TAKAHIRO、“自分も見たことのない”ヒゲ姿の漁師役「いい意味でファンの方を裏切る作品になった」

EXILEのTAKAHIRO、映画『僕に、会いたかった』でヒゲ姿の漁師役に挑戦

記事まとめ

  • EXILEのTAKAHIROが10日公開の映画『僕に、会いたかった』で漁師役に挑戦
  • TAKAHIROは錦織良成監督との打ち合わせで、ヒゲを生やすことになったと語った
  • 同作はTAKAHIROにとって初の単独主演映画、松坂慶子、小市慢太郎らも出演

TAKAHIRO、“自分も見たことのない”ヒゲ姿の漁師役「いい意味でファンの方を裏切る作品になった」

TAKAHIRO、“自分も見たことのない”ヒゲ姿の漁師役「いい意味でファンの方を裏切る作品になった」

映画「僕に、会いたかった」で主演を務めるEXILEのTAKAHIRO

5月10日(金)公開の映画「僕に、会いたかった」で、“記憶喪失の漁師”という難役に挑戦したEXILETAKAHIRO。家族の絆と再生を描いた物語で、感情を表に出さない寡黙な池田徹(TAKAHIRO)の葛藤や心情の変化を、少ないせりふの中で繊細に表現している。「役作りに集中できるもってこいの環境だった」と話す島での撮影エピソードなどを聞いた。

――映画「僕に、会いたかった」は、TAKAHIROさんにとって初の単独主演長編映画ですね。

僕はプライベートでもいろんなジャンルの映画を観るのが好きで。中でも人間の内面がにじみ出てくるような映画が好きですし、いつか自分も(長編映画で)ヒューマンドラマをやってみたいという目標がありました。今回、以前からいつかご一緒したいと思っていた錦織(良成)監督の作品で念願がかないました。

――錦織監督は「RAILWAYS〜49歳で電車の運転手になった男の物語〜」(2010年)や「たたら侍」(2017年)など、これまで多くの映画を手掛けていますが、錦織監督作品のどこに魅力を感じていたのですか?

錦織監督の作品はせりふ量がそんなに多いわけではないのに、その人の人生の一部を切り取ったかのようなリアリティが感じられるんです。そして、何よりも景色を切り取るその画力に説得力があるので、まるでドキュメントを見ているかのような感覚になって、そこに生きる人たちの日常に自然と自分も入り込んでしまう。今回のお話をいただいたとき、錦織監督の世界観に自分も溶け込むんだと思うと、とても身が引き締まりました。

――外見も含めて、普段EXILEで華やかなステージに立っているTAKAHIROさんとは随分違う姿ですね。

撮影前に錦織監督と何回か打ち合わせをする中で、“ヒゲを生やしましょう”ということになって。別人格として見てもらえる役に挑戦できたのはうれしかったことのひとつです。ヒゲに関してはもともとヒゲがそんなに生えないので、口ヒゲと顎ヒゲは地毛ですけど、つながりの部分はメークさんの一流の技術でつけていただいたので、自分も今まで見たことのない顔(笑)。ロケ先の島の方たちがとても優しくしてくださったので、島の雰囲気になじみながら、まるで自分がそこに住んでいるかのような雰囲気の中で臨めたので、役としてはとても入りやすかったと思います。

■ 気持ちを抑えて、フラットな状態に戻す

――ある出来事がきっかけになって記憶喪失になってしまった漁師という難しい役どころを演じるにあたって、どのような心構えで撮影に挑みましたか?

撮影現場の島に行ってすぐに漁師の方たちの仕事ぶりを見学したり、撮影期間中も現地の方の島での暮らしぶりや島の雰囲気を自分の肌で感じたかったので、カメラが回っていないときもあちこち散策してました。とはいえ、今回の役どころはせりふも削りに削ってとても少ないですし、感情を表に出す役柄ではなかったので、自分の気合や前のめりな気持ちを抑えて、フラットな状態に戻すという作業の方が多かったと思います。

――今回の撮影はオール島ロケですが、好きな場所やお気に入りの風景はありましたか?

いろんなところを散策したんですけど、どこに行っても景色がとてもきれいで。日本にこんな素晴らしいところがあったのか、こんな風景がまだあったのかと気付かされるような島でした。

コンビニもないですし、商店も7時半に閉まってしまうので、撮影が終わるころにはどこも開いていないんです(笑)。信号もあるにはあるんですけど、車の台数も少なくて。3週間くらいそういう環境に身を置いているのは合宿のようで、役作りに集中できるもってこいの環境でしたし、自分としては贅沢をさせてもらっているような気分でした。

――TAKAHIROさんの地元(長崎県佐世保)も海が近くにありますし、今回の映画でも島の景色に美しい海が広がっています。TAKAHIROさんが一番記憶に残っている海の景色はどこですか?

昔から夕陽が好きなんですよね。大きな海の彼方にゆっくりと沈んでいく太陽とグラデーションのかかった空に無条件に癒やされる。とにかく太陽が沈む瞬間を見逃したくないんです(笑)。今回の撮影期間中に見た島の夕陽も素晴らしかったですし、以前ハワイで見た夕陽もとても美しくて、大感動でした。

■ 触られるだけでぽかっと温かく

――撮影期間中の島の方たちとのエピソードを教えてください。

撮影以外でも、ヒゲ面で長靴をはいて行動していたので、島の人たちも『こんな兄ちゃん、島にいたっけ?』という感じで、全然バレなくて(笑)。知らないおじさんと2,3時間ずっと釣りをしたりしてました(笑)。ちょっと歩けば海があるので、待ち時間は撮影している隣でも釣りをしていたんですけど、めちゃくちゃ釣れるんです。釣れた魚を旅館でさばいてもらって、みんなで食べたりしましたね。

人の温かさを感じられる環境だったので、プライベートでもまた行きたいです。自分が本当にフラットに戻れる場所、第二の故郷を見つけていくのは、とても大切だなと思いましたし、日本ってまだまだ素敵な場所がたくさんあるんだなって思えたので、いろいろ掘り下げて知っていきたいなと思いました。

――母親役の松坂慶子さんや、ほかの共演者の方たちとのエピソードを教えてください。

今回は共演者の方の年齢層が違うので、現場の楽しみ方もそれぞれ違っていました。和気あいあいとした雰囲気でしたけど、僕としてはあまりコミュニケーションを取りすぎると役としての雰囲気が変わってくるかなというのもあったので、毎晩皆さんと一緒に食事に行ったりもしてなくて。そういう距離感を作った上でのお芝居ができたと思っています。

母親役の松坂慶子さんはカメラが回っていないところでもずっと優しくしてくださって。すごく不思議なんですけど、松坂さんの手からは何かが出ているんじゃないかと思うほど、触られるだけでぽかっと温かくなって、一気に涙腺がゆるむような感覚になりました。短い撮影期間の中でしたが松坂さんの息子になれたのはとても光栄でしたし、またお会いしたいです。

小市(慢太郎)さんとは旅館が一緒で、なぜかお風呂の時間がかぶるんですよ(笑)。小市さんはすごい聞き上手で、ついつい自分ばかりが話していたんですけど、自分のことを知ってもらえばもらうほど、父親のように徹のことを気にかけてくれる小市さんの役どころとどこかでつながっている感じがして。すごくいい関係を作ることができました。

――TAKAHIROさんにとって、「僕に、会いたかった」は大きなターニングポイントになる作品になったのではないですか?

自分がこの映画を観て一番うれしかったのは、自分の映画じゃないような感覚になれたこと。自分が出演しているものを観ているのではなく、錦織監督の好きな作品を観ているような感覚に陥ったので、そこは自分の中で一つ成功したなと思えました。何も媚びずに、普段とは間逆のことに一生懸命、集中して打ち込めたし、それが自分としては表現者としてとてもいい経験になりました。大きな自信にもつながりましたね。いい意味でファンの方を裏切る作品だと思いますし、観てくださる方たちが素晴らしい映画を観たという感覚になってもらえたら、僕としてはこの長編単独初出演は成功だと思います。(ザテレビジョン・取材・文=松浦靖恵)

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