正しいと思っていたものが“ちょっとズレている” 極論だけど多くの人が共感できるテーマ 『ガンニバル』柳楽優弥インタビュー【前編】
2023年01月11日 07時00分BANGER!!!

■「片山監督は、ぶっ飛んでる人なのかなと思っていた(笑)」
―『ガンニバル』は世界配信のディズニープラス「スター」作品です。現場に入られて“世界に向いている”と実感される瞬間も多々あったかと思います。 通常のドラマ作品よりも長く半年くらい撮影にかけましたし、どういうふうに動くか? など、映画作品の現場のようにワンシーン毎に丁寧にリハーサルをしたことでストレスを感じることもなかったです。やっぱり準備は大事なんだなと感じました。そういった当たり前のことから、映像表現にこだわることがより面白くするための大きな要素になるんだといったことまで、あらゆる面でスタッフさんのすごさを改めて感じました。 世界規模とはいえ、僕なんかは正直やることは大きく変わらない、変わらなくていいと思うんですが、そこには色んな国の人が観るという前提のプロットがあるわけで、プロデューサーの山本(晃久)さんなど国際的にしっかり結果を出している方のもとで作品作りができたことで、変な疑問を持たず、弱気にならずに現場にいられたというか。いろんなアイデアを出し合いながら皆で前向きに作品に取り組めた、かっこ悪いところも出し合える良い現場だったように思います。■「正しいと思っていたものが“ズレている”と見られるときの雰囲気」
―片山監督の現場での演出などで、すごいなと感じた部分はありましたか? 今回、僕は警察官の役なんですが、その上司の人の“クセ”について、「口の中に口内炎がある感じで喋ってください」とおっしゃっていて(笑)。でも意外と、そういうふうに演出されると楽しいなと思いました。「ああ、そういう人いるよな」という、絶妙な演出をされる監督なんだなと。即興的に降りてきたものを感じるというか、軸がアーティストになりすぎていないというか、狂いすぎていないというか(笑)。そういったところが心強かったです。 ―スタッフさんに片山組の方が多かったこともスムーズな現場の要因の一つでしょうか? それは絶対にありますね。撮影、照明、録音、美術、メイクも衣装も、全体的に『岬の兄妹』からのスタッフさんが8割くらいなんじゃないかな。だからチームワークとしてまとまっているというのは、すごく大事なことなんだなと改めて感じました。こういう時代だからこそ“組”の大切さというものを感じた、ということを撮影部の池田(直矢)さんともずっと話していて。その中にパワーがあるし、言葉を発しなくても理解し合える距離感というか、それってやっぱり大事だなと。
記事にコメントを書いてみませんか?