「ロシアの傀儡政権と話をする準備ができている」 独財務大臣の開戦前ウクライナ支援反対発言に失望の声

2022年2月24日にロシア軍が開始したウクライナへの軍事侵攻は、防御側の頑強な抵抗により、未だに主要都市の陥落に至っておらず、一部ではウクライナ軍が反撃に転じていると報道されています。

そんな中、ウクライナの独立系英語メディア『キーウ・インディペンデント(The Kyiv Independent)』は、ドイツの財務大臣が開戦前に「ウクライナは数時間以内に倒れる」「ロシアの傀儡政権と話をする準備ができている」と話したとツイートしています。

Ambassador says German minister was against helping Ukraine following invasion.

Ukraine’s Ambassador to Germany Andriy Melnyk said that German Finance Minister Christian Lindner thought Ukraine would fall within hours and was ready to talk to a Russian-installed puppet regime.

(大使はドイツの大臣が侵略時にウクライナを支援することに反対したと述べた)

(ウクライナの駐独大使アンドリー・メルニック氏は、ドイツのクリスティアン・リントナー財務大臣がウクライナが数時間以内に倒れると考えており、ロシアの傀儡政権と話をする準備があると述べたと話した)

『キーウ・インディペンデント』の記事では、メルニック大使はドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』に語ったとされ、ドイツ財務省はこれを否定したとあります。一方、Twitterでは「リントナー財務大臣はコメントの求めにすぐには答えなかった」と補足しました。

ドイツをはじめとするEU各国は、エネルギー資源をロシアの天然ガスに大きく依存。イギリスの石油関連企業BPの統計によると、2020年にロシアがパイプラインで外国へと送った天然ガスのうち、84.8%が欧州向け。EU全体では天然ガスの約40%をロシアに頼っており、特にドイツは55.2%と依存度が高くなっていました。他にもドイツは原油の約34%、石炭の約26%をロシア産が占めています。このため、開戦前にドイツはロシアへの制裁やウクライナへの支援に消極的だとみなされていました。

リントナー財務大臣のものとされる発言については「恥ずかしい」「彼はひどい間違いをした」「沈黙や共謀を許せることも忘れることもできない」という失望や非難の声や「ロシア流ジョークだな」といった皮肉があった一方で、「でも世界中のほとんどの人がウクライナがすぐ降伏すると思っていたよ」という意見も上がっていました。

アメリカはロシアからの天然ガスの禁輸に踏み切っていますが、EUはエネルギー禁輸措置を打ち出していません。ドイツのショルツ政権はロシアからの海底パイプライン『ノルドストリーム2』の稼働許可申請の手続きを停止しましたが、ロシア政府の中には天然ガス供給の停止をちらつかせる発言もあり、ドイツとしては今後も難しい舵取りを迫られるのではないでしょうか。

Ambassador says German minister was against helping Ukraine, thought it would fall within hours.(The Kyiv Independent)
https://kyivindependent.com/uncategorized/ambassador-says-german-minister-was-against-helping-ukraine-thought-it-would-fall-within-hours/ [リンク]

※画像はTwitterより
https://twitter.com/KyivIndependent/status/1508773288885080069

(執筆者: ふじいりょう)