BD&DVDが発売に。神木隆之介と大友啓史監督が振り返る『3月のライオン』

BD&DVDが発売に。神木隆之介と大友啓史監督が振り返る『3月のライオン』

大友啓史監督、神木隆之介

本作は、羽海野チカの人気コミックが原作だが、大友監督は「漫画原作の映画は、作り手としては“映画として原作から自立しているのか?”がどうしても気になってしまうんですけど、今回の映画は公開してすぐに“映画としての独自性”を認めてくれたお客さんが多かった」と振り返る。一方の神木も「僕も漫画やアニメが好きなので“実写化”という言葉にはすごく敏感なんですよ!」と笑いながらも「実写化なんですが、人間ドラマとして観てほしかったですし、“人間・桐山零”を演じて、まわりまわって原作に寄り添うことができたらいいなと思っていましたので、観てくださった方々から“重厚感があって、想像以上に人間が描けていた”と言ってもらえたのはすごく嬉しかった」と語る。

映画化にあたり、大友監督はスタッフと入念に準備を重ねて脚本を執筆していったが、“人は孤独やさみしさをどのように消化していくのか?”がテーマのひとつだったという。「桐山零くんはまだ社会に出る前だから、動物に近いというか、そもそも子どもってまだ動物みたいなもんじゃないですか(笑)。普通は少しずつ社会に出て色々なことを覚えていくんだけど、零くんはいきなり将棋のプロとして、中学生で社会に放り込まれる。いや、それ以前に幸田家と言う他の家に放り込まれましたからね。そこで否応なく、まだ動物である自分を自覚的にコントロールすることを覚えていくんだけど、でも人間ってどうしようもなく孤独を感じたり、さみしかったりするわけです。やはり社会との関わりが必要な生き物なんですよね。普通は、孤独に耐え切れなくなったときに血のつながりとか家族に頼るわけですけど、桐山は血のつながりを絶たれているわけで、孤独やさみしさを彼がどのように消化していくのかが、この映画のテーマのひとつになっていったんです。将棋の世界は独りで盤の前に座り勝負していく世界ですから、孤独な生き物である人間が、より孤独やさみしさに耐える強靭さを要求される。その時に、“孤高”と呼ばれるようなカッコいい孤独に昇華するのではなく、もっとカッコ悪い、じたばたとした孤独を、俳優たちにはあがくように演じてほしかったんです」

そこで、大友監督が声をかけたのが神木だった。「桐山には最初から味方はいないですから(笑)、ひとりで何かを構築していっても脆い部分がいっぱいあって、それが映画の中では誰かに壊されたり、自分で壊すハメになったりする。このような役は今までになかったです、し、ひとりのシーンは演じていて苦しかったです。僕自身は周囲に恵まれているんですど、役に関してはいつも何かを背負わされているとは思います(笑)。いつも何かと戦っているし、叫ぶシーンもあって……何でなんでしょうね。でも僕もあまり本気で人に相談はしないかもしれないです。本当に大事なことは人には言わないかもしれません」

だからこそ、本作はブルーレイやDVDで“ひとり”で観ることで、より深く楽しめるのではないだろうか。「友達と一緒に観た後に改めてひとりで観ると“ここは実は別の意味があるんじゃないか?”って思うことがありますよね? だから、それぞれが観たもの、思ったものが“作品”になるし、人とは違ったものになる。そこが面白いと思いますね」(神木)、「この映画は、登場人物たちが孤独にもがき苦しむ映画だから、共鳴できる方が観ると“あ、ここには俺がいる”と自己投影してもらえると思うんです。零君を通して、誰もが青春期に感じたような想いを追体験出来ると思いますし、ひとりで向き合ってじっくり噛みしめながら観てほしいなと思います」(大友監督)

ブルーレイ&DVD『3月のライオン』

前編 9月27日(水)

後編 10月18日(水) 2か月連続リリース

発売元:アスミック・エース

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