小野寺修二の『嵐が丘』に片桐はいりが燃える 東京芸術祭 2022野外劇『嵐が丘』出演

東京芸術祭のメインプログラムとして、2018年から始まった野外劇。今年も、池袋西口野外公園にあるGLOBAL RING THEATREを会場に上演される。今回の演目は、カンパニーデラシネラを主宰する演出家・振付家の小野寺修二による『嵐が丘』だ。英国作家エミリー・ブロンテの名作『嵐が丘』が、独自の身体表現によってどう構築されるのか。出演者のひとりであり、小野寺とは何度も創作をともにしてきた片桐はいりが、この公演への思いを語った。

片桐と小野寺が最初に出会ったのは、カンパニーデラシネラの舞台『異邦人』(2010)。「4、5歳の頃に東京文化会館で『白鳥の湖』を観て以来、ずっとダンスというものに興味を持っていた私にとっては、本当に楽しい経験でした。セリフを言わなくていい楽しさというか(笑)、身体を使う原始的な楽しさに立ち返れたんです」。以降、「上手く踊れたり機敏な動きができるといったことはさておき、身体も頭も心も含め全部で、『片桐はいりでございます』という気持ちで立ちたい」と思うようになったとか。「しかも今回は野外劇。西口公園ではテントを張ってお芝居をしたこともあります。だから、かつての姿も知っている者として、この地面の、この街の人の“気”みたいなものをパワーにして立てたらなという思いもあるんです」。

改めて読んだ『嵐が丘』は、「前は愛憎入り乱れる恋愛小説という印象でしたが、他にもさまざまな人間関係があり、ホラーや笑いの要素もあって面白かった」そうだ。「小野寺さんもいろんな仕掛けを考えていらっしゃるようなので、そのいろんな要素をお見せできると思いますし。私も何の役を演じるということではなく、いろんなところにいろんなことで出てくると思うんです。そもそも小野寺さんは、野外→自然→嵐→『嵐が丘』と、この作品を思いついたそうですから、通常とは違う発想の仕方をされる方。すでに、『そんな人物や物に注目しますか!?』とびっくりするようなこともおっしゃっています(笑)。でも、ポン・ジュノがアカデミー賞の授賞式で、マーティン・スコセッシの『最も個人的なことが最もクリエイティブなことだ』という言葉を挙げていましたが、私自身も観て感動するのはまさにそんな作品なんです。だから、小野寺さんのやりたい『嵐が丘』ができればいいなと思っています」。そんなクリエイティブな作品をここでは誰でも観ることができる。「たまたま通った人が立ち止まるとか、面白そうだから座って観ようと入場料を払うとか、500円でこんなすごいものを観ることができたとか、そんな思いになってもらえる場になれば」と燃える片桐。開かれた場にとてつもない刺激が待っている。

取材・文=大内弓子
撮影=石阪大輔

<公演情報>
野外劇『嵐が丘』

2022年10月17日(月)〜10月26日(水)
会場:GLOBAL RING THEATRE〈池袋西口公園野外劇場〉

詳細はこちら:
https://tokyo-festival.jp/2022/program/arashigaoka

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