【ライブレポート】オレンジスパイニクラブ、「コロナ前を思い出す景色」となったクアトロでのツアーファイナル

スズキユウスケ(Vo/Gt・兄)&スズキナオト(Gt/Cho・弟)兄弟擁する4人組のオレンジスパイニクラブは、もともとザ・童貞ズという名で福島県いわき市を拠点に活動。その後、Theドーテーズに改名し、2019年に現バンド名になった。2021年10月にはメジャー1stアルバム『アンメジャラブル』を発表し、結成10周年を迎える2022年3月に再録曲と新曲を収めた初のデジタルEP『hodgepodge』をリリース。今回は5カ所にわたる対バンツアー『混ゼルナキケン』を開催。そのツアーファイナルの相手はハンブレッダーズだ。

ハンブレッダーズ

彼らは序盤からアッパーに飛ばしまくる。「拍手が凄くて、2、3年前を思い出す」と場内の熱気に、ムツムロアキラ(Vo/Gt)は喜びを露わにしていた。今日はソールドアウトという状況もあり、この2組に寄せる期待値の高さは半端じゃない。

ムツムロアキラ(ハンブレッダーズ)
うき

声を出せなくても、かつてのライブハウスの熱狂は必ず戻るというMCを挟んだ後に「見開きページ」を披露。ポジティブなサビと流麗なバンド・アンサンブルが冴え渡り、胸をすく爽快な演奏をアピール。ラストは「俺らも童貞にまつわる曲」と説明し、「チェリーボーイ・シンドローム」をプレイ。親密なメロディを配した衝動炸裂のロックで会場を激しく沸かせた。

でらし(ハンブレッダーズ)
木島(ハンブレッダーズ)

そのバトンを受け、オレンジスパイニクラブが登場。開口一番、「シンプルに好きなバンドを呼んで、ツーマンしようと」とユウスケは今ツアーの主旨を説明。まずは「理由」、「タルパ」とミドルテンポの曲調で幕を開けると、「スリーカウント」からアクセルを踏むように加速度を上げる。ゆりと(Ds)の激しいドラミングも相まり、足腰の強いパンキッシュな勢いで駆け抜けた。

オレンジスパイニクラブ

3曲を終えた後、「弟(ナオト)がボイトレ通い始めて・・・やめて、腹から声出すの」とユウスケは呟き、「7997」へ。この曲では兄弟による歌の掛け合いを通し、温かみを帯びた重層的なメロディを存分に発揮。さきほどのMCは見事なフリだったのではないかと勘繰ってしまう素晴らしさだった。「Worst of myself」に入ると、ユウスケは荒々しく歌い上げ、ロック・ヴォーカリスト然とした佇まいを魅せつける。いい意味で音源を裏切る荒々しさは、オレスパの真骨頂と言えるものだろう。彼らの音楽ルーツにThe ピーズがあるのも頷ける白熱のステージングを展開。

スズキユウスケ(オレンジスパイニクラブ)
スズキナオト(オレンジスパイニクラブ)

そう、オレスパは楽曲によってパンキッシュな牙を剥き出し、その一方で耳馴染みのいいメロディで聴き手に寄り添う。その二つを両輪にしたライブ構成も大きなポイントだろう。平坦な道を歩いているかと思えば、急に激しい川の流れに巻き込まれてしまう感覚と言えばいいだろうか。緊張と緩和を行き来するダイナミックな演奏で会場をガンガン焚きつけていった。

「退屈かも知れない」、「まいでぃあ」と演奏後、「確かに人が凄い、拍手が凄いです。コロナ前を思い出す景色」とユウスケもハンブレッダーズのムツムロと異口同音の言葉を発す。そうした発言からも、今日の熱狂ぶりが伝わるだろう。中盤、豊かな歌心からパンキッシュに爆発する「みょーじ」もライブで一段と映え、さらに「37.5℃」、「東京の空」、「モザイク」で盛り上げた後、「『非日常』(2ndミニ・アルバム)リリースツアー『またあとで』のファイナル公演が渋谷クアトロで、1曲目からピック落とした。トラウマになっている」と過去の苦い思い出を吐露するユウスケ。その流れで代表曲「キンモクセイ」を解き放ち、甘酸っぱいエモーションで観客の意識を奪い去っていた。

ゆっきー(オレンジスパイニクラブ)
ゆりと(オレンジスパイニクラブ)

また、ナオトの扇情的なギター・ソロを用いた「パープリン」、ゆっきー(Ba/Cho)の激しく動くベースに耳を奪われる「急ショック死寸前」も痛快無比。本編を「ガマズミ」、「敏感少女」で締め括り、アンコールにもきっちり応えるオレスパ。ゆっきーとゆりとがステージに現れ、10月から全国17カ所に及ぶワンマン・ツアーを行うことを発表。その告知に場内が沸く中、ナオトがユウスケを抱えて入場するものの、「お姫様ダッコ、薄れちゃった」とユウスケはコメントし、観客の笑いを誘っていた。

そして、6月22日にデジタル・リリースされる新曲「君のいる方へ」を披露。ベース始まりの熱い曲調で初耳の観客にも好リアクションで受け入れられ、早く音源でじっくり聴きたい楽曲であった。ラストは「イージーゴーイング」をプレイし、ポジティブなメロディで会場を覆い尽くす。すると多くの観客が拳を突き上げ、オレスパの楽曲に心酔していた。

ささくれ立ったパンキッシュな勢いに加え、良質なメロディをストレートに届けてくれた彼ら。その根底には人間臭い感情が流れ、誰もが共感できる普遍性さえも感じた。「激しさ」と「柔らかさ」を同居、あるいは並列させ、いやいや、両方を抱き抱えて体当たりしてくる歌声と演奏にやられてしまった。今年もオレスパは大暴れしてくれるに違いない。そう確信させる熱すぎる一夜であった。

Text:荒金良介 Photo:伊東実咲

<公演情報>
オレンジスパイニクラブ 対バンツアー『混ゼルナキケン』

6月8日(水) 東京・渋谷CLUB QUATTRO

セットリスト

■ハンブレッダーズ
01. 弱者の為の騒音を
02. ギター
03. 口笛を吹くように
04. ファイナルボーイフレンド
05. SUMMER PLANNING
06. プロポーズ
07. 見開きページ
08. 再生
09. ワールドイズマイン
10. チェリーボーイ・シンドローム

■オレンジスパイニクラブ
01. 理由
02. タルパ
03. スリーカウント
04. 7997
05. Worst of myself
06. 退屈かもしれない
07. まいでぃあ
08. みょーじ
09. 37.5℃
10. 東京の空
11. モザイク
12. キンモクセイ
13. パープリン
14. 急ショック死寸前
15. ガマズミ
16. 敏感少女
EN1. 君のいる方へ
EN2. イージーゴーイング

<配信情報>
オレンジスパイニクラブ「君のいる方へ」

Now On Sale

オレンジスパイニクラブ「君のいる方へ」ジャケット

配信リンク:
https://orangespinycrab.lnk.to/kiminoiruhoue

<ツアー情報>
オレンジスパイニクラブ ワンマンツアー 2022

『オレンジスパイニクラブ ワンマンツアー 2022』告知画像

10月19日(水) 千葉LOOK
開場18:30 / 開演19:00

10月27日(木) 札幌BESSIE HALL
開場18:30 / 開演19:00

10月29日(土) 八戸FOR ME
開場18:00 / 開演18:30

10月30日(日) 仙台enn 2nd
開場18:00 / 開演18:30

11月6日(日) club SONIC iwaki
開場18:00 / 開演18:30

11月10日(木) HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
開場18:30 / 開演19:00

11月18日(金) 高松DIME
開場18:30 / 開演19:00

11月20日(日) 熊本B.9 V2
開場18:00 / 開演18:30

11月21日(月) 福岡DRUM Be-1
開場18:30 / 開演19:00

11月23日(水) 長崎DRUM Be-7
開場18:00 / 開演18:30

11月25日(金) 広島SECOND CRUTCH
開場18:30 / 開演19:00

11月27日(日) 京都磔磔
開場18:00 / 開演18:30

12月2日(金) 金沢EIGHT HALL
開場18:30 / 開演19:00

12月3日(土) 新潟GOLDEN PIGS RED
開場18:00 / 開演18:30

12月8日(木) 名古屋CLUB QUATTRO
開場18:30 / 開演19:00

12月9日(金) 大阪TRAD
開場18:30 / 開演19:00

12月14日(水) 恵比寿LIQUIDROOM
開場18:00 / 開演19:00

チケット料金:4,000円(入場時ドリンク代別途要)

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