ついに公開!『シェイプ・オブ・ウォーター』デル・トロ監督、アカデミー賞への心境と主演女優の魅力を語る

ついに公開!『シェイプ・オブ・ウォーター』デル・トロ監督、アカデミー賞への心境と主演女優の魅力を語る

『パシフィック・リム』『パンズ・ラビリンス』で知られるデル・トロ監督を直撃!

日本時間の3月5日(月)に発表される第90回アカデミー賞。その主役候補として大きな注目が寄せられているのが『シェイプ・オブ・ウォーター』(公開中)だ。昨年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたことを皮切りに世界中で激賞されてきた。いよいよ迎える映画界最高の栄誉を前に、ノミネート直後に来日したギレルモ・デル・トロ監督が、その心境を明かしてくれた。

本作は1962年、冷戦下のアメリカを舞台にしたラブストーリー。幼いころのトラウマで口がきけなくなった女性・イライザが政府の極秘施設で清掃員として働いていたある日、研究目的で運ばれてきた“不思議な生きもの ”と出会う。その生きものにひと目で心を奪われ、強烈なシンパシーを感じた彼女は、隣人や同僚の力を借りて“彼”を逃がそうと決意する。

2007年に日本公開されたダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』では脚本賞などアカデミー賞6部門にノミネートされたデル・トロ監督。長らくアカデミー賞で評価されてこなかった“ファンタジー”や“モンスター映画”といったジャンル映画に新たな風を吹かせたことで注目を集めた彼は「僕は映画監督として25年間、変わらないポリシー を守り続けきた。だからこのジャンル自体が成長してきたのだと思う」とジャンル映画への愛情をうかがわせた。

今回のアカデミー賞では13部門にノミネートされている本作。作品賞と監督賞はもちろんのこと、演技部門から美術、技術部門にいたるまでノミネートされている。これまでのアカデミー賞の最多ノミネート記録である15ノミネートには一歩及ばなかったといえ「本当に幸せ。とても感謝している」と感慨深い表情で喜びを噛みしめる。

そして「でも、どうなるかはまったくわからない。全部受賞できることもあれば、ひとつも受賞できないこともある」と冷静に語るデル・トロ。「僕はひとりでも多くの観客にすばらしい映画を提供したいという気持ちで多くの作品を撮ってきた。だからこそ謙虚な姿勢と感謝の気持ちを忘れずに、その時を待とうと思う」と続けた。

さらに本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされているサリー・ホーキンスについて明かすデル・トロは「初めから彼女しか想定していなかったんだ」と明かし、イギリスのインディペンデント映画を中心にキャリアを積んできたホーキンスを選んだきっかけを力強く語った。「脇役で出演していた『サブマリン』(10)を観たときに、彼女から目が離せなくなったんだ」。

その理由について「台詞が少ないのに、人の言葉を聞く演技と、相手を見る演技が素晴らしかった。彼女は特別で魔法を持っている女優だと感じたよ」と褒めちぎると「良い役者というものは台詞を上手く言える人ではない。よく聞き、よく見る人のことだと思う」と持論を展開。

デル・トロといえば同じメキシコ出身であるアルフォンソ・キュアロンとアレハンドロ・G・イニャリトゥの2人と公私ともに親しいことで知られている。『ゼロ・グラビティ』(13)で監督賞を受賞したキュアロン、そして『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)と『レヴェナント 蘇えりし者』(15)で2年連続の監督賞を受賞したイニャリトゥ。2人はすでに映画界の頂点に上り詰めているのだ。

そんな2人との長年の交流について訊ねてみると「アカデミー賞のノミネート発表の前日に一緒に夕食を食べたんだ」と明かしたデル・トロ。「2人とも彼ららしさが出ている作品で受賞しているからね、僕も自分らしさが出た思い入れの強い作品で候補にあがったことがとてもうれしい」と笑顔を見せた彼は、故郷メキシコの映画界を成長させてきた仲間たちと同じ舞台に立つという、オスカー像にも代えがたい幸せを語った。(Movie Walker・取材・文/久保田和馬)

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