祝マッツ・ミケルセン来日! 主演最新作『残された者-北の極地-』の完成披露上映会に登場!! ファンの熱量でむせ返る会場から速攻レポート

祝マッツ・ミケルセン来日! 主演最新作『残された者-北の極地-』の完成披露上映会に登場!! ファンの熱量でむせ返る会場から速攻レポート

「『残された者』のムードやスタイルからは、僕の思う“日本映画”と同じタッチを感じるんだ」

北欧の至宝マッツ・ミケルセンが、主演最新作『残された者-北の極地-』の完成披露上映会に登壇した。同作のPRと<ハリウッド・コレクターズ・コンベンション No.21>への参加も兼ねて、約2年ぶりに来日したマッツ。会場のバルト9には平日の夕方にもかかわらず多くのマッツガチ勢が詰めかけ、会場となったシアター9は満員状態に! ということで、マッツ愛でむせかえった上映会の様子をレポートしたい。

デニムにラギッドな黒いシャツというラフな装いでマッツが登場すると、予想通り客席からは悲鳴のような歓声と感嘆のどよめきが。開口一番、日本語で「アリガトウ!」と挨拶したマッツは、「この『残された者-北の極地-』という作品が日本で公開されるということで、とっっってもワクワクしています。実は日本の皆さんには特に観ていただきたいと思っていました。それは、本作と日本の作品に共通点を見出していたからなんですが、本作が持つムードやスタイルからは、僕の思う“日本映画”と同じタッチを感じるんです」と、日本への特別な想いを語ってくれた。

数日前から来日していたというマッツはすでに京都を訪れ、自転車を借りて寺社仏閣を巡ったり、ハイキングをしたり温泉に入ったりと、大好きな日本食とともに観光を楽しんだとのこと。やがて話題が『残された者-北の極地-』に移ると、その過酷な撮影について「とてもタフな経験だったね。天気、特に風がとても強い状況で、孤独を強く感じる現場だったから。ただ、美しいほどにシンプルに物語が綴られて、脚本段階から惹かれていたんだけど、本当にパーフェクトな物語だと思うよ」と称賛しつつ、「よくあるサバイバル映画の“ありがちな罠”に落ちることなく、常に誠実に物語が進んでいったので、撮影は厳しかったけれど、結果的にはフィフティーフィフティーかな(笑)」と笑いを誘った。

「とても美しく誠実な脚本。ここまでクリーンな脚本と出会うことは珍しいよ」

とはいえ厳しい自然で知られるアイスランドで撮影されたということで、大きなハプニングはなかったのか? という質問には、「もう常にトラブルが起きているという状況で、35日間の撮影予定が19日間に短縮されたんだ。例えば、嵐を撮影しようと思ったら晴れてしまったり、かと思えば急に雪が降ったり……。最初は天候の変化に合わせてなんとか撮影しようとしていたけど、途中で諦めたよ。アイスランドには“気に入らない天気も5分待てば変わる”という諺があるらしくて、まさにそういう心境だったね」と、諦めの境地から事態が好転していったようだ。

そして本作への出演の“決め手”について聞かれると、「それには面白い経緯があって、いくつかのエージェントから脚本をもらっていたんだけど、ドラマ『ハンニバル』の共同プロデューサーであるマーサ・デ・ラウレンティスから電話があって、彼女が言うには“監督未経験の若者が書いた脚本が素晴らしいから今すぐ読んでほしい”ということだったから、2時間ほどぶっ通しで読んだんだ」と、興奮気味に当時を振り返る。

そして「すごく感服したね。とても美しく、そして誠実に描かれていたから。僕にとって、ここまでクリーンな脚本と出会うことは珍しかったし、なにより初監督作品でこの脚本、ということにびっくりしたね。その後、監督のジョー・ペナとスカイプで2時間ほどミーティングしたんだけど、彼も僕も、この物語に対して同じことを感じていたことも分かって、2ヶ月にはアイスランドで撮影していたよ」と、将来有望な若手監督との出会いを語ったマッツ。

「とてもラッキーだったのは、この映画は北極が舞台なんだけど、脚本の初期段階では火星が舞台だったんだ。もしそのまま進んでいたら、アメリカ人俳優がキャスティングされていただろうから、運が良かったね(笑)」と、意外な秘話も明かしてくれた。

「“サバイブすること”と“生きること”は同義じゃない。人というのは一人では生きていけないんだ」

ここでスペシャルゲストの佐藤仁美から、マッツへ花束の贈呈が。テレビ番組のロケで北極圏に行った経験があるという佐藤に対し、マッツは「シロクマには遭った?」「(シロクマとの距離は)遠かった? 近かった?」「一人じゃなかったんだよね?」と、『残された者-北の極地-』の鑑賞後であれば思わずニヤリとしてしまう質問で笑いを誘う。ちなみに、マッツが撮影していたエリアはマイナス20度ほどだったらしいが、寒さよりも風の強さがキツかったそうだ。

そんな過酷な撮影を経て完成した『残された者-北の極地-』は、北極に立った一人取り残されていたマッツ演じる男性が、瀕死の女性を助けるべく動き出す……という物語。マッツは「一定のルーティンに従って、ただ生きるためだけにサバイブしている、ある意味ゾンビのような男が描かれる。でも“サバイブすること”と“生きること”は同義ではないと思うんだ。そして、彼の前にもう一人のサバイバーが登場することにより、彼は本当の意味で“生きよう”と決めるんだ。やはり人というのは一人では生きていけないんだよ」と、至極シンプルな本作が伝えようとしている真意について語ってくれた。

『残された者-北の極地-』は2019年11月8日(金)より新宿バルト9ほか全国公開

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