満島ひかり&永山絢斗の共演作、キャスティングの舞台裏に迫る!

満島ひかり&永山絢斗の共演作、キャスティングの舞台裏に迫る!

『海辺の生と死』の満島ひかりと越川道夫監督

『夏の終り』(13)以来4年ぶりの単独主演映画『海辺の生と死』(公開中)で、野性味あふれる輝きを放った満島ひかり。メガホンをとったのは、数多くのインディーズ映画をプロデュースし、『アレノ』(15) で監督デビューを果たした越川道夫監督だ。

「自分自身のプライベートな気持ちでも関わらなければ、と思う作品だった」と本作に臨んだ満島と、「彼女以外のキャスティングはありえなかった」と語る越川監督にインタビューした。

『海辺の生と死』は、「死の棘」を手がけた小説家・島尾敏雄と、共に小説家になる島尾ミホとの出会いと恋の物語をベースにした恋愛映画。舞台は太平洋戦争末期の奄美群島・加計呂麻島で、満島は島尾ミホをモデルとした主人公の大平トエを、永山絢斗が島尾敏雄をモデルとしたトエの恋人・朔(さく)中尉を演じた。

越川監督がトエ役を「これは満島さんの役」と何気なく満島に伝えたのは、自身がプロデュースした『夏の終り』の公開時だった。「まだ映画化の話は何も決まってない状態でした。若い頃に小説は読んでいましたが、まさか自分が監督をすることになるとは思ってもいませんでした。ただ、映画になるとすれば満島さんがいい、満島さんしかやる人がいない、と思っていました」。

これには満島自身も「奄美大島で島尾ミホさん…私しかいないかな、と(笑)」ということで、相思相愛のキャスティングだったようだ。

越川監督は、相手役の永山絢斗について「永山さん自身のピュアさや朴訥さが絶妙に相まっているところ」が朔役の決め手になったと言う。

「永山さんとは初めて仕事をしましたが、素朴でいい男だと思いました。どこかナイーブさもある思いますが、それを覆い隠すような真っ直ぐさがある。文学青年の役だとすごくナイーブな人をキャスティングしたくなってしまいますが、ナイーブすぎないところが逆に良かったのかなと思います」。

生命力に満ちた力強い島を背景に、エネルギッシュな島の女としての顔を見せている満島。彼女自身も「私は沖縄育ちですが、ルーツは奄美大島にあるので、加計呂麻島はやっぱり特別な場所でした」とロケ地への思い入れも強かったよう。

「映画の中でなくとも、島に帰ったら島の子の顔になっちゃいます。はじめはみんなから『都会の顔して戻ってきたね』とか言われたけど」。

越川監督は「島の撮影に来てないスタッフが映像を観て『満島さんがずっと島の子の顔をしている』と驚いていたことが、すごくうれしかったです」と当時を振り返る。

今回は、監督として満島と仕事をした越川監督は、彼女の印象について「おそらく何度一緒に仕事をしても変わらないです。なんていうか、どこまででもいける人だと思います」と含みをもたせた感想を述べると、満島は「やったー。でも、いいのか悪いのかはよくわからない」と無邪気に笑う。

越川監督の「どこまででもいける人」としての満島をこう表現する。「エキセントリックとかそういうことでは全然なくて、俳優としてどこまでもいける人だという意味です。いま、僕らがやれたのはここまでで、ゼーゼー言いながらふたりで頑張ってきたと思いますが、きっとこれからも満島ひかりはもっと遠くまで歩いていける人だろうなと。今後何度いっしょにやることがあっても、毎回、満島ひかりはこんなものではない、とそう思うんでしょうね」。

満島の未知数の可能性をよくわかっている越川監督と、本作で演技力というよりは、潜在能力が引き出されたような感のある満島ひかり。ふたりにとって『海辺の生と死』は特別な一本となったに違いない。【取材・文/山崎伸子】

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