潜入レポでぶっちゃけ!GONZOスタッフが『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』禁断の舞台裏を暴露

潜入レポでぶっちゃけ!GONZOスタッフが『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』禁断の舞台裏を暴露

GONZOスタッフからワンダーウーマンの作画について直々に説明を受けるバト田くん

全米発の世界的スーパーヒーローと、何を血迷ったか、あのヘタウマ画のアニメ「秘密結社 鷹の爪」がコラボしてしまった映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』(公開中)。そこそこヒット中らしい低予算flashアニメの同作に、白組(『Always 三丁目の夕日』シリーズ)と共に、うっかり作画で参加しちゃったのがアニメスタジオ・GONZOだ。主にスーパーマン、バットマンら、DCキャラクターの作画を手掛けた同スタジオに潜入!制作部・奥山真吾プロデューサーに、制作裏話を伺うと「マジか?」とビックリなエピソードが…!?

■ 「バットマン」に携わっていたつもりが「鷹の爪」だった!?

「DLEさん(『鷹の爪』制作会社)とは、ちょこちょこお仕事させていただいて…」と語る奥山Pに、1年半前、DLEから新しい仕事に繋がりそうな依頼があったという。

「『DCコミックス作品のアニメ化の企画で、テストカットを描いてもらえませんか?』とご相談をいただいたんです。それで(今回キャラクターデザインと作画を担当した)アニメーターの朴性厚さんがDCヒーロー好きだったので相談したら『ぜひ!やります!』って、はりきって描いてくださったんです。でも納品して1年くらい全く音沙汰がなくて、『どうなってるんだろうね?』『ダメだったのかなぁ…』なんて話していたら『やることになりました』と連絡があって、2人で『やった!』って喜んで…」

――と、話を聞きながら“あれ?”と思ったのは、もしかして、その時点では「鷹の爪」の企画だと知らされていなかったのでは…?

「そういえば、DCと『鷹の爪』のコラボだって説明…あれ?いつ聞いたんだったかな?そもそも(DCキャラクターが)『鷹の爪』と絡んでいるなんて想像すらしなかったし、僕たちはあくまで『DCヒーローが描けるぞ!』ってノリでしたから…(笑)。社内では『バットマン』の仕事ということで回しましたし。実際、『鷹の爪』のキャラを描くわけじゃなかったので、(『鷹の爪』と言うと)わかりにくいので、とりあえず『バットマン』で(笑)」

結果として良かったのか?騙された(?)ような?そんなノリで『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』の作業が始まった。

「大変だったのは、DCコミックス側の厳格なチェックをクリアするために、キャラクター1人ずつ細かい設定を、外見はもちろん、スーツや武器、それに色調も、とにかくたくさん作らなきゃいけなかった。アニメーションできっちり動かすキャラクターはもちろん、ヴィランやアルフレッド(バットマン=ブルース・ウェインの執事)とかflashのみのキャラも確認が必要で…。もちろん修正も入って、設定作業だけで疲弊してました(笑)」

■ DCキャラの作画を担ったスーパーアニメーター

設定が重くなれば、作画も比例してそこそこ重い内容になる。「作画は全部、朴さんが描いて下さって、僕は『がんばれ!』と応援し続ける役割でした(笑)」という。

「FROGMANさんの描かれたコンテは、とてもかわいい画でざっくり描かれていて、実質何もない段階から朴さんが一人で黙々と原画を描くという…普段はラフ原画で監督や作画監督のチェックが入るんですけど、演出も作画も朴さんに“おまかせ”だったので、直原画で描いてもらいました」

朴さん、おそらく今作最大の功労者では?と思っちゃうような過程を経て描かれたDCスーパーヒーローたち。正直な印象“『鷹の爪』でいいのか?”と思えるほど、バットマンもスーパーマンも、そしてワンダーウーマンもクール&スタイリッシュ!外連味のある作画が、総統や吉田くんたちと一緒の画面に収まっては違和感バリバリでしょう?と思ったが…。

「特に色調や線に違和感が出ないか気にはしていたんです。というのもFROGMANさんからは『全部おまかせで』みたいな指示でしたので、『アメコミっぽく塗ってみる?』など相談して、影色を紫がかった青基調にして描いたら即OKがでまして。総統や吉田くんは太い黒の実線を使うので『こっちも黒の方がよかったかな?』とか後々不安になったんですが、案外スッとなじんでいて(笑)。『鷹の爪』って、いろんなものを全部取り込める世界なんだなって実感させられましたね」

■ GONZOと白組の間に思わぬ事態が?

今作はDCキャラクターの作画&アクションをGONZOが担当し、メカニカルCGパートで白組も参加している。2つのスタジオの作画が組み合わさるシーンもあるのだが、ここで放任体制ゆえの思わぬトラブルが…!

「うちは青基調の作画でしたけど、白組さんが赤基調で作画されていたんです。それを大方仕上がったころにDLEさんから知らされて、『全部赤にして下さい』って言われまして(笑)。『それ無茶ですよ〜!』『全部塗り直さなきゃ!』ってアタフタしていたら、白組さんが青基調に修正して下さったんです。これはもう…お互い託されて、それぞれのイメージで進めちゃって…自由過ぎちゃった結果でしたね」

奥山Pが白組と共同で映画に携わったのは、本作が初めてのこと。CG描写に秀でた白組のクオリティに、ただただ「すごい」と唸るのみだったそう。

「白組さんから送られてきたテストムービーを見て、スタッフみんなが『あぁ…これもう、うちは(白組さんの)前座だなぁ…』とそう思っちゃいましたよ。『出来が良過ぎじゃない?』『「鷹の爪」でこれ描くの駄目じゃない?』って(笑)」

■ GONZOの予算ゲージもレッドゾーンに?

今回、GONZOが制作したシーンは16カット、作画にして1196枚。30分のTVアニメで大よそ300カット4000枚が相場らしいが、2時間尺とはいえflashアニメが大半である同作で、この枚数カット数はとても濃密。スーパーマンやワンダーウーマンがカッコよくアクションを決める姿は鮮烈だ。

「実際は10分もないんですよ(笑)。でも1カットに46枚とか相当描いています。実は予算に対して、めちゃめちゃ描き過ぎちゃいまして、うちの社内が映画みたいに『予算がない!もう無理!』って状況になったりもしかけましたから(笑)」

「鷹の爪」の映画と言えば、画面右端に制作費の残り具合が表示され、それが減ると映画自体に影響が及ぶ“バジェットゲージ”が評判だが、GONZO自体もゲージが危険水域に達していたという。

「作画の修正と一緒に、“パンチ一発”って指示されていたシーンが3カットに増えていて(笑)、『(この追加発注は)無理でしょ!』って困ったんですけど、朴さんをはじめスタッフみんなが何とか頑張ってくれて納品に漕ぎつけました。でも、予算的に会社から怒られそうなギリギリのところで、経理と一触即発な事態になりかけましたから。『鷹の爪じゃなくてGONZOが赤字になっちゃいますよ!大丈夫なんですか!』みたいな(笑)」

朴氏をはじめ精鋭スタッフが、ギリギリのスケジュール・予算の中、「鷹の爪」映画史上最高にハイクオリティ&クールな作画・アクションを創出して観客を楽しませてくれる。

「大変でしたけど、その分めちゃめちゃ遊んじゃったという思いもあります。朴さんも終盤は大変だったんですけど、本当にノリノリで描いて下さって。ぜひスクリーンで、そのシーン(と予算がグッと下がる展開)を楽しんでもらえたらと思います」【取材・文/トライワークス】

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