サイコだけど最強!? 多重人格ヒーロー『ムーンナイト』基本設定解説! 今後のMCU作品への伏線は?

サイコだけど最強!? 多重人格ヒーロー『ムーンナイト』基本設定解説! 今後のMCU作品への伏線は?
『ムーンナイト』©2022 Marvel
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)×ディズニープラスの『ムーンナイト』。僕の周りでもハマる人が続出中です。全6話のうち4話まで配信され(2022年4月22日時点)、残すところあと2話となりましたが、この記事が掲載される頃にはシーズン1が完結しているでしょう。ということで今回は、以下の4構成でお届けします。
・そもそもムーンナイトとはどういうヒーローか?・ドラマ『ムーンナイト』がユニークな理由・第4話までの気になるところ・これからのMCUとのリンクの可能性

■ムーンナイトとは?

ムーンナイトはMOON KNIGHT、つまりナイトは夜ではなくKNIGHT。“月の騎士”という意味です。その名の通り月に由来するヒーローなんですね。ちょっとルックスが日本の月光仮面にも似ていますが、月光仮面はふつうの人間なのに対し、ムーンナイトは月の神コンスの力を得た、スーパーナチュラル系のヒーローなんです。エジプトで仲間に裏切られ、瀕死の状態になった傭兵マークが月の神コンスと契約し、コンスのアバター(化身)として蘇った姿がムーンナイト。このコンスというのはエジプトの神々の一人で、復讐を司る神です。月夜の時はほぼ不死身で、超人的な身体能力を持っています。三日月型の手裏剣=クレセント・ダーツを武器として使います。

もともとこのキャラは1975年に刊行された「ワーウルフ バイ ナイト」というコミックでデビューしました。ワーウルフ=人狼というタイトルからもわかる通り、狼男を主人公にしたホラーアクション。主人公の狼男を倒す傭兵としてムーンナイトが登場。狼男は月夜に変身するモンスターで、月の魔力によって生まれたモンスターですから、月に由来するムーンナイトが狼男を討つために派遣されるわけです。「ワーウルフ バイ ナイト」は狼男が主人公=ヒーローなわけですから、このコミックではムーンナイトはヴィランというわけです。ぶっちゃけ、このコミックでは脇役だったのですが、このキャラに可能性を感じたクリエーターたちが彼を主人公にしたコミックをスタート。それが現在のムーンナイトです。このキャラがユニークなのは、マークが解離性同一性障害(多重人格)という設定です。また、その後のコミックでは頭の中にスパイダーマン、ウルヴァリン、キャプテン・アメリカの人格もいるという設定も出てきて、ちょっとサイコなヒーローなわけです。なお「ワーウルフ バイ ナイト」もディズニープラスでハロウィン用の特別プログラムとしてドラマ化されるとの噂です。

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■ドラマ『ムーンナイト』がユニークな理由

『ムーンナイト』はMCU×ディズニープラスの6作目のシリーズとなりますが、過去5作がそれまでのMCU映画の続編的な位置づけ、要はおなじみのヒーローたちの“その後”が描かれる楽しさがあったのに対し、本作は完全に新ヒーローのデビューを描きます。言い方を変えれば、過去のMCU映画を知らなくても楽しめる作品になっているんですね。

そして、上手いなと思ったのは主人公を“スティーヴン”にしたことです。コミックでは傭兵マークが主人公であり、別人格の一人に“スティーヴン”という人物がいる、という感じでした。しかし、このドラマは平凡なスティーヴンという男が身に覚えのない=それは彼の別人格であるマークや、マークが変身したムーンナイトがしでかした冒険にまきこまれていく……という展開になっています。

見ている方としては、傭兵マークよりも気弱なスティーブンの方が感情移入しやすい。映画で言うと『メメント』(2000年)や『ファイト・クラブ』(1999年)、そして『トータル・リコール』(1990年)的な面白さがあるのです。これが成立しているのは、なんといっても主人公を演じるオスカー・アイザックの演技が素晴らしいから。心優しいスティーヴンと、タフガイのマークをうまく演じ分けています(日本語吹替版で主人公の声を演じている関智一さんの演じ分けも見事!)。

こうしたドラマの完成度に加えて、とにかくムーンナイトがヒーローとしてかっこいい。原作通りの白いコスチュームなのですが、このドラマではよりエジプト感を増して、ミイラの包帯のようなテイスト。それがヴェノムのように彼の体を包み込みヒーローとして参上するという、まさに変身ヒーローなのです。そして元々が復讐の神のアバターですから、かなり荒っぽいアクションで楽しませてくれます。

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■第4話までの気になるポイント

※以下、物語の内容に触れています。ご注意ください。第1話は非常にミステリアスな幕開け。しかし第2話、第3話でかなりテンポよく話が進みます。イギリスの博物館で働くエジプト神話オタクの男・スティーヴン。彼はある事件がきっかけで、自分が多重人格者であることを知ります。彼のもう一つの人格はアメリカ人の凄腕傭兵マークであり、しかもそのマークは月の神コンスのアバター、ムーンナイトに変身する力を持っています。そしてスティーヴンは、いやおうなしにマーク/ムーンナイトが関わっている事件に巻き込まれてしまいます。

マークは、カルト教団のリーダーであるアーサー(演じるのはイーサン・ホーク)と戦っていました。アーサーもかつてコンスのアバターでしたがコンスと決別し、新たなエジプトの神を復活させようとしていたのです。その神の名はアメミット。実は、コンスもアメミットも悪を赦さない神様なのですが、コンスは罪を犯した悪人を制裁する復讐の神。しかしアメミットは将来的に悪行をなすと判断した人間を、その時点で粛清しようとします。つまり犯した罪で裁くのがコンス。これから犯すであろう罪で裁くのがアメミットです。

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アーサーは、この世界の平和のためにはアメミットの方が正しいと思っていて、アメミットを復活させようとしているわけです。マーク(とコンス)はアーサーの野望を止めるために戦っていたのです。ここに、マークの元妻で考古学者の父を持つレイラや、闇の考古物ブローカー、アントン・モガート(演じているギャスパー・ウリエルの遺作になってしまいました)、エジプトの神々が登場。さらにレイラの父の死の真相にマークが関わっていたり、マークとスティーヴンの知らない“もう一つの人格”が目覚めたり、さらにマークの時にコンスの力を得るとムーンナイトになるが、スティーヴンの時にはミスター・ナイトという別のヒーローになる等、様々な設定が絡んできます。

と、ここまで順調に進んで、第4話はまさかの展開に。前半はアメミットの最後のアバターがアレキサンダー大王だったことが分かり、ピラミッドの中でミイラが襲ってきたりと、まるで「インディ・ジョーンズ」のような伝奇冒険物なのですが、後半はマークとスティーヴンの脳内=精神世界の話(『レギオン』[2010年]みたい)なのです。なお最後に出てきたカバさんは、エジプト神話の神タウエレト。第1話でスティーヴンがこのぬいぐるみの棚卸をやっていましたね。ウィキによると出産と家庭の神だそうですが、この神様が出てきた理由とは……?
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■MCUとリンクする可能性は!?

さきほど“今までのMCUとのリンクが少ない”と書きましたが、今後のMCUにつながるであろう伏線がいくつか出てきました。まず、エネアドと呼ばれる“エジプト九柱の神々”という集団の存在。マイティ・ソーが北欧神話の神々をベースにしているように、このエネアドもちゃんとマーベルのコミックに登場します。また、彼らは『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年)で語られた不思議の村ターローともリンクしており、今後のMCUにも登場する可能性もあります。おそらく、様々な神々が登場する『ソー:ラブ&サンダー』(2022年7月8日公開)ともリンクするかな?

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