満島真之介、『ひるね姫』の思い出を語る。「こういう若者が増えて来たら面白いと思う」

満島真之介、『ひるね姫』の思い出を語る。「こういう若者が増えて来たら面白いと思う」

主人公の幼なじみ役で劇場アニメに初挑戦した満島真之介

『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』で知られる神山健治監督の最新作『ひるね姫〜知らないワタシの物語〜』のBlu-ray&DVDが9月13日に発売され、16日に東京・渋谷のHMV&BOOKS TOKYOにて発売記念イベントが開催された。本作で主人公の幼馴染・モリオの声を務めた満島真之介と、劇伴を担当した下村陽子、監督の神山健治が登壇。作品の映像を上映しながら、制作時の裏話やキャラクターを分析するライブコメンタリーを行なった。

本作は、東京オリンピック開催を目前にした2020年を舞台に、夢と現実がリンクする女子高生を描いたファンタジー。平凡な女子高生・森川ココネは、自動車工の父親が突然逮捕され東京へ連行された理由を解明するために、幼馴染のモリオを連れて岡山県倉敷市からはるばる東京まで旅をする。リアルな世界を救う手がかりが、ココネが毎日見ていた「夢」にあるという斬新な設定が話題を呼んだ。

ニューヨーク、上海、フランスなど、海外での上映時の手応えを語る神山監督は、フランスで鋭い質問が多数寄せられたエピソードを披露。「何故アニメでテクノロジーを題材にした作品を作るのか」「このシーンは何かのメタファーなのか」など、大人顔負けの質問を投げかけてくる子供がいたりと、海外の映画事情に驚きの表情を見せた。

自身が演じたモリオの登場シーンが流れると、最初に脚本を読んだときのことを振り返った満島。「可愛らしいキャラクターの奥底に、人間の解明できない夢と現実との関係性や、見えないものとの対峙の仕方とかで、アニメでやったらどういうものになるのだろうか、とワクワクしながらも考えながら演じていた」と初めて劇場アニメに挑んだ役作りについて語り、自らキャラクターを分析した。「押され気味だけど、自分の得意分野になるとスッと入れる。こういう若者が増えて来たら面白いと思う」。

また、高畑充希が声を務めた主人公ココネについて、どう思うかと訊ねられた満島は「いろんな世代の人たちが共感できる部分も、この子にしかない部分も持っているキャラクターだと思う」と評価すると、神山監督は「普通の女子高生にしたつもりですが、僕が作ってきた作品のヒロインと共通している部分があると海外では言われた」と続け、自ら作り出した主人公のキャラクターについて解き明かしていった。

付け加えるように「割と普遍的なキャラクターだと、海外では捉えられていた。日本のアニメファンが“女子高生”というキャラクターに求めるものとは違っていたかもしれないけれど、海外では正反対で、ココネというキャラクターの構造が評価された」と、ここでも日本と海外の映画ファンの見方の違いを明らかにした。

来場者から「何度も観てほしいシーンはあるか?」との質問に、「光を意識して作った」と作画過程のこだわりを語った神山監督。「夢の世界ではカメラがないように演出したり、現実のシーンではわざとレンズフレアを出したりといった意図的な演出がある。それが劇場のスクリーンの光では上手く味わえなかったので、Blu-rayによって狙い通りの絵に再現できた」とデジタルでのアニメ制作における演出の悩みを語ると、満島がすかさず「買いたくなるじゃないですか!」と笑顔でツッコミを入れた。

今年3月に日本で劇場公開された本作は、世界45の国と地域で公開が決定しており、今月8日からはアメリカでも劇場公開が始まった。独創的な世界観で国内外を問わず高い評価を得ている神山監督の作品だけに、来年のアカデミー賞長編アニメーション賞受賞への期待も高まっている。【取材・文/久保田和馬】

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