庵野秀明「宮崎さんの下では人が育たない」発言の真意は!?

庵野秀明「宮崎さんの下では人が育たない」発言の真意は!?

『メアリと魔女の花』公開記念イベントが開催

『思い出のマーニー』(14)の米林宏昌監督が、スタジオジブリ退社後に新天地・スタジオポノックで手がけた第1回長編監督作『メアリと魔女の花』が7月8日(土)より公開される。映画の公開を記念し、背景美術スタジオ「でほぎゃらりー」の設立者ドワンゴ・川上量生と、カラーの庵野秀明、スタジオポノックの西村義明プロデューサーによる鼎談イベント付き試写会が、7月1日にイイノホールで開催された。

西村プロデューサーは「でほぎゃらりー」創設の経緯について「スタジオジブリの制作部が解散し、ジブリの優れた背景美術を残すには美術会社が必要だと思いました」と説明。その後、手描きの背景美術の素晴らしさについての話が弾んでいった。

続いて、スタジオジブリの宮崎駿監督や高畑勲監督の話に。庵野は「宮崎さんのレイアウトはパース的にいい加減。でも、それがいいんです。高畑さんはそういうのを許さなかった。高畑さんは難しいアングルをやるんですが、宮崎さんは面倒くさいと思ったらカットを変えてしまう。でも、高畑さんは強要しちゃう。そこが高畑さんのすごいところ」と分析。

西村プロデューサーも「あの2人の差は面白いです。鈴木(敏夫)さんが一時期言ってたのは『宮(崎)さんは自分で描くから描ける範囲のことでやれちゃうけど、高畑さんは自分が描かないからみんなに要求し出す。そうすると、高畑さんの現場で人がぐわーっと育つ。上手に上げなきゃいけないから』と」。庵野も「宮さんの下にいると人が育たない」とうなずいた。

また、川上は高畑勲監督作『かぐや姫の物語』(13)のプロデューサーを務めた西村について「高畑さんのプロデューサーはなかなか続かないけど、それをやり遂げたのがすごいと思った」とねぎらう。

西村は「『かぐや姫』の時は、本当に吐きそうになりました」と苦笑い。「ある宣伝マンの方は、ストレスでジンマシンになったと。でも、ある日鈴木さんに呼ばれて、製作委員会の方々の前で僕が愚痴をこぼしたら、みなさんが笑うわけです。そしたら翌朝、その宣伝の方のジンマシンが治ったそうで。鈴木さんから『お前の話は癒やし効果がある』と言われました(笑)」。

また、川上は『かぐや姫の物語』の時と『メアリと魔女の花』の時の西村プロデューサーの違いについて「辛そうだったけど、意味が違った」と指摘する。「『かぐや姫』の時はサラリーマン的な辛さだけど、今は本当に辛そうだなと思った」と心配する。

西村は「10キロ痩せました。こんなに大変だとは思わなかった。今回は米林監督も含めみんなでやっていったけど、こんなに怖いことはなかった。プレッシャーはありました」とプロデューサーの苦労を吐露した。

『メアリと魔女の花』は、禁断の魔女の花によって不思議な力を手に入れた少女メアリの冒険を描くファンタジー。西村義明プロデューサーと米林監督は『借りぐらしのアリエッティ』(10)や『思い出のマーニー』に続き3作目のタッグを組んだ。【取材・文/山崎伸子】

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