『卒業白書』『レオン』……スティングの映画主題歌・挿入歌を振り返る 10月の来日公演が迫っているぞ‼

『卒業白書』『レオン』……スティングの映画主題歌・挿入歌を振り返る 10月の来日公演が迫っているぞ‼
スティング/「マイ・ソングス」
制作:ユニバーサル インターナショナル
発売・販売元:ユニバーサル ミュージック合同会社
品番:UICA-1071

 

ポリス時代のヒット曲や自身の代表曲を、今現在の視点で再構築したニューアルバム『マイ・ソングス』を携えて、スティングの来日公演が2019年10月7日(月)から行われる。音楽界で輝かしい功績を挙げている彼は、主題歌の提供や俳優業など映画界でも活躍。今回は彼の来日公演にちなんで、これまで映画に提供した多くの主題歌・挿入歌の中から、代表的な作品をいくつか振り返っていきたいと思う。

『卒業白書』『レオン』『デモリションマン』……多彩な楽曲提供を振り返る

まず、ロックバンド、ポリス時代の曲では「見つめていたい」が『卒業白書』(1983年)や『リプレイスメント』(2000年)などで使われたほか、「マジック」が『奥さまは魔女』(2005年)、「ソー・ロンリー」が『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(2017年)や『SOMEWHERE』(2010年)、「君がなすべきこと」が『レッド プラネット』(2000年)、「マーダー・バイ・ナンバーズ」が『コピーキャット』(1995年)で使われている。このような既存音源やリミックスバージョンの使用に加えて、新録版を映画に提供したケースも多い。

例えば『デモリションマン』(1993年)にはアン・ネズビーのソウルフルなコーラスをフィーチャーした「破壊者」、『ジム・キャリーのエースにおまかせ』(1995年)にはパト・バントンと共演した「マテリアル・ワールド」、『好きと言えなくて』(1996年)にはランキング・ロジャーと共演した「ひとりぼっちの夜」を提供している。なお、スティングの映画初主演作『スティング/ブリムストン&トリークル』(1982年:日本未公開)のサウンドトラックには彼やポリスの書き下ろし曲が収録されており、レアなアルバムとなっている。

ソロ名義の曲では、やはり『レオン』(1994年)のラストを飾った「シェイプ・オブ・マイ・ハート」が印象深い。そのほか『ターミナル・ベロシティ』(1994年)の「ディス・カウボーイ・ソング」、『白い嵐』(1996年)の「ヴァルパライゾ」、『マイ・フレンド・メモリー』(1998年)の「ザ・マイティー」(ゴールデン・グローブ賞ノミネート)、『ラマになった王様』(2000年)の「マイ・ファニー・フレンド・アンド・ミー」(ゴールデン・グローブ賞/アカデミー賞ノミネート)、『レーシング・ストライプス』(2004年)の「Taking The Inside Rail」などが挙げられる。

『リーサル・ウェポン3』(1992年)の「イッツ・プロバブリー・ミー」ではエリック・クラプトン、デイヴィッド・サンボーン、マイケル・ケイメンと共演し、『三銃士』(1993年)の「オール・フォー・ラヴ」ではブライアン・アダムス、ロッド・スチュワートと共にロック・バラードを熱唱して洋楽ファンを歓喜させた。また、妻のトゥルーディー・スタイラーが製作を手掛けた『グリーンフィンガーズ』(2000年)には「トウェンティ・ファイヴ・トゥ・ミッドナイト」を提供している。

映画サントラではジャズにも挑戦! GG/オスカーへのノミネートも

映画のサウンドトラックでは、スティングの音楽のルーツでもあるジャズに取り組む機会も多い。その中で特に知られているのが、俳優として出演した『ストーミー・マンディ』(1988年)以来の旧友マイク・フィギス監督のために、「エンジェル・アイズ」「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」「ロンサム・オールド・タウン」の3曲をレコーディングした『リービング・ラスベガス』(1995年)だろう。

ほかにも『誰かに見られてる』(1987年)の「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」、執事役を怪演した『グロテスク』(1995年)の「This Was Never Meant to Be」、『サブリナ』(1995年)の「ムーンライト」、『トーマス・クラウン・アフェアー』(1999年)の「風のささやき」、『阿修羅城の瞳』(2005年)でピアニストのハービー・ハンコックと共演した「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」などでジャジーな美声を聴かせている。

また、ゴールデン・グローブ賞を受賞した『ニューヨークの恋人』(2001年)の「アンティル…」や、『私の愛情の対象』(1998年)でカヴァーした「You Were Meant For Me」(『雨に唄えば』(1952年)の劇中歌として有名)、『コールド マウンテン』(2003年)で作詞・作曲を手掛けたアリソン・クラウスの「ユー・ウィル・ビィ・マイ・エイン・トゥルー・ラブ」(ゴールデン・グローブ賞/アカデミー賞ノミネート)など、ロックの枠を超えた多彩な音楽ジャンルへのアプローチは、のちに彼が世界で最も長い歴史を持つクラシック音楽のレーベルであるドイツ・グラモフォンからアルバムをリリースする流れに繋がるものだったようにも思えてくる。

近年はドキュメンタリー映画『Jim: The James Foley Story』(2016年)の主題歌「The Empty Chair」でアカデミー賞にノミネートされており、そろそろ同賞の受賞も期待されるところである。

文:森本康治

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