宝塚花組トップ・明日海りおのサヨナラ公演が東京で開幕

宝塚花組トップ・明日海りおのサヨナラ公演が東京で開幕

宝塚歌劇花組公演 三井住友VISAカード シアター Musical『A Fairy Tale ー青い薔薇の精ー』

11月24日(日)に宝塚を退団する花組トップスター、明日海りおのサヨナラ公演、Musical『A Fairy Tale−青い薔薇の精−』とレヴューロマン『シャルム!』が、10月18日、日比谷の東京宝塚劇場で幕を開けた。

宝塚創立100周年の節目に当たる2014年の就任時から、もっとも歴史ある花組のトップとして、組のみならず、宝塚全体を牽引してきた明日海が、『A Fairy Tale−青い薔薇の精−』で最後に演じるのは、薔薇の精霊。

咲き誇る薔薇の中でもっとも高貴で美しく、選ばれし者を意味する“エリュ”という名を持つ彼は、可憐な少女シャーロット(華優希)と出会って心を通わせる。しかし、精霊と交流を持った人間の記憶は消さなければならない掟を破って少女と会い続け、その罪で、この世にはない青い薔薇の精として、闇と孤独の世界に閉じ込められてしまう。時は流れ、エリュがいなくなって枯れ果てた庭を再生させようと、植物研究家のハーヴィー(柚香光)が庭を訪れるが、そこへ霧の中からエリュが現われ、彼に自分とシャーロットの物語を語って聞かせる。

妖しくはかなく繊細な薔薇の精エリュは、明日海の出演作を何作も手がけてきた作・演出の植田景子が、明日海りおのために書き下ろした、まさに明日海りおにしかできない役と言えるだろう。単なるフェアリーテイル(お伽噺)では終わらず、水質汚染などの環境問題も織り交ぜているところが、この演出家の作品らしい。

併演のショー『シャルム!』は、明日海と組んで『宝塚幻想曲』をヒットさせた稲葉太地が作・演出を担当。芝居とは打って変わり、男役明日海りおの17年間の集大成として、スーツ、軍服、黒燕尾などに身を包み、時に熱く激しく、時にクールで端正に、時に危険な香りさえ漂う、さまざまな明日海の魅力を堪能することができる。

中でも、ANJU(元花組トップ安寿ミラ)振付の黒燕尾の群舞から、明日海が次期トップスターに決まっている柚香光の背中をそっと押して歩き出させるシーン、その後の明日海のソロナンバー「CHE SARA(ケ・サラ)」までの一連の流れは感動的だ。

宝塚歌劇花組公演 三井住友VISAカード シアター Musical『A Fairy Tale −青い薔薇の精−』、三井住友VISAカード シアター レヴューロマン『シャルム!』は11月24日まで東京宝塚劇場で上演。

文:原田順子

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