ファンタジーとリアルを“つなぐカギ”とは? 監督が語るNetflix映画『ブライト』

ファンタジーとリアルを“つなぐカギ”とは? 監督が語るNetflix映画『ブライト』

デヴィッド・エアー監督

ウィル・スミス、ジョエル・エドガートンが出演するNetflixオリジナル映画『ブライト』が22日(金)からストリーミングを開始する。本作は人間やエルフ、オークらが共に暮らす社会を舞台にした異色のバディ・ムービーで、監督を務めたデヴィッド・エアーは、アクションやファンタジーなど様々な要素が混在する本作を“あるポイント”をカギにまとめあげたという。

本作の舞台は、人間がエルフ、オークらと共存している世界。数千年前にオークたちが起こした反乱が原因で魔法は違法になっており、オーク族はいまだに人間から嫌われているが、オーク族初の警官ジャコビーは人間からも信頼される警官になりたいと日々、精進している。そんなジャコビーの相棒ウォードは人間で、退職金がもらえるまで我慢して仕事をこなすジャコビーとは正反対のタイプ。人間とオークのコンビの相性はイマイチで、会話も行動もチグハグだが、ある日、ふたりは“魔法の杖(マジック・ワンド)”と、“ブライト”と呼ばれる魔法の杖を扱える選ばれた少女を発見。この力を手にすれば、圧倒的な力が手に入ることから、ジャコビーとウォードはオークの集団や、身内であるはずの警官からも狙われるハメに……

ストリートを巡回する警官を主人公にした“バディ(相棒)”ものに、ファンタジーやアクション、友情ドラマ、サスペンスなど様々なジャンルをミックスした本作の脚本を手がけたのは、『クロニクル』『エージェント・ウルトラ』の脚本も執筆したマックス・ランディス。エアー監督は脚本を読み、作品全体をひとつの色で染め上げたり、シーンごとにハッキリと色づけするのではなく、撮影現場で生み出されたムードを最優先して撮影を進めたという。「脚本は非常にエッジの効いた設定で、バイオレンスや生々しい場面もあったりするけど、突き詰めるとこの脚本は“最悪な状況に、最も笑わせてくれる相棒と一緒に放り込まれた男の物語”で、ありえる話ではあるんだ。だから、現場で生まれた雰囲気やトーンを活かしながら、直感的なものを信じて撮影していったよ」。その際にカギになったのは“笑い”だったという。「この映画の根底にはユーモアや笑いがあるから、話がファンタジックになったり、アクションになったり、ダークな展開になっても“また笑える場面が来た”となったら元の場所に立ち返ることができるんだ」

エアー監督は、異なる要素を束ねるカギを見つけたことで、エルフやオークなどのファンタジックな存在を、より徹底的に描けるようになった。「普通の映画だったら彼らを戯画化して、コミックのように描いて変な感じになってしまうけど、僕はオークやエルフを観客が親近感を感じられるように描いた。重視したのは、オークや魔法も存在するけど、彼らは家賃を払わなきゃいけないし、生活のためには働かないといけない、つまり“日常の面倒”から逃れることができない、という部分だ。それに人間とオークたちは数千年にも渡って共に暮らしているわけだから、そういう社会をどうビジュアルにするのか? デザイナーたちの力を借りながら作り上げていったよ」

一方で、エアー監督は人間も“より生々しく”に描くことにこだわった。本作で人間の警官を演じるのは、誰もが知るスター俳優ウィル・スミスだが、監督は“私たちの生活圏にいそうな雰囲気”を出すことに注力したと笑顔を見せる。「僕はインディーズの出身で、ずっとお金がない状況で映画を作ってきたんだけど、『バッド・タイム』という映画でクリスチャン・ベイルに出てもらった時にわかったことがあるんだ。それは“スター俳優というのは、そう呼ばれるだけの理由がある”ってことだ。彼らはカメラに愛される素質を持っているんだよ。だからこそ僕は、自身のキャリアを通じて、そのメカニズムについて考えてきたし、映画を作る上では逆に彼らのようなスター俳優をいかにして“リアルな地点”に落としこむかに力を注いできた。この映画でも、ウィル・スミスは偉大なスター俳優なんだけど、まるで親戚のお兄ちゃんとか本当の兄弟みたいに感じてほしかった。“私たちの生活圏にいそうな雰囲気”を出すことに力を注いだんだ」

どれだけ描写に振れ幅があっても、軽口をたたきあって笑わせてくれる凸凹警官コンビの描写に戻れば良い。この法則を発見したエアー監督は、ユーモアを主軸に、振れ幅をさらに大きく描いていった。つまり、オークやエルフがいる“架空”の描写はより大胆に、そして彼らと共に暮らす人間の描写はより“リアル”に。様々なジャンルの要素をこれまでにない方法で混ぜ合わせて描く『ブライト』は“ありそうでなかった新体験”を味わわせてくれるはずだ。

Netflixオリジナル映画『ブライト』

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