70代でブレイクの画家と50代で銀幕デビューした俳優! 映画『HOKUSAI』で葛飾北斎を演じる田中泯さんの代表作まとめ

代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト 葛飾北斎。ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちを刺激し、米 LIFE 誌“この1000年で偉大な功績を残した100人”に唯一の日本人として選ばれています。この度、その北斎の知られざる生涯を初めて描く映画「HOKUSAI」が5月28日(金)に全国公開となります。

その人生に関する資料がほとんど残されていない北斎の生涯を、歴史的資料から得た事実を繋ぎ合わせて生まれたオリジナル・ストーリーで、今までほとんど語られる事のなかった青年時代の北斎をも描いた本作。

19の時に絵師としてスタートを切り、日本が鎖国を解く数年前に90歳で世を去るまで、『冨嶽三十六景』『北斎漫画』など、世界を魅了する名作を描き続けた葛飾北斎。画業70年で約3万点、単純計算で1日1作を超える絵を描き、絵にかける情熱は並々ならぬものがあり、本作で晩年の北斎を演じた田中泯さんの映画への道に重なるものがあります。そんな田中泯さんが出演する作品をまとめました!

◆『たそがれ清兵衛』(2002年)
「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督が、藤沢周平の短編小説を原作に映画化し、アカデミー外国語映画賞にノミネートされるなど国内外で高く評価された時代劇。幕末の庄内地方。海坂藩の下級武士である井口清兵衛(真田広之)は妻を病気で亡くし、幼い娘2人や年老いた母と貧しくも幸せな日々を送っていました。家族の世話や借金返済の内職に追われる彼は、御蔵役の勤めを終えると同僚の誘いを断ってすぐに帰宅してしまうため、“たそがれ清兵衛”と陰口を叩かれていたのですが、ある日、清兵衛は幼なじみの朋江(朋江)を救ったことから剣の腕が立つと噂になり、上意討ちの討手に選ばれてしまいます。
同作では、田中泯さんが映画初出演ながら清兵衛の敵役・余吾善右衛門として観客に強烈な印象を残したことでも知られており、第26回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、そして新人俳優賞を受賞!ダンサー・舞踊家である田中泯さんが、50歳を過ぎても新たな領域である演技に挑戦する姿は、北斎が晩年に脳卒中で倒れてもなお旅に出て「富岳三十六景」を描き上げるという絵に描ける情熱、そして年を重ねても新たなことにチャレンジしていく姿が重なります。幾つになっても新しいことに挑戦できると勇気づけられることでしょう。

◆『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(2014年)
和月伸宏の人気コミックを佐藤健主演&大友啓史監督で実写映画化した「るろうに剣心」(2012)の続編で、原作のクライマックスにあたり、人気の高いエピソード「京都編」を描いた2部作の前編。かつては「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心は、新時代の訪れとともに穏やかな生活を送っていたのだが、剣心の後継者として「影の人斬り役」を引き継いだ志々雄真実が、全身に大火傷を負わせた明治政府へ復讐を企てていると知った剣心は、逆羽刀を手にとり、単身で志々雄のいる京都へ向かいます。
田中泯さんが演じる翁は、元御庭番京都探索方の頭領であり、かつては「御庭番衆最恐」とまで言われた歴戦の忍。幕府から情報収集の任務を与えられ、表向きは料亭旅館「葵屋」を営んでいます。四乃森蒼紫(伊勢谷友介)が志々雄真実の葵屋襲撃を許したことを知り、劇中では68歳という年齢を感じさせない蒼紫との激しいアクションシーンを披露している。大友監督からは「史上最強の68歳」と太鼓判を押されたほどで、70代で大ブレイクを果たした北斎の絵への情熱と田中泯さんの役にかける熱い想いはどこか重なる部分があるでしょう。

◆『47RONIN』(2013年)
日本の「忠臣蔵」をモチーフに、キアヌ・リーブス主演、新鋭カール・リンシュ監督で描く3Dファンタジーアクション。赤穂の国のサムライ・大石(真田広之)とその部下たちは、吉良(浅野忠信)と謎の女ミヅキ(菊地凛子)の陰謀により、尊敬する主君の命とサムライとしての身分を奪われます。素性不明のはぐれ者のカイ(キアヌ・リーヴス)は、主君の仇打ちと吉良に狙われる姫のミカを守ろうと立ちあがった大石に力を貸し、圧倒的な吉良軍に対し、わずか47人で立ち向かっていくのですがーー。
すでに1978年にルーブル美術館でダンサーとして海外デビューを果たした田中泯さんですが、同作で浅野内匠頭を演じ、ハリウッドでの銀幕デビューとなります。日本のみならず海を渡ってゴッホやモネなど名だたるアーティストたちに愛され、ティファニーに多大なる影響を与えた北斎と、海外でも活躍する田中泯さん。海外で活躍する姿に勇気づけられ、希望を与えられるはず!

◆『HOKUSAI』(5月28日公開)
幼き日から九十歳で命燃え尽きるまで、三万点以上の作品を生み出した孤高の絵師・葛飾北斎の生涯を初めて描いた作品。北斎の青年期を『誰も知らない』(04)にて、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を日本人初、史上最年少で受賞した柳楽優弥が演じ、老年期を舞踊家としても世界から高い評価を受ける田中泯が演じています。

腕はいいが、食うことすらままならない生活を送っていた北斎に、ある日、人気浮世絵版元(プロデューサー)蔦屋重三郎が目を付けます。しかし絵を描くことの本質を捉えられていない北斎はなかなか重三郎から認められず、さらには歌麿や写楽などライバル達にも完璧に打ちのめされ、先を越されてしまいます。何のために絵を描き、なぜ絵を描きたいのかともがき苦しみ、生死の境まで行き着き、大自然の中で気づいた本当の自分らしさ。北斎は重三郎の後押しによって、遂に唯一無二の独創性を手にします。

そして70歳を迎えたある日、北斎は脳卒中で倒れ、命は助かったものの肝心の右手に痺れが残ります。それでも、北斎は立ち止まらず、旅に出て冨嶽三十六景を描き上げるのでした。そんな北斎の元に、運命的な出会いを果たし、良きパートナーであった戯作者の柳亭種彦が幕府に処分されたという訃報が入り、信念を貫き散った友のため、怒りに打ち震える北斎ですが、「こんな日だから、絵を描く」と筆をとり、その後も生涯、ひたすら絵を描き続ける。描き続けた人生の先に、北斎が見つけた本当に大切なものとは…?

このように、北斎が幾つになっても絵への熱い情熱を注ぎ、新しいことにチャレンジする姿や、日本のみならず世界で活躍する姿は田中泯さんの役者としての活躍にも通ずる部分が見えてくるでしょう。映画『HOKUSAI』を鑑賞する前にこれらの作品を観ておけばより一層本作を楽しめるはず! ぜひご注目を。

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