南沢奈央主演、恐怖のなかで生まれる不思議な恋の物語『アーリントン』

KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて上演中の『アーリントン』〔ラブ・ストーリー〕より舞台写真が到着。

2018年に草g剛主演で上演し、大きな話題を呼んだ『バリーターク』の作者であり、KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督を務める白井晃が「彼ほど刺激的な作家はいない」と惚れこむアイルランド出身の劇作家・脚本家のエンダ・ウォルシュによる衝撃作。物語の舞台となるのは時も所もわからない、ある待合室の中。自分の名前が呼ばれるのを待つ若い女アイーラと、隣の部屋でモニター越しにアイーラを見ている“若い男”。その男は今日初めてそこへやってきたと言うが……。

主人公アイーラを演じるのは、KAATプロデュース『恐るべき子供たち』(2019年)に続き、白井作品2度目の出演となる南沢奈央。若い男には、長塚圭史演出・KAATプロデュース『常陸坊海尊』(2019年)に出演、白井作品には初参加となる平埜生成。また、ダンサー・振付家の入手杏奈が劇中の重要な役どころで出演。さらに川平慈英、霧矢大夢、那須佐代子、伊達暁の声の出演も見どころとなっている。

当初2020年4月上演予定だったが、舞台稽古の直前に公演中止、9ヶ月を経て上演が叶った本作。コロナ禍で人々がお互いの行動を監視し合う「相互監視社会」の状態となっている今、本作の描く理不尽な社会と、それでも生まれる人間的な感情や忘れられない記憶の物語、人間の力を改めて知ることができるだろう。上演は1月31日(土)まで。

ー白井晃(演出)コメントー本作『アーリントン』(ラブストーリー)は、昨年4月、新型コロナ感染拡大防止の為に出された緊急事態宣言の元、初日間近にして中止になった作品です。関係者の皆さんの多大なる努力によって、こうして上演できることになったことを本当に嬉しく思っています。

エンダ・ウォルシュという、稀有な作家によって書かれたこの作品は、もしかしたらこのような世界情勢でこそ上演されるべき作品だったのではないかと思えるくらいです。それくらいに、私たちの置かれた状況を写し、離れてしかコンタクトができない人と人との関係を考えさせくれます。

この作品は、極度に管理され、人と人とを区分する世界の物語ですが(現実が追いついています)、同時に副題にあるようなラブストーリーでもあります。ほんの一瞬の心の繋がりが、私たちを救ってくれる。そんな小さな恋の物語です。それは切ないほどの痛ましさを伴って。

今、私たちは奇しくも、再び昨年と同じような状況に陥りました。しかしながら、私たちは万全の対策をして、皆さんの安全を第一に考えてご来場をお待ちしています。是非この物語に触れてみてください。

撮影:岡千里

『アーリントン』〔ラブ・ストーリー〕
作:エンダ・ウォルシュ
翻訳:小宮山智津子
演出:白井晃
出演:南沢奈央 / 平埜生成 / 入手杏奈
声の出演:川平慈英 / 霧矢大夢 / 那須佐代子 / 伊達暁

2021年1月31日(日)まで
会場:KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

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