フィンランド企業が合成開口レーダー衛星をウクライナに提供 天候を問わずに地上観測が可能

ウクライナは、2022年8月18日にフィンランドの人工衛星企業ICEYEから、合成開口レーダー(SAR)衛星の画像提供の契約を締結。ICEYEが運用する衛星群21基のうち1基はウクライナ政府が自由に使用できるように譲渡され、そのほかの衛星群からのレーダー衛星画像を受信することができるようになるとしています。

今回の契約締結には、テレビ司会者のセルヒー・プリチュラ氏がBAYKARの無人機TB-2の購入資金をクラウドファンディングしたことが発端。わずか3日で2000万ドルを調達し、これを受けてBAYKARは無償でのTB2を提供を発表したため、SAR衛星の購入につながりました。

合成開口レーダーは、悪天候でも地球の表面を捉えることが可能で、ウクライナ上空を1日2回通過。また、解像度は0.5〜1メートルとされており、実際にICEYEから提供されたケルチ海峡にかかるクリミア大橋の画像はかなり鮮明です。

プリチュラ氏は、「この合意は、重要な地球観測データへのウクライナ政府の緊急の要求に対応するための重要な一歩であり、私たちの軍隊に大きな利益をもたらす」と述べており、「今後、HIMARSや榴弾砲などの攻撃手段がより効果的に敵を破壊できるようになる」とデータリンクによる精度向上を示唆しています。

現在、ロシアからの侵攻を受けているウクライナは、主に南部ヘルソン州やロシア占領下のクリミア半島の軍事施設への攻撃を行なっており、クリミア大橋付近にも無人機による攻撃が試みられたと見られています。この衛星の存在が戦局にどのように影響を及ぼすのか注目されるところです。

ICEYE Signs Contract to Provide Government of Ukraine with Access to Its SAR Satellite Constellation https://www.iceye.com/press/press-releases/iceye-signs-contract-to-provide-government-of-ukraine-with-access-to-its-sar-satellite-constellation [リンク]

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