルセアーズ)
※=初選出。

【2022年度バスケットボール女子日本代表チーム 第1次日本代表候補選手リスト】
田真希(PF/デンソーアイリス)
渡嘉敷来夢(C/ENEOSサンフラワーズ)
宮澤夕貴(SF/PF/富士通レッドウェーブ)
本橋菜子(PG/東京羽田ヴィッキーズ)
長岡萌映子(PF/トヨタ自動車アンテロープス)
安間志織(PG/アイスフォーゲルUSCフライブルク)
林咲希(SG/ENEOSサンフラワーズ)
小池遥(PG/シャンソン化粧品シャンソンVマジック)
鷹のはし公歌 (SG/東京羽田ヴィッキーズ)※
宮崎早織(PG/ENEOSサンフラワーズ)
中田珠未(PF/ENEOSサンフラワーズ)
吉田舞衣(SG / 175cm / シャンソン化粧品シャンソンVマジック)
梅沢カディシャ樹奈(C/ENEOSサンフラワーズ)
赤穂ひまわり(SG/SF/デンソーアイリス)
馬瓜ステファニー(PF/トヨタ自動車アンテロープス)
オコエ桃仁花(PF/富士通レッドウェーブ)
藤本愛瑚(SF/PF/ENEOSサンフラワーズ)※
山本麻衣(PG/トヨタ自動車アンテロープス)
奥山理々嘉(SF/ENEOSサンフラワーズ)
今野紀花(SG/ルイビル大学)
東藤なな子(SG/SF/トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
野口さくら(PFシャンソン化粧品シャンソンVマジック)※
岡本美優(SG/東京医療保健大学)※
平下愛佳(SG/トヨタ自動車アンテロープス)※
江村優有(PG/早稲田大学)※
朝比奈あずさ(PF/C/筑波大学)※
福王伶奈(C/桜花学園高校)※
※=初選出。

男子は7月1日(金)〜3日(日)・オーストリア・メルボルンでの『FIBA ワールドカップ 2023 アジア地区予選』Window 3、7月12日(火)〜24日(日)・インドネシア・ジャカルタでの『FIBA アジアカップ 2022』、8月13日(土)・14日(日)・ゼビオアリーナ仙台での『国際強化試合2022(仮称)』、8月22日(月)〜30日(火)・ホーム&アウェイでの『FIBA ワールドカップ 2023 アジア地区予選』Window 4がラインナップ。女子は6月18日(土)・19日(日)・千葉ポートアリーナでの『三井不動産カップ2022(千葉大会)』トルコ代表戦、8 月11日(木)・12日(金)・ゼビオアリーナ仙台での『三井不動産カップ2022(宮城大会)』を経て、9月22日(木)にオーストラリア・シドニーで開幕する『FIBA 女子バスケットボールワールドカップ 2022』に出場する。

関連記事(外部サイト)