3児の父・藤木直人、子どもたちに贈りたい“夢を叶えるためのアドバイス”とは?

3児の父・藤木直人、子どもたちに贈りたい“夢を叶えるためのアドバイス”とは?

『リメンバー・ミー』でカギを握るヘクター役を務めた藤木直人

カラフルな“死者の国”を舞台に家族の絆を描くディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』(公開中)。日本版声優には、俳優の藤木直人が主人公の少年・ミゲルと冒険を繰り広げる重要キャラクターのガイコツ、ヘクター役に抜てきされた。3児の父でもある藤木は、ヘクターの心のなかにある“家族への愛”にも大いに共感ができたそう。「もし僕の子どもが『俳優になりたい』と言ったら、喜んでしまう自分がいるかも」と微笑む彼に、子どもたちに伝えたい“夢を叶えるためのアドバイス”を聞いた。

本作は、カラフルな“死者の国”に迷い込んでしまった少年・ミゲルが、そこで出会ったヘクターとともに、生者の国に帰るために奮闘する姿を描くファンタジー・アドベンチャー。オーディションでヘクター役を手にした藤木は「もちろんうれしくもありましたが、プレッシャーもありました」という。

本年度アカデミー賞で長編アニメーション賞と主題歌賞を受賞した本作。「みなさんの期待とともにハードルもどんどん上がっていっているので『大変なことになったな』と。でももうアフレコも終わっているので、これ以上、頑張りようがないんですよね」と苦笑いするが、声の仕事は『劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影』(12)以来、2度目とは思えないほど、ぴったりと役にハマった見事な演技だ。

藤木が「ヘクターは音楽が好きなギター弾き。その点でも、自分にも共通する部分はあるなと思います。また僕にも子どもがいますので、ヘクターの家族への思いもわかるんです」と言うように、ヘクターとは根っこの部分も近いものがあるのかもしれない。演じる上では、「オリジナル版の役者さん(ガエル・ガルシア・ベルナル)のヘクター像を大事にして臨んだ」とのこと。「演技としてのジャッジももちろんあるし、キャラクターの口や動きとセリフのタイミングが合うかなど、技術的な難しさもあります。日本版の監督とセリフを一行ごとに丁寧に精査していくような、大変な作業です」と苦労も多かったそう。

家族に会いたい一心で冒険を続けるヘクターと同じように、アフレコに臨む藤木を支えたのも家族の存在だという。「劇中にも、ミゲル一家が祭壇に家族の写真を飾っているというシーンがありますが、僕もアフレコ中は子どもたちの写真を台本に貼っていたんです。子どもたちもディズニー/ピクサーの作品が大好き。今回は、子どもたちのためにも頑張ろうと思っていました」と父の顔を見せる。

子どもが生まれてからは、人生や考え方が「ガラッと変わった」と告白する。「僕にはありがたいことに両親がいて、僕を大学まで行かせてくれましたが、それも当たり前だと思っていた。グレたりしていたわけではないですが、『自分は自分なんだ』なんて思っていたんです。でも子どもが生まれてみて、実は親に愛され、守られていて、一生懸命に育ててくれたからこそ、いまの自分がいるんだと感じられるようになったんです」。

いまは「親がしてくれたことを、どうやって子どもたちに与えることができるだろう」との思いで子育てに向き合っている。もし、子どもたちが「俳優やミュージシャンになりたい」と自分と同じ道に進むことを望んだら、どうするだろうか。藤木は「そう言ってくれたら、やっぱり喜んでしまう自分がいるかも」と目尻を下げつつ、「でもそんなに簡単な世界じゃないとも思いますしね。僕はすごくラッキーで、人や作品に恵まれたからここまで続けて来られたと思っています」と語る。

「では夢を叶えようとする子どもたちに、どんなアドバイスを贈りたい?」と聞いてみると、自分自身の心に響いたという、音楽プロデューサーの寺岡呼人からもらった大切な言葉を振り返った。「CDデビューをしたときに、呼人さんにプロデュースをしていただいたんですが、呼人さんの言葉ですごく印象に残っているものがあって。『人生には必ずチャンスがある。目の前にいかだが来たときに、そこに飛び乗るための準備をちゃんとしておかないとダメだ』とおっしゃってくださったんです。目指すものがあるなら、チャンスが来た時に動ける準備をしておかなければ、チャンスも見逃してしまうかもしれない。『なるほどな』とすごく心に響いたんです」。

父として、子どもたちに伝えたい思いを真摯に語ってくれた藤木。軽やかさと温かさ、そして家族を思う大きな愛が、ヘクターとピタリと重なった。(Movie Walker・取材・文/成田 おり枝)

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