極秘セックステープがネットで拡散!『パム&トミー』 セレブゴシップの闇とサイバーポルノの恐怖

極秘セックステープがネットで拡散!『パム&トミー』 セレブゴシップの闇とサイバーポルノの恐怖
『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

■セバスタが自分の◯◯◯と会話!

芸能人のマル秘映像流出! みたいなゴシップはインターネットの普及以前から野次馬の目を惹いてきたが、なんと実際に起こった“ある流出事件”でドラマ作品が丸々1本できあがってしまった。パメラ・アンダーソンとトミー・リーによる90年代最大のセックステープ事件が当時どれほどインパクトの大きいものだったのか、数十年を経て改めて思い知らされるのがディズニープラスのスターで独占配信中の『パム&トミー』だ。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

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物語の舞台となるのは、パメラがTVドラマ『ベイウォッチ』(1989〜2001年)で一斉を風靡し、主演映画『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』(1996年)の公開を控えていた90年代半ば。トミーは所属するバンド、モトリー・クルーの人気が低迷していた時期で、(Netflix『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』[2019年]で描かれたとおり)女優のヘザー・ロックリアと離婚した直後でもあったはずだが、一点の曇りもないヒャッハーぶりである。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

第1話を観てまず驚かされるのは、パメラを演じたリリー・ジェームズの変身ぶりだ。『ベイビー・ドライバー』(2017年)の可憐な姿からは想像できない、セックスアピールの塊みたいだった当時のパメラに完全になりきっている。セバスチャン・スタン演じるトミーは顔の骨格からして違うのであまり似ていないが、常に半裸の刺青セバスタを拝めるのは単純に嬉しい。ハイになって自分のチ◯コと会話するシーン(アニマトロニクスの無駄使い)などは、難しい顔でウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズを演じていた男とは思えないバカバカしさである。ともあれ二人の姿は、俳優が実際に裸を晒す必要はないのだということも示していて、今後の規範になるかもしれない。

「パム&トミー」(c)2022 Disney and its related entities

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とにかくパメラが気の毒な怒涛の前半戦

本作は2022年2月2日に初回の3話が配信され、第1話では電気技師ランド・ゴティエ(セス・ローゲン)がテープを手に入れるに至った過程が描かれる。ランド視点でパム&トミーのキャラ設定や関係性が分かる構成になっていて、特にトミーのオラオラっぷりを強調。とはいえランドも手に職は持っているものの頑張りどころを完全に間違っているボンクラで、野次馬側としてはダメ男たちと関わってしまったパメラのことがひたすら気の毒になってくる。ちなみにランドも実在の人物だが、セスとは全く似ていない。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

少し時間を遡りパム&トミーの出会いから結婚までを描く怒涛の第2話を経て、ランドがポルノ業界で働く旧友ミルティ(ニック・オファーマン)を誘ってセックステープで一攫千金を企てる第3話は、ジェーン・フォンダへの憧れを語るパメラの姿にホロリとさせられる。ポルノ制作会社<ビビッド・エンターテイメント>も登場するが、同社が後にキム・カーダシアンのセックステープを販売し裁判に発展したことを記憶している人もいるだろう。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

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そして第4話では、パメラの妊娠とテープ盗難の発覚という、まさに天国と地獄な展開に突入。「まるでレイプされた気分」と取り乱すパメラと微妙に当事者意識が欠如しているトミーが、とっくに世界中にコピー販売していたランド&ミルティと再び接近し、そこに腕っぷしで評判の探偵や荒くれバイカーたちも合流することでバイオレンスの気配が漂ってくる。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

なお本作には、かつて一斉を風靡したポルノ映画『ディープ・スロート』(1972年)のプロデューサーだった、というマフィアも登場する。彼から資金を得たランド&ミルティによって流出ビデオがインターネット(もちろんISDN接続)によって世界中に広がっていく顛末は、70年代ポルノ業界の栄枯盛衰を描いた『ブギーナイツ』(1997年)と、ポルノサイトのクレカ決済システムを描いた『ミドルメン/アダルト業界でネットを変えた男たち』(2009年)を繋ぐ物語とも言えるかもしれない。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

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インターネットが“流出”を加速する

2月17日に配信された第5話ではアラニス・モリセットやスリーター・キニーの曲が流れ、ぜんぜん似てないサード・アイ・ブラインドが登場し、ジェイ・レノの番組のゲストはグー・グー・ドールズという、時代の変化を強調。トミーは自分(モトリー・クルー)が過去の存在になったことを突きつけられて凹むが、彼が1999年にラップメタルバンド、メソッズ・オブ・メイヘムを結成して再ブレイクを果たすことはご存知の通りだ。

セックステープの映像を使用している「Get Naked」のミュージックビデオを改めて観ると、グランジ勢に押されて知名度/影響力が下降していたトミーが復活できたのは、この流出事件を始めとする“お騒がせセレブ”的なトピックのおかげだったのでは? という気もしてくる。

かたやパメラは、テープ流出が女優としての活動に悪影響を与えることを恐れて狼狽。バラエティ番組でネタにされるのはパメラばかりで、二次被害の度合いにも性差があることが描かれる。彼女はポイズンのブレット・マイケルズとのセックステープ(トミー以前に撮影されたもの)も後に流出してしまったりと本当に気の毒なのだが、第5話は二人の関係に致命的なズレが生じた状態で幕を閉じる。

配信から3週目にして全8話の折り返し地点を過ぎ、<ペントハウス>のボブ・グッチョーネや<プレイボーイ>のヒュー・ヘフナーら業界の大物を筆頭に、コメディアンからジャーナリストまでテープ流出に乗っかろうとする輩が続々登場。ここから一体どんなヤバい展開になっていくのか、がぜん目が離せない。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

パリス・ヒルトンにジェニファー・ロペス、コリン・ファレルなどなど、セックステープ流出はセレブカップルの格差問題やドロドロした駆け引きも絡む、ゴシップ誌にとっては長いこと引っぱれるオイシいネタではある。しかし、ハルク・ホーガンの流出事件に端を発するドキュメンタリー映画『メディアが沈黙する日』(2017年:Netflix)でも描かれているように、かつては公開する側にとっても大きなリスクを伴う危険なネタだった。それが今や芸能人から一般人まで、いつどこで見知らぬ誰かによって流出〜公開されてもおかしくない時代になってしまったのだから、本当に恐ろしいことだ。

『パム&トミー』(c)2022 Disney and its related entities

本作がベースにしているのは、2014年に<ローリング・ストーン>に掲載された衝撃的な記事。ランドの証言が盛り込まれたこの記事はなんともドラマチックで、たまにしょうもない下ネタを挟みつつ、豪放なセレブ夫婦とポルノ男優経験もある電気技師、そしてテープを巡る様々な人物の数奇な半生が綴られていて読み応え満点だ。だが8話構成の贅沢なこのドラマ版は、扇情的なメディアや潜在的な性差別など、2022年現在も解消されていない様々な問題をも浮き彫りにする。「パムとトミーのセックステープ」は単なるセレブゴシップにとどまらず、00年代以降のあらゆるインターネットカルチャー/サイバーポルノの(良くも悪くも)先駆けとなり、それらに関わる法律や条例制定のきっかけともなったのだ。

『パム&トミー』はディズニープラスのスターで独占配信中

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