『真田十勇士』の中村勘九郎「僕は女優さんと縁がない」

『真田十勇士』の中村勘九郎「僕は女優さんと縁がない」

『真田十勇士』で主演を務めた中村勘九郎

歌舞伎俳優・中村勘九郎演じる猿飛佐助が、堤幸彦監督による『真田十勇士』(9月22日公開)で大暴れする。飛んで走って戦ってと、これだけド派手なアクションを華麗に見せられる役者はそういない。折しもNHKの大河ドラマ「真田丸」が佳境を迎えるなか、本作では「天下の名将・真田幸村が実は腰抜けだった!?」という大胆な発想が観る者を驚嘆させる。主演を務めた勘九郎にインタビューし、過酷だった撮影を振り返ってもらった。

本作は堤幸彦監督が自身の同名大ヒット舞台を映画化した話題作。真田幸村が実はダメ男だと知った猿飛佐助は、幸村を本物の立派な武将に仕立てようと目論み、彼は霧隠才蔵(松坂桃李)ら9人の仲間たちと協力し合い、大博打に打って出る。

『真田十勇士』は舞台と映画のビッグプロジェクトで展開され、勘九郎は両方で主演を務めている。「舞台では空気感が大事なので、狂言回し的なことやボケ、ツッコミなどいろいろと自由に入れていったのですが、映画ではそれを封じました。また、舞台ではプロジェクションマッピングなどで表現していた背景も、映画ではすごく豪華なセットを作っていただきました。そこで初めて『ああ、堤さんはこういうイメージをしていたんだな』とわかった気がします」。

真田十勇士を演じたのは、勘九郎をはじめ、松坂桃李、永山絢斗、加藤和樹、高橋光臣、駿河太郎、村井良大、荒井敦史、望月歩、青木健の10名だ。「現場は寒かったのでみんなで火の周りにいました。男たちが集まった時の会話はやっぱり下ネタしかないですよ。また、台詞をかまないようにと、みんなで言いにくい言葉を言い合うゲームもやっていました。“炙りカルビ”“シャー少佐”“バスガス爆発、ブスバスガイド”とか。一番難しかったのが“きゃりーぱみゅぱみゅ”でした(笑)」。

自分が出演する映画やドラマは、なぜか男所帯の作品ばかりだと勘九郎は嘆く。「本当に僕は女優さんと縁がないなあと思います。歌舞伎の世界では女形との共演でしょ。この間までやっていた舞台は弟が相手役だったりするわけです。そんななかでやっと今回、大島優子さんがいらしたのに、才蔵(松坂桃李)が好きな役柄だから3人のシーンではずっと才蔵ばかり見ていて目も合わせてくれませんでした(苦笑)。初めての映画『禅 ZEN』(09)もお坊さんの映画だし、大河ドラマに出た時も『新選組!』(04)だったりして、本当に女優さんがいない。たまには僕もラブストーリーをやってみたいですよ」。

佐助を演じるにあたって俊敏なアクションが求められた勘九郎。いちばん大変だったシーンについて尋ねると「たぶん映ってないところです」と苦笑い。「冬の陣で真田丸を攻略しようとする徳川兵に石を投げ落としたり、爆弾を仕掛けた樽を投げたりするシーンがあって。ゲリラ部隊が門を突き破って砦内に入っていくシーンをドローンで撮っていたのですが、そこの階段を上から下までジャンプしながら飛び降りたら息切れしちゃって。後から観てみたら全然映ってなかったです。まあ、それは僕のミスなんですが(苦笑)。素直に階段で降りればその後、直結して引きのアクションに入れたのに。無駄なことをやってしまいました」。

最新の飛び道具、エアラムを使ったアクションにもトライした。「エアラムはエアを注入して圧縮してあり、乗るとそれが発動するというジャンプのための道具です。レベルによってスピードも違いますが、あれは怖かったですね。どうしても自分で飛びたくなるけど、そうすると効力がなくなってしまうんです。だから待って飛ぶ、というのがコツでした」。

撮影が過酷を極めた分、全員が団結できたと言う勘九郎は「必死に寒さ、爆風、火と雨と戦ったメンバーですので、この絆は何があっても揺るがないです」と力強く語る。ダイナミックなアクション活劇『真田十勇士』の、意気投合した十勇士たちが織りなすアンサンブルのシーンも楽しんでいただきたい。【取材・文/山崎伸子】

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