「加瀬さんはドMなんです」原恵一監督の爆弾発言に、加瀬亮もタジタジ!?

「加瀬さんはドMなんです」原恵一監督の爆弾発言に、加瀬亮もタジタジ!?

イベントもついに最終日。左から原恵一監督、俳優の加瀬亮、司会を務めた氷川竜介

10月25日より開催されてきた第30回東京国際映画祭。全7回にわたり行われたアニメーション特集「映画監督 原 恵一の世界」の最終日となった2日は、原監督が手掛けた初の実写作品『はじまりのみち』(13)を上映。本作で主演を務めた加瀬亮を迎えたトークショーでは、上機嫌な様子の原監督から次々と興味深いエピソードが飛び出した。

観客と一緒に今回の上映を楽しんだという原監督は、「我ながら、いい映画を作ったな(笑)」と満面の笑顔。本作は、「世界で一番尊敬していて、大好きな監督」というほど敬愛する、映画監督・木下惠介の生誕100周年を記念した作品だ。

■ 監督は、俺しかいない!?

『クレヨンしんちゃん』など数々の作品を手掛けた原監督だが、意外にも「松竹さんから『?木下監督の映画”の脚本を書いてほしい』と依頼があった時、実はスポンサーに見せるような、きちんとした文章の脚本は書いたことがなかった」という。「とにかくやってみようと挑んだ結果、自分でも思った以上にいいものができた。最初は脚本だけの予定だったけど、監督を誰にするか考えたら…いや、俺だろうと(笑)。やらせて下さいとお願いしました」と、監督することになった経緯を語った。

■ 「さすが、世界の加瀬亮!」

もともと原監督の『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(02)が好きだったという加瀬は、「(原監督が)実写映画を撮ったらいいなと思っていたんです」とオファー時の喜びを明かす。そんな加瀬に監督は「彼は、仕事に対して妥協しないんですよ。決定稿になったあとも、2回ぐらい呼ばれて(笑)。さすが、世界の加瀬亮だなと…。現場の緊張感はすごかったですよ」と、役柄への取り組み方に感心しきりだったそう。

さらに、突如「彼はドMなんです」という爆弾発言も飛び出し、加瀬が慌てる場面も。「物語は7月の設定なんですけど、撮影は11月だった。雨を降らせる場面では本当に寒くて、加瀬さんはガタガタ震えていたんです。怒られるんじゃないかと思っていたら、彼が(震えながら)『監督、寄り(のカット)は撮らなくていいんですか?』って…。ドMだな、この人と(笑)」。それに対し「自分的に、彼(木下青年)になりきるには、その道中のキツさを感じないと意味がないなと。(撮影で歩いた距離は)思ったより短かったです。でも、僕は、楽なほうがいいですよ(笑)」と、誤解を解くように(?)加瀬が真意を話してくれた。

■ 実写ならではの苦労も…

原監督いわく「実写の脚本って、1行ごとに予算が決まってくるんですよね。アニメーションだと、宇宙だろうが何時代だろうが資料をもとに描けちゃうんです。実写では、脚本と予算との密接な関係があるんだと知りました」と実写映画ならではの苦労を吐露。また、オールロケの撮影では天候にもかなり左右されたようで「ある日、ラインプロデューサーとカメラマンが(雨が)降る降らないで、“てめえ、ふざけんな”みたいな大人の本気の口ゲンカを始めちゃって…(笑)。最終的には、俺が撮影中止を判断したんですけど、帰りのバスの中ではドキドキしました。途中で雨が降り出して『やったぜ、俺は間違っていなかった!』と(笑)」

そんな中、今作には、意外なセルフパロディがあることも明かしてくれた。「最後、便利屋くん(濱田岳)が手を振って帰っていくシーンがあるんですけど、あれは濱田くんが『河童のクゥと夏休み』(07)が好きで、『監督、“河童(クゥ)走り”してもいいですか?』て言うから、入れた(笑)。実写は役者さんのアドリブがすごくおもしろいと思いました」と、新鮮な体験を楽しんでいた様子。

『はじまりのみち』エピソードはまだまだ尽きないようで、最終日ということもあり、何度も「もう1ついいですか?」と進行を遮っては裏話を明かしてくれた原監督。ベールに包まれている「王道のファンタジー、エンタテインメント、笑い、涙、アクション、ラブ、全部詰まった大サービスの作品!」と監督が豪語する次回作への期待感も相まって、終了時間を大幅に延長しながらも終始笑いの絶えない楽しい場となった。【取材・文/トライワークス】

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