ディーン・フジオカ「結婚なんてただの制度でしょ、と思っているところがあった」

ディーン・フジオカ「結婚なんてただの制度でしょ、と思っているところがあった」

公開中の映画「結婚」で「結婚しよう」というプロ ポーズを別れの言葉とし ている結婚詐欺師・古海を演じているディーン・フジオカ

――直木賞作家・井上荒野の同名小説を映画化。主演を務めたディーン・フジオカは、女たちを惑わす結婚詐欺師・古海健児を演じた。

ディーン:古海は結婚詐欺師ですが、相手の女性によって自分を演じ分けるという意味では、もしかしたら俳優という仕事に近いものがあるのかもしれません。俳優は求められた場所で、求められたことを表現するのが仕事ですが、その技術を正しく使わず、ルールを無視して犯罪へと突っ走るのが詐欺師なのかなと。もちろん、詐欺は犯罪で、絶対にダメなことですが、古海のやっていることは、僕たち俳優の役へのアプローチに似ている部分があるのではないかと思いました

――女性の心と金銭を奪った途端、彼女たちの前から姿を消す古海それでもだまされた女たちは彼を憎めずにいるという魅惑的な男だ。

ディーン:古海は一番最初に出会う女性である母親との関係性をうまく捉えられず、いろんな意味で、女性に対して倒錯している部分がたくさんあるんだと思います。彼は自分がなぜ生きていて、どこに向かおうとしているのかも分かっていない。ある意味、ハスラー的な感覚で、衝動的な生き方をしているんですよね。そういう男を演じるこ

とにやりがいを感じたし、僕自身、もっと若いころは「あすどうなるかわからない」と思って生きていたので、古海の抱えている虚無感のようなものは分かる気がします

――今回、主演だけでなく、主題歌も担当したディーン。さらに劇中ではピアノ演奏と社交ダンスを披露するシーンもあり、彼の才能と魅力が詰まった作品となっている。

ディーン:社交ダンスは半日練習して、すぐに本番という感じだったので、社交ダンスとして成立しているのかは分かりませんが、カメラアングルや編集のおかげで、何とか画(え)にはなっているかなと(笑)。でも、相手の女性と体をくっ付けて踊り、共に汗をかくことで関係性が深まるという表現は面白いですよね。ピアノもそうですが、この映画では古海が言葉ではなく自分を表現するものが必要不可欠だったんじゃないかと思います。主題歌に関しては、古海の混沌とした内面をテーマに作りました。なので、エンドロールの最後まで注目していただけるとうれしいです

――タイトルにもなっている「結婚」。ディーン自身、既婚者だが、結婚というものに対するイメージは?

ディーン:自分が結婚するまでは、あまりマジメに考えたことがなかったし、結婚なんてただの制度でしょ、と思っているところがありました。でも、実際に結婚してみたら、どんなときにでも自分が帰れる場所があるのは、本当に幸せなことだなと思いました。だから、この映画に登場する女性たちが結婚に憧れ、誰かと誓いの言葉を交わすことで、ポジティブに関係性を深めていきたいという気持ちが分かる気がします。実際のところ、今は距離的には離れて暮らしているけれど、僕にとって家族という存在は自分の人生において一番大切なものであり、自分が生きていく上での根本になっていると思います

profile●でぃーん・ふじおか='80年8月19日生まれ、福島県出身。A型。香港、台湾などで俳優、ミュージシャンとして活躍後、NHKの「あさが来た」('15〜'16年)で一躍注目を集める。出演映画「鋼の錬金術師」が12月1日(金)公開予定

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