懐かしい風景やキュートな“ニャンコ先生”に癒やされる!「夏目友人帳」が心を惹きつける理由とは

懐かしい風景やキュートな“ニャンコ先生”に癒やされる!「夏目友人帳」が心を惹きつける理由とは

「友人帳」を軸に主人公・夏目貴志の物語が描かれる

少女漫画誌「月刊LaLa」にて連載されている同名コミックが原作の感動ファンタジー『劇場版 夏目友人帳 〜うつせみに結ぶ〜』(9月29日公開)。主人公は、幼い頃から妖怪の姿が見えるため、周囲から少し浮いている高校生・夏目貴志だ。若くして亡くなった貴志の祖母・レイコが妖(あやかし)たちから奪った名を書き連ねた、タイトルの由来でもある帳面“夏目友人帳”を巡る物語が展開される。08年放送のテレビアニメ第1期を含め6度のアニメ化がされた本作。ディープなアニメファンはもちろん、普段はアニメをあまり観ない層からも、長きに渡って根強い人気を誇るその理由を探りたい。

■ 水彩画のような透明感あふれる風景描写

レイコと顔がそっくりな夏目少年と、彼から名前を取り戻そうとやって来る妖との交流を繊細な演出でつづる本作の魅力は、なんといっても目に優しい、落ち着いた色彩だろう。水彩画を思わせる、柔らかく透明感あふれる色合いで描かれるのは、舞台となる熊本県の美しくのどかな自然。そのどこか懐かしい気持ちになる景色を背景に、シンプルながら味わい深いデザインの登場人物たちが、おだやかな世界で静かにゆっくりと時を刻んでいく。刺激的なほどに鮮やかな極彩色で描かれるCGアニメでは決して味わうことのできない、癒しと浄化のひとときを「夏目〜」は与えてくれるのだ。

■ グッズも人気のかわいい妖怪たち

夏目少年の相棒、ニャンコ先生をはじめとするキュートな妖たちも、作品が支持される理由の一つ。“夏目の用心棒”を自称しているニャンコ先生だが、その正体は狼を思わせる優美な姿を持つ“斑(まだら)”という妖怪が招き猫に封じ込められたもの。夏目が死んだら友人帳をもらう約束で、彼の飼い猫として一緒に暮らすマスコットキャラクターなのだ。そのいたずらっぽい半月型の目や口元、まんまるなお腹やかわいらしいしぐさが人気を呼び、数多くのキャラクターグッズが販売されているほど。また、ニャンコ先生以外にも、シリーズ屈指のかわいさを誇る妖・子狐もフィギュア化されるなどの人気を集めている。

■ 心を揺さぶるせつないストーリー

そして、幼い頃に両親を失った夏目少年と、人々から忘れられた妖たちが紡ぐ物語こそ、「夏目〜」最大の魅力といっても過言ではないだろう。人と妖怪、種族は違えども孤独を知るもの同士だからこそわかり合える思い…。そんなどこか寂しさやせつなさが漂うストーリーが、多くの人の心を揺さぶる。そんな作品世界を作り上げているのが、第1期から長きに渡って作品に携わっている大森貴弘監督だ。第1〜4期では監督、第5、6期では総監督を務めた、作品の良さを隅から隅まで知り尽くしている大森監督が制作の中心にいるからこそ、作品の軸がぶれることなく、そのカラーを保ち続けることができているのだ。

今回の劇場版で描かれるのは、原作者監修による完全新作のオリジナルエピソード。総監督を務める大森監督をはじめ、TVシリーズのスタッフ&キャスト陣が再結集して贈る、優しくもせつないファンタジーをぜひスクリーンで堪能してほしい。(Movie Walker・文/中村実香)

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