引用・拡散すると「情報戦」に加担!? ロシア政府系メディア『スプートニク』とは?

Yahoo!ニュースなどポータルサイトにも配信している『中日スポーツ』が、2021年3月11日に『米国がウクライナで「日本の731部隊似」の研究 露通信社報じる』という記事を掲載。現在ロシアに侵攻され激しい戦闘が行われているウクライナで生物兵器の研究がされており、アメリカが資金提供をしているとロシア軍高官が主張しているという内容で、タイトルにある「露通信社」とはロシアの『スプートニク(SPUTNIK)』のことになります。

『スプートニク』は、2014年11月に設立。ソビエト情報局をルーツとする国際通信社『RIAノーボスチ』と国際放送局『ロシアの声』がロシア大統領令によって2013年12月に合併して設立された『ロシアの今日(Ross?ya Sev?dnya)』が親会社で、外国読者向けに30カ国語のニュースサイトを運営。日本語版は2015年3月に開設されています。

ロシア政府の意向が色濃く反映されるメディアと考えて差し支えない『スプートニク』ですが、2016年のアメリカ大統領選挙では世論扇動により選挙に介入したとしてTwitter社より広告出稿を禁止されており、2017年のフランス大統領選挙でもエマニュエル・マクロン大統領からプロパガンダだと名指しで批判されています。EUでは2021年2月よりフェイクニュースや陰謀論を配信しているとして禁止措置を講じており、GoogleもEU域内で検索結果から『スプートニク』のコンテンツを削除しています。

21世紀に入ってから、正規戦・非正規戦・サイバー戦・情報戦を組み合わせた「ハイブリッド戦争」が行われており、2014年のロシアによるクリミア併合で注目されました。『スプートニク』のコンテンツは、この情報戦の一翼を担っている可能性があり、コンテンツに触れる際には注意が必要。また、仮にSNSなどでの引用・拡散をした場合、「戦争」に手を貸したと見なすことができるかもしれません。

なお、『中日スポーツ』の記事は既に自サイト・各ポータルサイトから削除されています。

(執筆者: ふじいりょう)