ク・ギョファンに注目! 韓国「プチョン映画祭」ソル・ギョング、ミンホ、キム・ジェヒョンら登壇!! 3年ぶりのリアル開催をレポート

ク・ギョファンに注目! 韓国「プチョン映画祭」ソル・ギョング、ミンホ、キム・ジェヒョンら登壇!! 3年ぶりのリアル開催をレポート
『怪異』:チャン・ゴンジェ監督、ク・ギョファン(BIFAN提供)
3年ぶりに韓国・富川(プチョン)に行ってきた。アジア最大のジャンル映画の祭典、第26回富川国際ファンタスティック映画祭(略称:BIFAN)がお目当てだ。ビザを取り、PCR検査で陰性証明をとり、Qコードという韓国の検疫情報事前登録システムにアップして(これが意外と大変。韓国の滞在先住所を正確に入れるのが難しい)、いざ出発。ソウルから地下鉄で約1時間のベッドタウンであり、人口約90万人の大都市でもある富川。縁あって2006年から取材に行っているが、コロナ禍で過去2回はオンライン上映中心となり、海外からの参加はままならなかった。しかし2022年はほぼ平常通りの開催となり、参加が叶った。

■八面六臂の大活躍! ク・ギョファン登場

BIFANに来るといつも感心するのだが、平日でも観客が多く、特にGV(ゲスト・ビジット)というキャスト、監督の舞台挨拶が設定されている回は完売もしばしば。映画を学ぶ学生も多いため、Q&Aも大いに盛り上がる。中でも大人気だったのが、いま最も旬の俳優ク・ギョファンが登場した回だ。ク・ギョファンはNetflixのヒット作『D.P. -脱走兵追跡官-』(2021年)で、主人公のおかしな相棒ハン・ホヨルを演じブレイク。もともとインディーズ映画界でも人気だったが、ここへ来て『モガディシュ 脱出までの14日間』(2021年)、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020年)など大作でも抜群の存在感を示している。最近では『ウ・ヨンウ 弁護士は天才肌』(2022年)の“こども解放軍”司令官役で話題をさらうなど新作も目白押し。BIFANでも3作品の上映があった。

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まずは配信ドラマ『怪異』(原題)の6話一挙上映。『ひと夏のファンタジア』(2014年)のチャン・ゴンジェ監督が初めて挑んだホラーで、脚本を『新感染 ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホが手がけている。ク・ギョファンが演じるのは考古学者にして怪奇現象ハンター。小さな村で大仏が発掘されるが、別居中の妻をはじめ村人が続々と凶暴化してしまう。恐怖の中にもユーモアがあり、シリーズ化が期待できそう。オカルト描写に、ちょっと日本の「ほん怖」(2022年は8月20日放送ですよ、吾郎さん!)のような、どこか懐かしい風味もある。韓国の配信サイトTVINGの人気作で、2022年には日本でも配信予定。3話ずつ合計208分の上映後、チャン監督、共演のシン・ヒョンビン(『賢い医師生活』[2020年〜]ほか)、キム・ジヨンと登壇したク・ギョファンは、マイボトルを手に登場。「サム・ライミが『007』を撮ったらこうなるのでは、という面白さです。チャン監督の熱さはサウナのよう」と笑わせた。

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さらに自らが監督した短編スリラー『代行運転手 VLOG』(原題)と、イ・オクソプ監督の短編『LOVE VILLAIN(原題)』にも出演。イ監督とは公私に渡るパートナーで、2022年7月29日より公開中の『なまず』ではク・ギョファンは出演、脚本、製作、編集の4役を担当。短編は二人のYouTubeチャンネル<2x9HD>でも見られるので、是非チェックしてみてほしい。

■ソル・ギョング特集上映、キム・ジェヒョン出演の日韓合作など

短編監督として、ムン・グニョンも参加。“国民の妹”と呼ばれた彼女も、監督として『深淵』など無言劇を3本も出品する活躍ぶりだった。韓国では俳優の映画監督への進出は年々増えている印象があるが、映画祭も後押しの一つになっているのだろう。他にも、今年の顔として特集上映が組まれた名優ソル・ギョングが、『名もなき野良犬の輪舞』(2017年)、『キングメーカー 大統領を作った男』(2022年)のビョン・ソンヒョン監督とティーチインを行うと、多くの女性ファンが「99」と書かれたペンライトを持って駆けつけていてちょっと不思議だったのだが、ファンの間で「グック」と呼ばれていることにかけているらしい。

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また、BIFANの常連俳優オ・ジホはサイコスリラー『In Dream』(原題)で珍しく悪役を演じていた。さらにミンホ(SHINee)はクロージング作品の『NEW NORMAL』(原題)に、日本のドラマ『君と世界が終わる日に』で人気になったキム・ジェヒョン(N.Flying)も日韓合作『ゴースト・ステーション』(原題『??? ??』)で、俳優としてそれぞれ登場。

日本からも審査員を務めた原田真人はじめ、三池崇史、廣木隆一らベテランから、金子雅和、中西舞ら若手まで監督を中心に多くの映画人が参加した。

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7月7日から17日の映画祭期間中、韓国では新型コロナの感染者が急増し、毎日スマホにアラートが来るのでヒヤヒヤしたのも事実。日本同様、映画館では皆マスクをつけ、消毒もしているのだが、それでも映画祭スタッフが感染していた。私も会場近くでPCR検査を受け陰性でホッとした。ぜひ来年こそ気軽に行けるようになってほしいが、映画祭のNEW NORMALはまだ手探りなのかもしれない。

取材・文・撮影:石津文子

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