三吉彩花の直談判も虚しく…前評判の高かった映画「ダンスウィズミー」は残念な結果に

 8月16日に封切られた三吉彩花(23)主演の「ダンスウィズミー」(矢口史靖監督[52])は、公開3週目から映画館はすでにガラガラ、4週目に入った現在、都内では1日1回しか上映しない劇場もかなり出始めている。

 前評判が高かっただけに、大コケとの声も上がっている。主演を務めた三吉彩花の胸中や如何に。

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 矢口史靖監督と言えば、「ウォーターボーイズ」(2001年:興行収入9億2000万円)で妻夫木聡(38)を、「スウィングガールズ」(04年:21億5000万円)で上野樹里(33)をスターの座に押し上げた実績の持ち主だ。業界関係者は言う。

「最近の邦画はベストセラーの原作漫画にスターを合わせた作品ばかりですが、矢口監督は自身が考えたオリジナル脚本にこだわる人です。なので、脚本に合った役者をオーディションで見つけることから始まります。『ウォーターボーイズ』は男子生徒のシンクロナイズドスイミングでしたし、『スウィングガールズ』は女子生徒のスウィングジャズビッグバンドですので、選ばれた役者たちは猛特訓をしてクランクインするわけです。今回の『ダンスウィズミー』も同じ。催眠術をかけられ、音楽を聴くと体が勝手に踊り始め、歌わずにはいられなくなるというミュージカルコメディの主演に選ばれたのが、モデルで女優の三吉彩花でした。モデル出身ということもあり、高い身長に長い手足は、ミュージカルにはピッタリ。吹き替えなしとのことで、かなり練習を積んだこともあり、前評判も高かったのですが……」

 例えば、朝日新聞はこう報じている(註:以下、引用は改行を省略)。

〈少女から大人の女性へ。映画を見ていると、時々そんな瞬間に立ち会える。「旅立ちの島唄〜十五の春」で中学生を演じていた彼女が、6年ぶりの主演映画「ダンスウィズミー」で見事の変貌を遂げていた。日本では珍しい本格的ミュージカルだ。元々背が高かったが、「さらに伸びました」と笑う。手足がスラリと長く、歌い踊る姿が映える……〉(「朝日新聞」8月2日付夕刊)


■私、何でもやります!


 しかし、公開されるや、初週のランキングは10位止まりで、翌週には早くも姿を消した。9月上旬の時点で、都内ではろくにスクリーンにかけられない状態となっている。ヒットメーカーの矢口作品とは思えぬが、

「公開2週目でかなり上映回数は減っていましたね。実際、宣伝にも多く使われていたミュージカルシーンは前半のみで、後半はグダグダでしたから、映画ファンは正直ですよ。ただ、“客足が伸びなかったのは、宣伝活動が足りなかったのでは”という声も上がっています。矢口監督はこれまで、東宝と組むことが多かったのですが、今回は初めてワーナー・ブラザース映画と組んだ。宣伝はワーナー作品を多く扱う会社だったのですが、そもそも宣伝予算が少なかったとも言われています。それにキャストが弱かった。ヒロインの三吉の他は、ムロツヨシ(43)と宝田明(85)、それに“芦田愛菜だよっ”のものまねで一躍売れた、やしろ優(32)、あとは三浦貴大(33)くらいしかいません。通常、メジャーが本気になって作品を撮る時には、契約に宣伝活動が組み込まれていて、それを含めての出演料となります。今回はそうした契約にはなっていなかったのでは。制作費は1〜2億円と言われています。興収は3億円いけばいいほうでは……」(同・業界関係者)

 もちろん三吉も、バラエティや情報番組に出演して、宣伝に勤しんではいた。

「やはり三吉では知名度が足りません。かといって、往年のミュージカル俳優・宝田明では誰に見せたい映画なのか分からなくなりますし、顔の売れているムロならばいいのでしょうが、主演ではありませんから好き勝手にしゃべらせるというわけにもいかない。結局、三吉とムロのコンビで出演したりもしましたが、世代も違うので噛み合っていませんでした。また、公開直前イベントでは、矢口監督とものまね芸人の“りんごちゃん(31)”という妙なコンビでした」(同・業界関係者)

“りんごちゃん”は出演していないのだ。同じものまねなら、作品内で三吉とバディを組んだやしろを出すべきではなかったか? そんな不満も溜まったのだろう。ワーナーに直接乗り込み、直談判に及んだというのが、三吉本人である。

『何で宣伝やってくれないんですか? 私、何でもやります!』

「所属事務所に言うならともかく、配給元に直談判とは聞いたことがないですね。いい根性だと思います。モデルから女優へと転身を図っているところですから、必死だったのでしょう」(同・業界関係者)

 来年は主演映画2本の公開がすでに決まっているそうなので、今度こそ宣伝に力を入れてもらうべきだろう。本人にしてみれば、「私がもっと宣伝していれば、こんなはずじゃなかった」と思っているに違いない。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月11日 掲載

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