阪本順治監督、キューバ大使館主催試写会に登壇 『エルネスト』製作の裏側を語る

阪本順治監督、キューバ大使館主催試写会に登壇 『エルネスト』製作の裏側を語る

『エルネスト』キューバ大使館試写会

本作は、エルネスト・チェ・ゲバラの“意志”に共感し、ボリビアの軍事政権との戦いで、1967年8月に25歳の若さで散った実在の日系人、フレディ前村ウルタードの知られざる生涯を描いたヒューマンドラマ。主人公・フレディ前村を演じるのは、本作が阪本順治監督と3度目のタッグとなるオダギリジョー。『マイウェイ 12,000キロの真実』や『FOUJITA』など国際派の演技を披露し、海外でも高い評価を得ている。

上映前に、本作で広島を訪問した際に、ゲバラの通訳をした県庁外事課矢口役を演じた田中幸太朗に、スペイン語の指導も行ったというセルバンテス文化センター館長のヴィクトル・ウガルテ氏、本試写会の主催であるキューバ大使館特命全権大使カルロス・M・ペレイラ氏と、本作の監督を務める阪本順治が登壇。

キューバ大使のペレイラ氏は、「チェ・ゲバラ作品の多くは、ゲリラ戦士としての側面に焦点を当てたものが多かったが、『エルネスト』は、フレディ前村の物語を通じてチェの生涯の一幕を取り上げている」と本作の特徴を語り、「今作は、観る者の感情を呼び覚ます働きをもっている、若きフレディの行動に日本人の特性を見出す方もいるのではないか」と本作の魅力を語った。

続いて、「映画監督の阪本順治です」とスペイン語の挨拶で阪本監督が登場。監督自身が、フレディ前村氏の姉、マリー氏と会った際、「弟は、人を助けるためにキューバに行ったのに、銃をもって人を殺めるかもしれない、きっとその狭間で苦しんでいたのではないか」と話していたことを聞いて、「この映画を作るにあたり、戦闘シーンに重きをおくのではなく、彼がキューバに渡ってからの誰にでもある学生生活を中心に映画を製作した」と製作の裏側を明かした。

また、来日予定だった本作の原案書『チェ・ゲバラと共に戦ったある日系二世の生涯 革命に生きた侍』の著者であるエクトル・ソラーレス前村氏から、「フレディ前村の生き方は、まっすぐでありながら、強い情熱に包まれていた、人の役に立ちたいという気持ちが、貧しい人々のための医者になる夢をフレディに抱かせるようになった。彼は、幼い頃から社会の不正義に反応してきた、その記憶が、ゲリラに身を投じる動機づけになった。その人生は、正義感に溢れ、気高く、確固たるものでした。人間とその美徳を信じたからこその人生でした」と熱いメッセージが届いた。

『エルネスト』

関連記事(外部サイト)