『カメラを止めるな!』並みの低予算&スター出演ゼロでもカルト人気を誇る1988年のSF映画って?

『カメラを止めるな!』並みの低予算&スター出演ゼロでもカルト人気を誇る1988年のSF映画って?

主人公のネイダを演じるのはプロレスラーとして当時人気だったロディ・パイパー

『ニューヨーク1997』(81)や『遊星からの物体X』(82)など、1980〜90年代に数々のSFやホラー作品を手掛け、日本の映画監督にも多大な影響を与えてきたジョン・カーペンター監督。彼の作品の中でもカルト的な人気を誇る『ゼイリブ』(88)が、製作30周年を記念したHDリマスター版として29日より公開されている。有名スターの出演や、莫大な予算をかけたド派手な演出もない同作が、今もなお支持され続けるのはなぜなのだろうか?

■ 特殊なサングラスでエイリアンの姿が見える!?

舞台は貧富の差が激しく、失業者があふれる世界。失業者のネイダはある日、教会で大量のサングラスが入った段ボール箱を見つける。そのサングラスは人間社会に入り込んだエイリアンの姿や、町のあらゆるところに掲げられた看板に書かれたエイリアンのメッセージが判別できる特殊なものだった。やがてネイダは彼らに反旗を翻すレジスタンス運動に参加し、戦うことになるが…というストーリー。

■ 全編に込められた強烈な風刺的メッセージ

見かけこそSFスリラーだが、ごく一部の特権階級がマスコミや広告を牛耳って人々を洗脳、搾取していく姿をエイリアンによる地球侵略に重ね合わせて描くなど、強烈な風刺的メッセージが込められているのが特徴だ。主人公がサングラス越しに目撃する街中の看板に書かれた “従え(=OBEY)”“消費せよ(=CONSUME)”といったメッセージが、知らず知らずのうちに人々の潜在意識に刷り込まれていくさまは、現実味を帯びているだけに余計に恐ろしく感じられる。

■ 主演はアメリカの人気プロレスラー

本作の主人公ネイダを演じたロディ・パイパーは80年代にWWEで活躍した人気プロレスラーだが、彼の多少オーバーリアクションぎみな演技もどこかユニーク。サングラスを何度もかけたり外したりしてエイリアンの姿を確認するなどの動きは、メッセージをシンプルに伝えるのに役立っている。レスラーならではの体を張ったアクションも披露し、人間社会に入り込んだエイリアンを倒していくさまは痛快でもある。

30年の時を経て復活したSFスリラーの名作は、HDリマスターの美しい映像とリミックスした迫力ある音響となり、作品のメッセージがより明快に伝わってくるはず。ちなみに、カーペンター監督の代表作『遊星からの物体X』もデジタル・リマスター版が10月19日(金)から公開されるので、あわせてチェックしてみてはいかがだろうか。(Movie Walker・文/トライワークス)

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