中国トップスター シャオ・ジャンの大ヒットドラマ紹介! 美しき『陳情令』とワイルドな『狼殿下』

中国トップスター シャオ・ジャンの大ヒットドラマ紹介! 美しき『陳情令』とワイルドな『狼殿下』
『陳情令』©2019 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
かつて中国ドラマといえば「重厚な歴史物が多い」という印象が強かったが、近年では漫画やライトノベルに出てきそうなファンタジーものも多く制作され人気を博している。そんな時代の節目に彗星のごとく現れた俳優が「シャオ・ジャン(肖戦)」である。彼の魅力を出演作とともに紹介したい。

■新世代イケメン俳優「シャオ・ジャン」とは?

甘いマスクに抜群の歌唱力、そして身長183cmというしなやかな立ち姿。一度見たら忘れられないほど深い印象を与えるシャオ・ジャンは、1991年10月5日生まれの中国新世代俳優だ。今や押しも押されもせぬトップスターだが、彼は中国芸能界の中では少し変わったキャリアの持ち主である。

中国で俳優になる道筋と言えば、従来では演劇系大学などの養成機関で学ぶことが王道だった。例えば中国国内外で活躍するチャン・ツィイーは中央戯劇学院、『ラスト・シャンハイ』(2012年)のホァン・シャオミンは北京電影学院を卒業している。一方、シャオ・ジャンは非芸能系である重慶工商大学の出身。在学中は合唱部の部長を務めるなど活躍し、学内でもイケメンとして有名だった。卒業後は設計事務所にデザイナーとして就職している。 しかし! その才能を世の中は放っておかなかった!! 2015年にサバイバルオーディション番組『燃焼吧少年(原題)』のスタッフが、大学を通じて出演を依頼。番組を経てアイドル<X玖少年団(X Nine)>のリードボーカルとしてデビューしたのである。

■ブレイク作『陳情令』が美しすぎる!

そんなシャオ・ジャンがブレイクを果たしたのが、ブロマンス時代劇『陳情令』(2019年)のウェイ・ウーシエン役だ。日本でもSNSで爆発的に広まったのでタイトルをご存知の方も多いだろう。ブロマンスとは「ブラザー」と「ロマンス」を掛け合わせた言葉で、男性同士の海よりも深く山よりも高い絆を描くジャンルである。

『陳情令』でまず目を引くのが、二次元から飛び出してきたかのような美しいビジュアルだ。主人公の一人ウェイ・ウーシエンの天真爛漫で自由奔放なキャラクターは、爽やかで親しみやすいシャオ・ジャンのイメージにピタリとハマった。もう一人の主人公であるワン・イーボー(王一博)演じる無口で感情を表に出さないラン・ワンジーとのやりとりも絶妙。メインビジュアルの「白」と「黒」のように対照的でありながら、「二人で一つ」とも言える絆を直接的な言葉を使わずに、演技で可視化させることに成功した。

『陳情令』は、16年前に起きた事件をきっかけとした壮大なスケールの物語を縦糸に、事件の真相、ウェイ・ウーシエンとラン・ワンジーの間にある大きく複雑な感情、そして登場人物それぞれの思いが丁寧に織込まれた作品だ。仙境を思わせる優美な世界観も相まって、どこを切り取っても美しい。余談だが、脇役の若手俳優で作ったユニット<陳情少年>が歌手デビューし、こちらも人気を博している。

■日焼け肌に無精ヒゲ! 王子様イメージを覆す『狼殿下』

『陳情令』を経て現代の中国トップ俳優に数えられるようになったシャオ・ジャン。その俳優としての評価は一朝一夕で得たものではなかった。デビュー直後に出演した『月光のイタズラ〜時空(とき)を超えた恋』(2016年)『蒼穹の剣』(2018年)などは今でこそ初々しいシャオ・ジャンを見ることができるお宝ドラマだが、放送当時の中国では俳優としてのシャオ・ジャンは「可もなく不可もなく」という評価であったという。 そんなシャオ・ジャンが役者として大きく成長する機会となったのが『狼殿下 ‐Fate of Love‐』(2018年)だった。『狼殿下』は公開こそ『陳情令』の翌年だが、撮影自体は『狼殿下』の方が先。俳優シャオ・ジャンが『狼殿下』で得た学びが『陳情令』へと繋がっているのだ。

『狼殿下』は宿命を背負った姫と彼女を愛する2人の王の運命を描いた時代劇。シャオ・ジャンが演じるのは、王の一人「疾沖(しつちゅう)」。疾沖は、少年のような『陳情令』のウーシエンとはうって変わってのワイルドな役どころで、日焼けした肌に無精ヒゲという王子様イメージを覆す姿はファンに衝撃を与えた。

そして視聴者を感動させたのが、彼の役者としての姿勢と成長である。『狼殿下』撮影中のエピソードを紹介したい。

■高いプロ意識を見せた“俳優シャオ・ジャン”の原点

撮影中、シャオ・ジャンは涙するシーンがどうしてもうまくいかず、自問自答の結果、「自分は俳優に向いていないのではないか」と悩んだという。周囲からは「初めてにしては上出来だ」と慰められたが、それが却って辛かったそうだ。その時の心情をシャオ・ジャンはこう話している。
視聴者が見たとき「シャオ・ジャンは演技が初めてだから仕方ないよね」と許してくれるでしょうか。それはないと思う。画面に「彼は演技するのが初めてです」とテロップが入るわけじゃないんだから。役者は役を受けたからには、役に対して負うべき責任があるんです。

シャオ・ジャンは撮影を通して「俳優とはどうあるべきか」を考え続け、数ヶ月後のクランクアップ時にはすっかり役と一体化していた。彼が撮影中に見せた高いプロ意識を、監督も絶賛。『狼殿下』は俳優シャオ・ジャンの原点とも言える作品なのだ。

ちなみにシャオ・ジャン演じる疾沖は、中国では「史上最も幸せな二番手」と評価された。その理由は、ぜひ作品で確認してみてほしい。

その後、シャオ・ジャンは『慶余年 ~麒麟児、現る~』(2019年)『斗羅大陸 ~7つの光と武魂の謎~』(2021年)など次々と話題作に出演。さらに中国では、予告編だけで再生回数2億回超えのファンタジー時代劇『玉骨遥(原題)』が2022年夏以降、間もなく放送開始だとささやかれている。彼のますますの活躍が期待される。 文:沢井メグ 『陳情令』はLaLa TVで2022年9月1日(木)より放送、『狼殿下』はチャンネル銀河で8月10日(水)より放送中。

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