リメイク版も見どころは柳生十兵衛 VS 黄泉がえり剣豪軍団!『魔界転生』と“世にも奇妙な”心霊スポット名城めぐり

リメイク版も見どころは柳生十兵衛 VS 黄泉がえり剣豪軍団!『魔界転生』と“世にも奇妙な”心霊スポット名城めぐり
『魔界転生』DVD発売中
3,080円(税込)
発売:KADOKAWA 販売:東映・東映ビデオ

■名将・島左近と桐畑家

いきなりだが、私の一番好きな戦国武将は「島左近」という武将だ。この武将は浪人時代、いろんな大名がスカウトに来るのだが、どれも断っていた。しかし、豊臣秀吉の家臣・石田三成が自分の所領の半分を差し出すとの申し出に感銘を受け、親子ほど歳の離れた三成の軍師として家臣になる。そして1600年、関ヶ原の戦いで勇猛果敢に戦い、主君の三成を逃し、自分もどこかに落ち延びたと言われている。私は、そんな島左近が大好きなのだ。話は変わって10年以上前、私は事務所の先輩で、兄貴分である浅草キッドの玉さんと夜な夜な飲み歩いていた。そして中野駅北口の昭和新道という飲み屋横丁の、とある一軒のスナックに二人で飛び込んだ。初めて入ったそのスナックの60代のママさんが、ボックス席に座るやいなや、私を見て「あなたの後ろに水牛のような角の兜をかぶった武将さんが守護霊様で憑いてるわね!」と言ってきたのだ。そう、この店のママさんは霊的なものが見えるママさんだったのである。もちろん私が戦国オタクだとは一言も言っていない。このママさんが言うには、守護霊様はたいがい本人のご先祖さまとのこと。なるほど、だから私は戦国時代が大好きなのだな、と酒を飲みながら思った。そして私は、そのご先祖さまの守護霊が島左近だったらいいな〜なんて思いながらグラスを傾けていた。
映画『関ヶ原』 知っておきたい予備知識! 義の武将 石田三成(岡田准一)vs 老ダヌキ 徳川家康(役所広司)
そこから話しはさらに遡って、私が中学3年の時のお盆。我が実家では家族全員で、歩いてすぐのところにある桐畑家のお墓をお参りし、そこで点けたロウソクの火を提灯にして自宅に持ち帰り、仏壇のロウソクに火を移すことでご先祖さまが帰って来られた、とする風習があった。そして次の日、近所の檀家のお寺のお坊さんが仏壇にお経をあげに来てくれ、その後お供物のナスや果物を川に流して、ご先祖さんが帰って行かれたとするのが毎年の恒例だった。そんな中3のお盆、お坊さんがお経をあげて、最後の方に我が家のご先祖さまの戒名をざっと読み上げてくれる。我が家は本家ということもあって、かなり古い時代からのご先祖さまの戒名が多数あり、多くのご先祖様の戒名を読み上げてもらっていた。お経が終わってお坊さんが帰った後、母に「うちの家は代々継いている家なんだなぁ〜」と言うと、「でも、ひいおじいちゃんはよそから入った養子よ」と言う。初耳だった。詳しく聞いてみると、その昔、明治時代に我が家には跡継ぎがなく、滋賀と岐阜の県境の山奥にある奥川並(おくかわなみ)という、現在では誰も住んでいない集落から一人の子供が養子に入ったそうなのだ。しかし、この子は勉強ができたそうで、大きくなると東京の大学に進学し、そのまま東京に就職してしまった。それでは養子に入った意味がないということで、この人の弟がもう一度、我が家に養子で入った。その人が私のひいおじいちゃんなのだ。そんな話を覚えていた私は、大人になってから戦国時代にハマり、島左近という武将が大好きになって、ネットで島左近について調べていた。すると、ある記事に島左近が関ヶ原の戦いの後、滋賀の山奥の集落、奥川並に落ち延びたという説が載っていた。私の大好きな島左近が、私のひいおじいちゃんの出身地に落ち延びている可能性がある!?もちろん色々ある説の一つだが、私は興奮した。もしかすると島左近の子孫がうちのひいおじいちゃんで、そのひ孫の私に憑いているご先祖さまの守護霊は島左近ではないのか? しかし、そんなことは今となっては調べようがない。私の守護霊さまが島左近だったらいいな……で終わる話かと思いきや、ここでは終わらない。ついこの間、うちの親父の弟、つまり私の叔父さんにこんなことを聞いた。「そういえば我が家に最初に養子に入った、ひいおじいちゃんのお兄さんの子孫の方々は、東京にいらっしゃるんだよね。苗字は何なの?」「もう最近はそんなに親戚付き合いはないけど、たしか……“島”だったかな」――これは嘘のような本当の話である。さて、そこで今回は戦国時代ではないが、あの世から人が蘇るSF小説を原作に持つ時代劇、『魔界転生』をご紹介しよう。しかも今回は、2003年のリメイク版をおすすめしたいと思う。

■柳生十兵衛vs魔界転生剣豪チームという夢のカードが実現!

『魔界転生』は1981年に山田風太郎の小説を原作に映画化され、2003年にリメイク版が公開された。江戸時代初期、島原の乱でキリシタンの代表であった天草四郎が討ち取られるが、数年後、徳川幕府の転覆を目論む天草四郎が魔界から復活。そこに立ち向かうのが、柳生十兵衛! という、分かりやすい勧善懲悪のストーリーとなっている。

1981年版『魔界転生』では、私の敬愛する千葉真一さんが柳生十兵衛を演じ、天草四郎をジュリーこと沢田研二さんが演じていた。こちらも何度も見て面白いのだが、今回2003年版を初めて見てみたらこちらも大変面白かったので、是非ここでおすすめしておきたい。
【追悼】千葉真一が「隻眼の剣豪」を演じた超豪華時代劇アクション『柳生一族の陰謀』と苛烈な戦国トリビア
まず映画冒頭、81年版では描かれなかった、島原の乱での戦闘シーンに戦国好きのハートが鷲掴みにされる! このシーンで島原城として撮影された場所が、兵庫県にある竹田城。最近では、年に数回だけ雲海の上にお城の石垣が浮かび上がることから“天空の城”として人気を博し、多くの城好きが押し寄せる大人気のお城なのだ。この城の石垣に登り、攻め寄せる徳川の幕府軍と、城に立て篭もり迎え撃つキリシタン。映画の掴みとして戦国好きにはどハマりのシーンだ。そして、これも前作では描かれなかった部分だが、窪塚洋介さん演じる天草四郎が魔界から何人かの剣豪たちを蘇らせるシーン。剣豪たちが生贄の女性の身体を突き破って出てくる描写は、グロテスクでおどろおどろしいものの、この演出は原作小説に近いものがあり、これまたいい。しかし何といってもこの作品のメインは、佐藤浩市さん演じる柳生十兵衛が、魔界から転生してきた剣豪たちと戦う夢のカードである。槍の使い手・宝蔵院胤舜や、二刀流の宮本武蔵、そして十兵衛の父親で徳川幕府の剣術指南役だった柳生宗矩との一騎打ちなどなど、プロレスの興行で言えば正月の東京ドーム大会のような好カードが目白押しなのだ。そしてこの作品で驚いたのが、幕府を転覆させるために魔界から蘇らせる人物の中に、誰もが知っているであろう“あの戦国武将”がいるのだ。この、まさか! の演出には私も驚いたが、いったい誰が転生するのか、ぜひ本編をご覧になっていただきたい。
アカデミー賞受賞の黒澤明『乱』 4億円のセットを炎上させ一発撮り!? 信長や信玄の戦国時代“兄弟”トリビアも

■不思議な“何か”に呼ばれて八王子城めぐり〜世にも奇妙な戦国小咄〜

さて、今回は戦国雑学ではなく私が体験した話を書こうと思う。今から十数年前のこと、すっかり戦国オタクになっていた私は、仕事やプライベートで全国のお城や古戦場に行きまくっていた。しかし東京に住んでいながら、都内にある八王子城址には行ったことがなかった。このお城は戦国時代には北条氏の支城で、北条氏康の三男、北条氏照が本拠としていた。豊臣秀吉の天下統一の総仕上げで、北条方の本拠の小田原城を取り囲み持久戦が展開されたのだが、その戦いの前哨戦で八王子城は、戦国時代の有名武将、前田利家、上杉景勝、真田昌幸らのオールスターが攻め寄せた場所でもある。つまり、戦国好きなら一度は行ってみたいお城の一つなのだ。ただ、このお城はこの戦いで領民を加えた約3000人が籠城し、ついに落城すると氏照の正室や城内の婦女子たちが滝に身を投げて命を落とした場所として、オカルトの世界では心霊スポットとしても有名な場所でもある。しかし、そんなことは戦国好きには関係ない。夜中の肝試しに行く訳ではないのだから。私はある時から、このお城に無性に行きたくて行きたくて堪らなくなっていたのだが、ちょうど梅雨の時期だったため機会を失っていた。そんなある日、翌日の天気予報を見ていると、梅雨の中休みで雨が降らないという。これはチャンス! と戦国好きの友達に連絡し、朝イチで八王子城址に向かうことに。朝5時に起きてオートバイで向かおうと家を出ようとした時、なぜかふとお線香を持って行こうと思い立ち、バッグに入れていくことにした。友達をバイクの後ろに乗せ、さっそうと八王子城址に法定速度内でかっ飛ばした。日曜日ということもあって道は空いており、朝の7時には八王子城址の麓に到着した。まだ管理棟は開いておらず、案内板を頼りに山を登りはじめる。八王子城址は典型的な山城だが、大人なら40分もあれば登れるであろう山頂に城址があるのだ。私たちは途中、曲輪や土塁などの景色を見ながら、写真も撮りつつ山頂を目指した。なかなかの山の上なので、景色は最高だった。そして一番大きな曲輪に到着し、そこには大きな石碑もあったので、そこでお線香に火を着け手を合わせた。そして十二分に城址を堪能し、お昼前には下山。すると管理棟が開いていたので、中に入って八王子城のパンフレットを手に取り読み始めた。そこには八王子城の歴史が書かれており、さらに衝撃の事実を知ることになる。なんと八王子城が落城したのが、まさにその日だったのだ!なぜか無性に行きたくなり、たまたま梅雨の晴れ間に予定が合い、そして訪れた八王子城。戦国好きの私は何方かに呼ばれたのかもしれないと、そう思ったのだった。信じるか信じないかは、あなた次第……。文:桐畑トール(ほたるゲンジ)『魔界転生』(2003年)はDVD発売中、U-NEXTほか配信中

関連記事(外部サイト)