「スッキリ」の映画解説でおなじみのよしひろまさみちに聞く! 今4Kで観るべき映画5選

「スッキリ」の映画解説でおなじみのよしひろまさみちに聞く! 今4Kで観るべき映画5選

よしひろまさみち

2018年12月の新4K8K衛星放送開始から約半年が経ち、4Kテレビの売り上げも前年期に比べて130%以上も伸びてきている。東京オリンピックに向けて念願の4Kテレビを買った人も多いだろう。4Kのコンテンツは4K放送の他、4K高画質で楽しめるブルーレイ・Ultra HD ブルーレイやNetflix等のVODサービスでも楽しめる(※1)。4Kのすごさを体感するのにピッタリな映画を教えてもらうべく、情報バラエティー「スッキリ」(日本テレビ系)でのレギュラー映画解説が好評の映画ライター、編集者のよしひろまさみちに、4Kテレビで見るべきオススメ映画を聞いた!

■ よしひろまさみちが推薦! 4Kで見るべきオススメ映画

私がオススメしたいのは、「グレイテスト・ショーマン」「ビリー・リンの永遠の一日」「ダンケルク」「オクジャ」「7月22日」ですね。

―――それではまず、「グレイテスト・ショーマン」を選んだ理由をお聞かせください。

4Kは映像だけでなく音響もいいので、ミュージカル作品はすごくマッチすると思って取り上げました。4K自体、ミュージカルとか音楽映画はすごく相性がいいです。

―――ダンスのシーンも楽しめそうです。やはり4Kだと俳優たちのアクションとか動きもしっかりと見えますか?

すごくはっきり見えます!これは完全に余談になっちゃうけど、90年代後期〜2000年代のVFX黎明期くらいにCGを多用したアクション映画は向いていないかも。なぜなら、あからさまにCGだと分かっちゃうんですよね。高精細すぎて、これCGじゃんって!(笑)

映画館のスクリーンで観るならば、視界が画面に包まれていて、そこに入り込んで観ることができるから、大丈夫なんですけど、冷静に4Kのような高画質でそういった映画を見ると、「CGが綺麗ですね」ってなっちゃうってのはありますね。

あとCGと言えばなんですが、フル3DCGのアニメーションはいいかも。精細なライティングやセットがハッキリ分かるから。そうするとPixar作品が絶対的に良くて、「ウォーリー」とか「トイストーリー」がオススメです。

―――4Kだとアニメ作品も違いが出るんですね。

2Dアニメも今はほとんどがデジタル描画ですが、むしろ90年代くらいまでの、セル画で描いたアニメの4Kレストアの方が、すごく綺麗なんですよ。もともとセルで重ねて撮っているので、画面の奥行がものすごく出せるんです。それでいうと、今年の7月に発売予定の「ルパン三世 カリオストロの城」は絶対にオススメですね。

■グレイテスト・ショーマン:「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル作品。主人公P・T・バーナム役にヒュー・ジャックマン、バーナムのビジネスパートナーとなるフィリップ・カーライル役をザック・エフロンが演じる。「Ultra HD ブルーレイ」版が発売されている。

■ 4Kならではの高精細な画質でスーパーボウルを再現

―――「ビリー・リンの永遠の一日」は日本で劇場公開がされていない作品ですが、ピックアップされた理由はあるのでしょうか?

この映画は監督のアン・リーが1秒に120フレームという超高精細映像を実現する新技術を取り入れた作品なんです。アメリカで最大のイベント、スーパーボウルの現場の臨場感を出すために採用したんでしょう。そのシーンを4Kならではの高精細な画質で見事に再現しているという意味で是非とも観てほしいですね。

4K・大画面・迫力重視というところでいうと、「ダンケルク」は見てほしいかな。クリストファー・ノーラン監督の作品は映画ファン以外には難しいものが多いけど、「ダンケルク」は分かりやすくてオススメ。実際の戦闘機を使ったり、爆破シーンもガチなので、4K向きですね。

■ ビリー・リンの永遠の一日:アン・リー監督が、アカデミー賞監督賞を受賞した「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」から4年ぶりに発表した作品。イラク戦争で味方を助けるため、危険を顧みずに飛び交う銃弾の中に身を投じたビリー・リン。その雄姿が偶然ニュースにとりあげられたことで、国の英雄になった彼とそのチームは、一時帰国の間に全米凱旋ツアーに駆り出される。スーパーボールのハーフタイムイベントに迎えられたビリーは、大歓声の中、戦地を回想する…。

■ダンケルク:第二次世界大戦時、史上最大の撤退作戦ダンケルクでの戦いをクリストファー・ノーランが映画化した作品。ドイツ敵軍による陸海空3方向からの猛攻撃が押し寄せる中、40万の兵士たちは生きて帰ることができるのか――細部まで作り込まれたスタイリッシュな映像美に注目。

■ 「オクジャ」と「7月22日」は完全に社会派映画

―――残りの2作品はNetflixのオリジナル作品ですね。 Netflixオリジナル作品を挙げていただいた理由はありますか?

はい、Netflixのオリジナル映画は、旬の監督や俳優が使われていることが多いですし、社会問題を絡めて、観た人が自分の身になって考えることができる良作がたくさん。今のような映像技術がなかった時代にドラマで勝負していた時代の映画を思い出させてくれます。その意味でいうと、「オクジャ」と「7月22日」は完全に社会派映画。「オクジャ」は飽食の時代を揶揄した社会問題系作品なんですけど、圧倒的なリアリティがとてもよかった。「7月22日」はいかにドキュメンタリーっぽく見せるかという、ポール・グリーングラス監督の撮った映像が印象的でした。

余談ですが「7月22日」と先に挙げた「ダンケルク」はリアルを追求した作品なのに撮り方が対局。完璧に計算したうえで撮ってつないでいるのがクリストファー・ノーランで、手ブレも辞さない現場主義風に見せるのがポール・グリーングラス。これを比較するのも面白いんじゃないですか。

Netflix で配信されている4K作品に関しては、もともと4Kでの鑑賞を目指して作っている作品だから、当然間違いないですね。もしNetflixの4Kプラン(※2)に入っている方だったら、Ultra HD ブルーレイを買う前に「4Kを試せる」っていう強みがある。お試しでとりあえず観てみて、4Kの良さをわかってもらえればいいなって思ってチョイスしました。

4Kは画面の明暗がすごくくっきり出るフォーマットだと思うので、映画との相性は良いんです。やっぱり従来のテレビだとだと「オクジャ」や「7月22日」のような画面の暗い映画は、分かりづらい部分もあったりするんだけど、4Kで見ると圧倒的に見やすいんですよ。

もっとイージーに4Kのポテンシャルを図るんだったら、「世界遺産」や大自然を撮影したネイチャー・ドキュメンタリーがいいとは思いますけどね(笑)。でも、じっくり見るんだったら、やっぱり映画は4Kに向いていると思います。

■オクジャ:「グエムル 漢江の怪物」のポン・ジュノ監督が手がけたNetflixオリジナル映画。韓国の山間部に暮らす少女ミジャは、大きな動物オクジャと平穏な毎日を過ごしていた。ところがある日、多国籍企業ミランド社がオクジャをニューヨークに連れ去ってしまう。オクジャを救うため、ニューヨークへと旅立つミジャだったが…。「スノーピアサー」でもポン・ジュノ監督と組んだティルダ・スウィントンのほか、「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール、ポール・ダノら豪華キャストが共演。

■7月22日:Netflixオリジナル配信作品。2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で発生した無差別銃乱射事件を映画化。主人公の少女カヤの視点から、事件に巻き込まれた若者たちが恐怖や絶望の中で必死に生き抜こうとする姿を描いている。監督はボーン・シリーズのポール・グリーングラス。事件の発生から収束までをワンカット72分間で映し出す。

■ 映画館と同じように部屋を暗くして

―――はじめて4Kで映画を見るという方に、メッセージをお願いいたします。

今は映画を見るにしても、いろいろなデバイスをチョイスできるじゃないですか。若い子にとっては、大きいタブレットを使って見るのもそこそこ大画面ですし、スマホよりはでっかいっていう話になるし。

もっと言うと、家によってはプロジェクターだったりとかするわけで……でも、結局は画質がそれほどっていう。だったら「4K画質が良いってどういうこと?」っていうのを、まずは映画で試しに見ていただければいいと思います。

テレビのサイズも40型以上だったら、4Kの良さは絶対にすぐ分かると思うので、まず映画館と同じように部屋を暗くしてください。でも、4Kだと明度がすごく上がるんで、それほど暗くしなくても昼間でも大丈夫かなって気はしますよ。

※1 Ultra HD ブルーレイを再生するには、Ultra HD ブルーレイ再生対応機器が必要

※2 Netflix非対応の4Kテレビで視聴する場合、「Amazon Fire TV Stick 4K」などのデバイスが必要(ザテレビジョン)

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